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柔らかい答えが最善
● 近年,多くの精神科医は,腹立たしい状況に対処する最善の方法は怒りをぶちまけることであると教えてきました。中には,どなったり,金切り声を上げたり,時によっては物を投げ付けたりするように勧める精神科医もいました。感情を抑制しようとするより,この方が当人にとって良いと考えられていました。デンバー・ポスト紙の中で,バーバラ・バロはこう語りました。「かいようや心臓発作などの病気を防ぐために,敵がい心を抑制せずに,発散させる必要がある,といつも教えられてきた」。
人間を創造され,人間が自分自身と他の者に最大の益をもたらすにはどのように行動すべきかを最もよくご存じのエホバ神は,ずっと昔にこう述べました。「柔らかい答えは憤りをとどめ,激しい言葉は怒りをひきおこす」。(箴 15:1,口)神の言葉は,「穏やかな心は身の命である」と述べて,「自制」を示すよう勧めてきました。―ガラテア 5:23。箴 14:30,口。
ところで,ジョンズ・ホプキンズ大学医学部のミルトン・レイデン博士は,「敵がい心は人から人に伝わっていき,それが自分のところへ返ってくる」ため,敵意を表現することは非生産的である,と語っています。それは,『火に油を注ぐ』ようなもので,事態を悪化させるだけです。同博士は,「敵がい心には何のとりえもないが,謙そんさは何かの役に立つことを忘れてはならない」と,語っています。ポスト紙はこう結んでいます。「金切り声を上げたり,叫んだりしてはならない。人をなぐったり物を打ちたたいたりして敵意をぶちまけてはならない。……気を楽にして,怒りに駆られて行動しないようにする必要がある」。
挑戦を受ける精神医学
● 最近,精神医学は鋭い批判にさらされるようになりました。その効用について,US・ニューズ・アンド・ワールドリポート誌はこう報じています。「結果が疑わしい場合がある。何か月間か治療を受けても一向によくならず,時には前より悪くなったと報告する患者が少なくない。友人からなら無料で得られる常識的なアドバイスや慰めしか与えてくれない精神科医がいる,と語る人もいる」。
同誌はさらにこう続けています。「社会全体がある種の精神療法から害を受けてきたようである。正しいか間違っているかは別として,次のような考え方が広まっている。つまり現代アメリカの悩みが増大したのは,たとえ家庭が崩壊しようが,他人に迷惑がかかろうが,『自分の思い通りの事を行なう』よう勧めることの多い精神科医のアドバイスのせいだ,という考えである」。
精神医学の抱える根本的な問題のひとつは真理の基準もしくは治療の基準がないことです。精神科医によって意見が大きく異なるため,ある精神科医の与える助言が他の精神科医の助言と正反対の場合もあります。
精神衛生に関する最良の助言,信頼でき,時の経過にも影響されることなく,わたしたちの精神や体の造りとも調和している助言はどこに見いだせるでしょうか。それは神の霊感を受けた,人類に対する導きである聖書の中に見いだせます。「あなたのみ言葉はわが足のともしび,わが道の光です」と詩篇作者は言いました。(詩 119:105,口)そうです,『[エホバ]を恐れることは知恵のもとであり,聖なる者を知ることは,悟りなのです』― 箴 9:10,口[新]。
それゆえ,神はこう言っておられます。「わたしに聞き従う者は安らかに住まい,災いに会う恐れもなく,安全である」― 箴 1:33,口。
『不誠実な相違』
● スクリップス・ハワード系の宗教担当記者ジョージ・R・プレイジェンツは,主要教会の僧職者が信者の群れを誤導している,と語っています。同記者はこう書いています。「教会員は,数多くの主立った教会の行なう,わが国最大の背信詐欺ともいうべきものの犠牲になっている。貧弱な説教や単調な宗教儀式はごまかしのごく一部にすぎない。誠実さの欠如こそより深刻な問題である」。
その一例として,プレイジェンツはこう語っています。「聖書の奇跡を信じていない牧師が,説教の中で奇跡について語ることがある。……自分がそれを文字通りに信じてはいないなどと公言して,わざわざ問題を招くことはない,とその牧師は自分に言い聞かせている」。
なぜ,これらの僧職者は神の言葉に対して不信を抱いているのですか。「なぜなら,ほとんどの僧職者が信仰のない学者から神学を学んでいるからである」と,プレイジェンツは語っています。
イエスは,彼の時代の同様の宗教教師についてこう言われました。「彼らは盲目の案内人なのです。それで,盲人が盲人を案内するなら,ふたりとも穴に落ち込むのです」。(マタイ 15:14)イエスは,彼らが,神にではなく,「偽りの父」である悪魔サタンに源を発していることを示されました。―ヨハネ 8:44。