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飢きんに干上がるアフリカ目ざめよ! 1974 | 6月8日
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です。今年一年だけでもサハラ地域に合計約66万2千トンの食糧供与が必要であると推定されています。しかしながら,ここ数か月のうちに雨が元どおりに降るようになったとしても,すでに受けた打撃から立ち直るためには幾年もかかることでしょう。飢がのために衰弱しきった牝牛はもはや子を産めません。人々は昔からの自分の土地を離れて,都会の全く新しい生活に対面しています。
では,長期の計画としてはどうでしょうか。アフリカの飢きんはこれを最後としてもう終わるでしょうか。たいていの当局者は,全く正直に現実を見る場合,暗い展望しかできないことを認めます。
川にダムを作って,干ばつ年のための農業用水をためることを提案する人もいます。しかし,こうして水をためることは黒バエの繁殖池を作ることになり,この地域で恐れられる“川めくら”を多く引き起こすことになります。すでに幾千人もの人がその病気にかかって農作の仕事ができなくなっています。これは経済上の問題を増し加えるにすぎません。
問題の専門家の中には,“教育”がアフリカの食糧問題の解決のかぎであるとする人もいます。しかし,多くのアフリカ人にとって,“教育”とは,西欧的な流儀を強いられることにすぎません。オート・ボルタのジョセフ・キゼルボは,それは,実際には,アフリカ人が外部の者に依存する結果となるにすぎない,と論じています。彼は,国連食糧農業機関の刊行物である「セレス」の中でこう書いています。
「アフリカでは,用具や訓練の不足のために広大な地域が来る年も来る年も休閑地として放置され,活用される時を待ってはいるが,住民は,19世紀の終わりまでは,たとえ豊かではなくても,いちおうの自足経済を続けていたのである。しかし今,彼らは,アメリカ産のトウモロコシ,ソビエト産の米,ヨーロッパ産の小麦粉などに依存する度合を強めている。低開発諸国は,豊かな人々の食卓の下にいよいよ入り込もうとしている」。
そうです,この世界の人々は,アフリカにおける飢きんの問題に真の解決の道を差し伸べることができません。しかし,地球の創造者であり,食物を産出する能力を地球に付与された神は,確かに答えを有しておられます。苦悩に直面しているアフリカの人々,および世界の他の人々の食糧問題は,ただ神の王国によってのみ恒久的な解決を与えられます。
イエス・キリストは,「事物の体制の終結」の時に,他のさまざまな深刻な問題と並んで,食糧不足の起きることを預言しました。(マタイ 24:3,7,8)食糧問題を扱う世界的な機関や,善意の人々,また,科学技術上の最新の知識があるにもかかわらずこうした状態が大々的に続いていることは,これがイエスの預言の成就であることを強力に示しています。
聖書はまた,神の王国が地に対する人間の利己的な支配を終わらせ,地球を一つのパラダイス,すべての住人に豊富な食物のあるところとすることをも予告しています。そして,このこともまもなく成就します。―マタイ 6:9,10。詩 67:6,7; 72:16。
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太陽をかすませる砂じん目ざめよ! 1974 | 6月8日
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太陽をかすませる砂じん
◆ アフリカの広範な地域を襲った干ばつの影響で,広大な砂じんの雲が空高く巻き上がり,大西洋を越えてカリブ海地方にまで吹き寄せた。カリブ海地方の科学者たちは,何年かにわたってアフリカからの砂じんを測定した結果,その濃度が比較的一定しているとの結論を得ていた。しかし,現在は砂じんの量が増えている。1974年1月19日付のサイエンス・ニューズ誌はこう報じた。「1972年から1973年にかけた1年間にバルバドスで測定されたアフリカから吹き寄せる夏期の砂じんの量は60%も増えた。これは,干ばつの始まる前の1968年の水準に比べると3倍にも達している。……砂じんがこれほどの濃度になると,太陽でさえかすんでしまい,空気の特性だけでなく,気候にまで影響をおよぼす可能性がある」。アフリカから吹き寄せた砂じんは,「大西洋の熱帯水域に降りそそぐ太陽エネルギーの15%ほどをさえぎってしまった」。
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