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人間ではなくエホバを信頼しなさいものみの塔 1977 | 10月15日
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であったことに疑問の余地はない。しかし戦時中ほどその知識が精力的に追求されたことはなかった」。戦車,飛行機,火炎放射器,機関銃,潜水艦,ミサイル,原子爆弾その他の兵器を科学は作り出しました。それらの兵器は,今世紀に,1億以上の人々の命を奪いました。それはどの時代をも上回る数です。「戦車の数が多いためにこれに信頼し,そして乗用馬が非常に強力であるためにこれに信を置き,イスラエルの聖なる方を見つめず,エホバご自身を捜し求めなかった者たちに災いが来る」と,神の言葉は明確に述べています。(イザヤ 31:1,新)科学を利用する軍国主義が災いを招くものであることが明らかになっていても,諸国家は現在,軍備に年間3,000億ドル費やしています。アメリカとソ連の科学者全体の約25%は軍事関係の仕事に携わっており,軍備管理または軍縮関係の仕事に従事しているのは1%の百分の一にも満たないのです。
9 科学は人間家族が抱えている悲惨な問題の解決に役立ちましたか。
9 科学は,世界的な犯罪の横行を阻止するのに役立ったでしょうか。いいえ,犯罪は増加してきました。神の預言に,「終わりの日」にはそういうものが増加するとあるとおりです。(マタイ 24:12。テモテ第二 3:1-5,13)アメリカの国勢調査局の示すところによると,アメリカだけでも,大きな犯罪が毎年3,700万件生じています。これは実際に警察に届け出られた数の三倍に当たります。また医学は幾つかの病気との闘いに役立ちましたが,その一方では,手のつけられない状態になってしまった病気もあります。心臓病は,性病のように疫病並になり,ガンは主要な死因の一つになりました。人間が,空気や土地や水を汚染し,また食品を化学的に処理するようになったために,保健問題は一層大きくなりました。それに科学は,老齢と死の猛威の前に全く無力です。人類の状態は,神の言葉が次のように述べているとおりで,少しも変わっていません。「ひとりの人を通して罪が世に入り,罪を通して死が入り,こうして死が……すべての人に広がった」。(ローマ 5:12)さらに,現代科学の非常な進歩にもかかわらず,パレード誌は,「世界には,飢え,貧困,文盲,失業などに苦しむ人々が今までになく多い」と述べています。
10,11 (イ)世の一部の権威者たちは科学の失敗をどのように認めていますか。(ロ)人間の努力について,聖書はどんなことを明確にしていますか。
10 このように,科学時代がもたらした結果は一目瞭然です。わたしたちは実際の経験から,それが何をもたらしたかを知っています。「環境倫理」という本と同じように,「現在の科学技術はすでに失敗している」と結論することができます。著者のルイス・マンフォードはまた,「機械学と科学の進歩は,それにつり合った益を人間に保証したという考えは……今や完全に維持しがたいものになった」と述べました。また歴史家のアーノルド・トインビーは,「われわれは,機械がわれわれを支配するのを許すことを試み,恐るべき結果を得た。……更生しない人間に,彼の実験室が考え出した危険なおもちゃを安心して持たせておくわけにはいかない」。
11 今わたしたちは,人間に拠り頼んだために人間家族にどんなことが起きたかを,はっきり見ることができます。それは神の預言者エレミヤが予告していたとおりでした。エレミヤは次のように言いました。「地に住む人間に信頼を置き,肉を実際に自分の腕とし,その心がエホバご自身から離れて行く壮健な者は呪われる」。(エレミヤ 17:5,新)また,霊感を受けた詩篇作者の次の言葉も信頼できるものであることが明らかになりました。「エホバご自身が家を建てるのでなければ,その建築者が一生懸命に働いてもむだである」― 詩 127:1,新。
エホバは人間の信頼に値する方
12 命に関する重要な事柄について,わたしたちが信頼できる唯一の方はだれですか。
