-
超音速の空の旅 ― それは定着するか目ざめよ! 1978 | 4月22日
-
-
です。しかし,コンコルドの大きな欠点は航続距離の短いことです。定員の約100人の乗客を乗せると,燃料をいっぱい積み込んでも,パリからワシントンまで飛ぶのが精一杯です。
このように,コンコルドはいろいろと深刻な問題を抱えています。コンコルドが16機以上製作されることはないかもしれません。しかし,人々がスピードという利点を優先するゆえに,超音速旅客機は飛び続けることでしょう。事実,米国航空宇宙局(NASA)は,1977年11月,さらに進んだ超音速旅客機のデザインを研究させるため,ロッキード-カリフォルニア社と27万㌦(約6,750万円)の連邦契約を結びました。
計画中の新しい飛行機は定員200人で,巡航速度6,440㌔になるものと思われます。その航続距離は9,660㌔で,高度3万6,500㍍の上空を飛びます。この高度で起きる衝撃波音は,地表面に達するころまでには耳障りではなくなっています。超音速機による空の旅の今後の発展を見守るのは興味深いことです。
-
-
私はコンコルドの乗員です目ざめよ! 1978 | 4月22日
-
-
私はコンコルドの乗員です
英国諸島の「目ざめよ!」通信員に語られた経験
二年ほど前,私はコンコルドの客室乗務員として働くように配置転換を命じられました。各乗務員は,まず,その仕事を行なうための特別訓練を受けましたが,それは“学校”に戻ることを意味しました。ロンドンのヒースロー空港の近くにある訓練センターでは,新たに,食事の出し方,備品の取り扱い,乗務員の任務,および安全手順などを学び直さねばなりません。
この訓練センターには,前部ギャレー(調理室)と飛行機の客室の一部からなる“実物大の模型”,つまり実物と全く変わらない装置があります。床の角度まで幾分傾いており,実際の飛行姿勢に似せてあります。乗務員はここで,地上を離れることなしに,一群の“乗客”にサービスができます。ですから,実際の飛行乗務の前に,乗務員は食事を出し,オーブンのタイミングに慣れ,実際の飛行機の中の限られたスペース内で働く方法を学んでいるわけです。
それから,格納庫に収められているコンコルドを見学する時が来ました。その流線型の機体は印象的です。静止しているときでさえ,スピード感にあふれています。離着陸の際には機首が下がるので,この飛行機は敏速な猛鳥,ワシを思わせます。この飛行機は確かに際立った,そして特色のある形をしています。
初飛行
コンコルドの巡航速度は分速37㌔で,音速の二
-