バプテストのヨハネはどんな人でしたか
聖書の答え
バプテストのヨハネは神の預言者でした。(ルカ 1:76)ヨハネは西暦紀元前1世紀の終わりごろに生まれ,西暦1世紀にかけて活動した人です。神はヨハネにメシアつまりキリストのための道を整えるという役割を与えました。それでヨハネは,仲間のユダヤ人たちに神からのメッセージを伝え,神のもとに戻るよう呼び掛けました。(マルコ 1:1-4。ルカ 1:13,16,17)
ヨハネの伝えたメッセージは,誠実な人々が約束のメシア,つまりナザレ人イエスを見分ける助けになりました。(マタイ 11:10)ヨハネは罪を悔い改め,その象徴としてバプテスマを受けるよう人々に勧めました。(ルカ 3:3-6)ヨハネは大勢の人にバプテスマを施したので,バプテストあるいはバプテスマを施す人と呼ばれています。ヨハネが行った中で最も重要なバプテスマは,イエスに施したバプテスマです。a (マルコ 1:9)
この記事では次の点を取り上げます。
バプテストのヨハネはどんな点で際立っているか
何を行うかが予告されていた ヨハネが伝道を行うことで,エホバの使者に関する預言が実現しました。(マラキ 3:1。マタイ 3:1-3)ヨハネは予告通り,「準備ができた民をエホバのために整え」ました。ユダヤ人がエホバ神の主な代理であるイエス・キリストのメッセージを受け入れるよう,道を整えたのです。(ルカ 1:17)
偉大な人 イエスはこう言いました。「バプテストのヨハネより偉大な人は現れていません。しかし,天の王国で最も目立たない者も彼より偉大です」。(マタイ 11:11)ヨハネは預言者であるだけでなく,予告されていた「使者」だったので,ヨハネより前に神に仕えていたどの人よりも偉大だといえます。イエスの言葉から,ヨハネが天の王国に行かないことも分かります。b ヨハネはイエスが天の命への道を開く前に死にました。(ヘブライ 10:19,20)ヨハネには,神の王国が治める地上のパラダイスで永遠に生きる見込みがあります。(詩編 37:29。ルカ 23:43)
バプテストのヨハネの両親はどんな人だったか
ヨハネの両親はゼカリヤとエリサベツという夫婦です。ゼカリヤはユダヤ人の祭司でした。エリサベツには子供ができませんでしたが,神の助けによってヨハネを産みました。しかも,エリサベツとゼカリヤは「かなり年を取って」いました。(ルカ 1:5-7,13)
バプテストのヨハネはどのように死んだか
ヘロデ・アンテパス王がヨハネの首をはねさせました。妻ヘロデアがそのように画策したのです。ヘロデアはヨハネを憎んでいました。ヨハネが名目上のユダヤ人だったヘロデに対して,ヘロデアと結婚したことはユダヤ人の律法に反すると指摘したからです。(マタイ 14:1-12。マルコ 6:16-19)
バプテストのヨハネとイエスはライバルだったか
そのようなことは聖書に全く述べられていません。(ヨハネ 3:25-30)ヨハネはメシアと争うつもりなどありませんでした。むしろみんなの前で,自分にはメシアのために道を整える責任があると言いました。こうあります。「私が水でバプテスマを施したのは,この方がイスラエルにはっきり知られるためでした」。そして「この方こそ神の子だ」と言っています。(ヨハネ 1:26-34)それでヨハネは,イエスの宣教がうまくいっていることを聞いて,とても喜びました。
a イエスは「罪を犯[しませんでした]」。(ペテロ第一 2:21,22)ですから,イエスがバプテスマを受けたのは,悔い改めるためではなく,自分を差し出して神の望むことを行うためです。私たちのために命をなげうつことさえしました。(ヘブライ 10:7-10)
b 「だれが天に行きますか」という記事をご覧ください。