12 人間の経験が示しているように,命に関係した重要な問題に関して人間の知恵に頼るのは愚かなことです。人間が,人間家族の大問題を解決すると言ってもそれは期待できません。その解決策を持つのは,全能の創造者であるエホバだけです。ですから,こうした危機の時代にだれかに導きを仰ぐといった重要な問題になってくると,わたしたちが頼らねばならないのはエホバです。あなたは危険な旅をするとき,子供がいいかげんに書いた地図を信頼しますか。それとも,道に精通している専門家の指示に頼りますか。この危険な「終わりの日」を通過する,そして神の新秩序におけるとこしえの命を求めてのわたしたちの旅においては,人間の知恵を導きとして信頼することは全くできません。聖書が次のように述べているのはそういう理由によります。「エホバに信頼を置き,エホバがその者の確信となってくださった壮健な者は祝福される」― エレミヤ 17:7,新。
13-15 (イ)宇宙はエホバの知恵と力をどのように表わしていますか。(ロ)このことはなぜエホバに対するわたしたちの確信を深めますか。(イザヤ 40:28,29)
13 エホバのみ業は,その知恵と力によるものであって,わたしたちに確信を与えます。エホバがすでに何を行なわれたか,また何を行なう能力をお持ちであるかを知るとき,わたしたちの生き方を導く,そして義の新秩序を作り上げるエホバの能力に対するわたしたちの認識は深まります。エホバの能力を示す一例は,物質宇宙そのものに見られます。望遠鏡が発明される前は,肉眼で見える数千の星が,存在する星の全部と考えられていました。しかし,最初の粗末な望遠鏡により,さらに多くの星のあることが明らかになりました。現在宇宙を探っている今日の観測器は幾十億という星を示すので,エレミヤが述べたように,人間は「天の星を数えることができません」― エレミヤ 33:22,アメリカ標準訳。
14 天体がただでたらめに散らばっているのではないことが発見されたのもそのときでした。星は集団を成していて,「星雲」と呼ばれるものを作り上げており,星雲には幾十億もの星と他の物質が含まれています。わたしたちが住んでいる星雲は天の川と呼ばれていて,わたしたちの太陽のような星を推定1,000億擁しています。わたしたちの星雲の直径は約10万光年と計算されています。光はわずか一年間に9.6兆キロも進みます。そればかりではありません。「ナショナル・ジオグラフィック」誌によると,人間は最近行なった観測で「圧倒されてしまった」形です。非常に多くの星雲が観測され,ある人はその数を100億と推定し,他の観測者はそれを1,000億と推定しました。さらに,それらの星雲がまとまっていることも観測されました。星雲は「星雲団」を成しています。つまり,いくつかの星雲が集まって各星雲団を成しています。
15 宇宙のその無限の広がり,その秩序,そして天体の運行を支配するその正確な法則は,一部の科学者を驚嘆させました。「サイエンス・ニューズ」は次のように述べています。「こうした事柄を考察するとき,宇宙学者たちは心穏やかでない。なぜなら,そのような精密さと正確さを有する状態がただばく然と生ずることなどあり得ないように思えるからである」。もちろん,宇宙はただ「ばく然」と生じたのではありません。宇宙に見られる知恵,力,秩序,法則はすべて,偉大な創造者エホバ神から出ています。「天は神の栄光を告げ知らせ,大空はみ手の業を語り告げる」。(詩 19:1,新)エホバの力は遠くまで及ぶので,人間に不可能なことをエホバはらくらくと行なわれ,『星の数を数え,それらすべてをその名で呼ぶ』ことさえされます。―詩 147:4,新。
16 生物に関する新しい発見は,どんな結論を導き出すはずですか。
16 また,地上の生物体にはっきり見られる知恵と複雑さに,畏怖の念をますます深くしている科学者も少なくありません。次の記事は「サイエンス・ダイジェスト」に載っていたものです。「分子生物学の分野でほとんど毎日のように新しい事柄が発見されているため,生命が偶然に発生した可能性は,あり得ないとは言わないまでも,しだいに薄れつつある」。ある科学者の推定によると,人間の細胞一個の中に見られる暗号指令を書きとめるなら,百科事典千巻分がいっぱいになる,ということです。このすべてはどこから来たのでしょうか。たなの上の百科事典一巻は確かに,理知的な著者の存在を人に告げます。それと同じく,生物体に見られる驚くべき量の知識,知恵,複雑さなども,それらを造った者の存在を告げます。ですから,聖書はエホバ神について簡潔に,そして正しく,「命の泉はあなたと共にあり」ます,と述べています。―詩 36:9,新。
17 謙そんな人はどんなことを認めますか。
