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聖書預言に見る古代バビロンから20世紀までの歴史ものみの塔 1977 | 10月1日
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では,間もなくこれらの預言が成就すると期待できますか。
キリストの臨在の「しるし」
イエスが殺される少し前,弟子たちはイエスに,その「臨在と事物の体制の終結のしるし」を求めました。(マタイ 24:3)「臨在」と言ったとき,弟子たちはキリストが王国の権力をもって支配することを意味していました。イエスは弟子たちの質問にどう答えられましたか。マタイ 24,25章に記されているその答え全体,およびそれに対応するマルコ 13章とルカ 21章の記述をお読みになれば,多くの益が得られるでしょう。ここでは幾つかの際立った点だけを取り上げることにします。
ルカによる福音書の記述によると,イエスはご自分の臨在のしるしの一部として次のような事柄を挙げられました。「国民は国民に,王国は王国に敵対して立ち上がるでしょう。そして,大きな地震があり,そこからここへと疫病や食糧不足が起こります」。(ルカ 21:10,11)啓示の書は,イエスが王として臨在する際のその同じ証拠を象徴的な言葉で説明しています。象徴的な「白い馬」に乗る者であるイエス・キリストに,人類の世に対する実際の王権を表わす「冠」が与えられた後,地上で起きる事柄について次のように描写されています。
「すると,別の[馬とそれに乗る者が現われ],火のような色の馬が出て来た。そして,それに乗っている者には,人びとがむざんな殺し合いをするよう地から平和を取り去ることが許された。そして大きな剣が彼に与えられた。[『国民が国民に敵対して立ち上がる』ことについて述べたルカ 21章10節の記述と比較してください。]……
「そして,見ると,見よ,黒い馬がいた。それに乗っている者は手に天びんを持っていた。そしてわたしは,四つの生き物の中央から出るかのような声が,『小麦一リットルは一デナリ[当時の一日分の賃金],大麦三リットルは一デナリ。オリーブ油とぶどう酒を損うな』と言うのを聞いた。[飢饉に関するルカ 21章11節の記述と比較してください。]……
「そして,見ると,見よ,青ざめた馬がいた。それに乗っている者には“死”という名があった。そして,ハデス[人類共通の墓]が彼のすぐあとに従っていた。そして,地の四分の一に対する権威が彼らに与えられた。長い剣と食糧不足と死の災厄をもって,また地の野獣によってそれを殺すためである。[ルカ 21章11節には疫病に関する記述が含まれていることに注目してください。]」― 啓示 6:1-8。
あなたはこうした事柄をご自分で経験してこられたのではありませんか。1914年に第一次世界大戦が始まって以来,今日生きている人々の世代は類例を見ない戦争,食糧不足,および伝染病を経験してきたのではありませんか。しかも,イエスが王国の権力を帯びて臨在しておられるしるしはこれだけではないのです。
イエスはご自分の臨在のしるしの別の特徴として,次のような事柄をつけ加えられました。「また不法が増すために,大半の者の愛が冷えるでしょう」。(マタイ 24:12)この世代になって,世界の多くの土地で犯罪発生率が上昇した結果,神と同胞に対して人々の抱いていた愛が全般的に冷えてきた,ということに同意されるのではありませんか。―テモテ第二 3:1-5と比較してください。
しかし,世界情勢がどれほど暗たんたるものであっても,それは聖書を信ずる人に,喜びを抱く強力な理由を与えることになります。イエスはさらにこう述べておられるからです。「あなたがたに真実に言いますが,これらのすべての事が起こるまで,この世代は決して過ぎ去りません」。つまり,こうした苦悩の時代の始まりを目撃した人々は,神の天の王国が現在の事物の体制を終わりに至らせるときに,まだ生きているということになります。―マタイ 24:8,34。
では,何が現在の事物の体制に取って代わるのですか。神の支配の下にある新しい事物の体制です。その時地上にもたらされる状態を,聖書の啓示の書は次のように描写しています。「見よ! 神の天幕が人とともにあり,神は彼らとともに住み,彼らはその民となるであろう。そして神みずから彼らとともにおられるであろう。また神は彼らの目からすべての涙をぬぐい去ってくださり,もはや死もなく,嘆きも叫びも苦痛ももはやない。以前のものは過ぎ去ったのである」― 啓示 21:3,4。
そのような新しい事物の体制の下で生活したいと思われますか。そうであれば,イエスの与えた「しるし」の成就は,あなたにとって特に意義深いものとなるでしょう。イエスはこの点を指摘してこう語られました。「これらの事が起こり始めたなら,あなたがたは身をまっすぐ起こし,頭を上げなさい。あなたがたの救出が近づいているからです」― ルカ 21:28。
何という壮大な希望でしょう。しかし,神は,生き残って新しい事物の体制に入る人すべてに一定の要求をしておられます。それらの要求は決して難しいものではありません。(ヨハネ第一 5:3,4)あなたは神のご要求を学ぶために聖書を研究したいと思われますか。神のご要求を学ぶことに,喜びを見いだされるに違いありません。エホバの証人は,喜んで無料の家庭聖書研究を司会いたします。また,エホバの証人の王国会館で開かれる集会は無料で,一般の人々に門戸を開放しています。すぐエホバの証人と連絡を取り,この20世紀における聖書預言の成就に対して,さらに深い見識を得てください。
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ものみの塔の新会長の選出ものみの塔 1977 | 10月1日
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ものみの塔の新会長の選出
地上におけるエホバの業は,すでに即位しておられる王イエス・キリストの指導の下に堂々と進展しています。わたしたちの敬愛するネイサン・H・ノア兄弟が1977年6月8日に死去したため,エホバの証人の世界的な活動を指導する法人団体であるペンシルバニア州のものみの塔聖書冊子協会,および米国におけるエホバの証人の業を管理する合法機関であるニューヨーク法人,ものみの塔聖書冊子協会の新しい会長を選出することが必要になりました。エホバの証人の統治体の成員15人全員の共同推薦に基づいて,両法人団体の理事は1977年6月22日に合同会議を開き,全員一致でフレデリック・W・フランズを両法人団体の会長に選出しました。フランズ兄弟がその席上で,1923年7月4日にノア兄弟が浸礼を受けたときのこと,そしてその翌年からニューヨーク市ブルックリンにあるエホバの証人の本部で,フランズ兄弟がノア兄弟と密接に交わりながら奉仕したことについて話したのは興味深いことでした。フランズ兄弟は1945年以来,ペンシルバニア法人の副会長として奉仕しており,1977年9月12日で84歳になりました。しかし依然として非常に活発にエホバに仕えており,この時もアイルランドからイスラエルまでの11か国に及ぶ講演旅行から帰ったばかりでした。優れた聖書学者としての同兄弟の際だった評判,および王国の関心事に対する同兄弟の勤勉な業のゆえに,フランズ兄弟はあらゆる所のエホバの証人の信頼と忠節な支持を受けています。同兄弟は,エホバの民がこの事物の体制の終わりまで業を続け,奉仕をやめず,共に祈り続けるようにとの熱烈な願いを表明しました。
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