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大祭司聖書に対する洞察,第2巻
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任職 エホバがアロンのために考えておられた職務は,エジプトからの脱出後すぐにアロンに与えられた種々の特権からある程度知ることができます。シナイに向かう途中にあった荒野で,アロンは,マナの入ったつぼを取り,守り置くべきものとしてそれを証の前に置くよう命じられました。これは,会見の天幕や契約の箱が存在するようになる前のことでした。(出 16:33,34,脚注)後日アロンは,神聖な天幕とその契約の箱に関する全責任を負うようになりました。アロンとその二人の息子たちは,イスラエルの年長者のうちの70人と共に,ホレブ山に上って行く特権にあずかる者として特に名前を挙げられました。彼らはその山で神の幻を見ました。―出 24:1-11。
しかし,エホバがアロンとその息子たちを祭司職のために取り分けるという意向を実際に表明されたのは,祭司の衣を作るための指示をモーセにお与えになった時が最初です。(出 28章)神はそれらの指示を与えた後,祭司の任職のための手順をモーセに略述し,次いで,「定めのない時に至る法令として,祭司職は彼らのものとなる」ことをはっきりお知らせになりました。―出 29:9。
エホバの威光や清さと調和して,アロンとその息子たちは,任職の式により神聖なものとされて権能を付与されるまでは,祭司の務めを行なえませんでした。(出 29章)モーセは律法契約の仲介者として,任職を執り行ないました。西暦前1512年ニサン1日から7日までの七日間にわたる聖化の儀式によって祭司の完全な任職が行なわれ,彼らの手には祭司として行動するための力が満たされました。(レビ 8章)翌ニサン8日には,最初の贖罪の式が国民のために執り行なわれました。(これは,毎年ティシュリ10日に祝うよう定められた正規の贖罪の日の式と非常によく似ている。祭司団が執り行なったその最初の式については,レビ記 9章に説明されている。)それは適切なことであると共に必要なことでした。イスラエルの民は,その少し前に陥った金の子牛に関する違犯を含め,罪からの清めを必要としていたからです。―出 32章。
イスラエルの大祭司の衣
大祭司の任職の際にモーセが行なわなければならなかった重要な行為の一つは,神の指示通りに特別に調合した神聖なそそぎ油をアロンの頭に注ぐことによって,アロンに油そそぎを行なうことでした。(レビ 8:1,2,12; 出 30:22-25,30-33; 詩 133:2)
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