17 謙そんな人々は,多くの科学者や他の人々が認めないことを認めるでしょう。つまりエホバこそ真に「もろもろの天の創造者,それを引き伸ばしておられる偉大な方,地と物を伸べておられる方,地上の民に息を,その中に歩む者たちに霊を与えておられる方」であることを認めます。(イザヤ 42:5,新)そういう能力と知恵を実証しておられるこの栄光に輝く創造者は,確かにわたしたちの信頼に値するかたです。24人の長老が幻の中で述べたとおりです。「エホバ,わたしたちの神よ,あなたは栄光と誉れと力を受けるにふさわしいかたです。あなたはすべてのものを創造し,あなたのご意志によってすべてのものは存在し,創造されたからです」― 啓示 4:11。
18,19 (イ)神のみ業は人間の業に比べてどうですか。(ロ)神を信頼するかまたは人間を信頼するかに関して,わたしたちの態度はどうあるべきですか。
18 そこでわたしたちは,神のみ業と人間の業とを比較して,わたしたちの全幅の信頼に値するのはだれか,と尋ねてみることができます。どんなに科学的に進歩していても,それは確かに人間ではありません。人間がすでに地上に引き起こした膨大な損害と混乱は,人間が生活の諸問題に対する解決策を持たないこと,またそれを見いだすという主張をそのまま信頼できないことを示しています。ワールド・ブック百科事典が次のように指摘している通りです。
「科学は非常な進歩を遂げたけれども,科学者はまだ未解決の問題をたくさん抱えている。……
「植物学者は依然として光合成の作用の仕方を正確には知らない。生物学者と生化学者は,生命がどのようにはじまったかという質問の答えをまだ見いだしていない。天文学者は,宇宙の起源に関する満足のいく説明をまだしていない。医学者と生理学者は,ガンの原因とその治療法,あるいはウイルスによる種々の病気の治療法を知らない。……心理学者は,精神病の原因を全く知らない」。
19 エホバはこうした事柄に対する答えをすべてご存じです。そしてエホバは人類が抱えている厄介な問題を解決する知恵と能力を確かにお持ちです。ですから,「高貴な者たちに信頼を置いてはならない。また,地に住む人の子にも。その者に救いはない」という聖書の警告は適切です。(詩 146:3,新)正しいことを愛する人,命を愛する人,そして将来より良い状態を見ることを望む人は,詩篇作者が次のように述べた人々の中にいるでしょう。「あなたのみ名を知っている者たちはあなたにより頼みます。ああエホバ,あなたはご自分を尋ね求める者たちを決して捨て去られないからです」― 詩 9:10,新。
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エホバを信頼しつづけて報いを得なさいものみの塔 1977 | 10月15日
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エホバを信頼しつづけて報いを得なさい
「エホバに拠り頼んでいる者は幸いだ」― 箴 16:20,新。
1,2 わたしたちはなぜエホバが人類の問題を解決してくださることを信ずるべきですか。
幾千年にわたる歴史は次のことを実証しました。すなわち人間は,いかに善意をもってしても,またいかに科学的に進歩しても,人類の抱えている大きな問題を解決することはできないということです。わたしたちが期待をかけることができるのは,宇宙を創造し,この地上に命をお造りになった創造者だけです。創造者だけが,それに必要な知恵と力と意志をお持ちです。そのことを認識していた詩篇作者は,「あなたはわたしの望み,ああ,主権者なる主エホバよ,若い時からのわたしの確信(です)」と述べました。(詩 71:5,新)その希望は正しいところに置かれています。神の言葉は,「その希望が失望に至ることはありません」と約束しているからです。(ローマ 5:5)したがって聖書は次のような当を得た助言を与えています。「心を尽くしてエホバに拠り頼みなさい,自分の理解に頼ってはならない」― 箴 3:5,新。
2 わたしたちがエホバに拠り頼まねばならない,どうしても避けられない一つの理由は,人類の将来は神がお決めになるのであって,人間が決めるのではない,ということにあります。それはまた「進化論」のような空想によって決まるのでも,「進歩」と名付けられている盲目の力によって決まるのでもありません。実はエホバは,将来をすでに決めておられます。「神が偽ることのできない」方である以上,わたしたちは神が将来に対するその目的を成就されるのを期待できます。(ヘブライ 6:18)さらにエホバは次のように述べて,わたしたちを元気づけてくださいます。「このように,わが口から出る言葉も,むなしくわたし
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