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地上の生命はどのようにして始まったか目ざめよ! 1987 | 1月22日
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米国カリフォルニア州にあるソーク研究所のレズリー・オーゲルは,ヌクレオチドが「前生命的な過程における主要な難問の一つ」となっていることを指摘しています。9 ヌクレオチドは,これまた手に負えないほどの難題とされている核酸(DNA,RNA)を造るのに必要です。ついでに言えば,タンパク質は核酸がなければ組み立てられず,核酸はタンパク質がなければ形成されません。10 これは,「鶏が先か卵が先か」という,古来のなぞの化学版と言えます。
しかし,その大問題はひとまずわきに置き,ニューヨーク大学の化学の教授でDNA研究の専門家でもある,進化論者のロバート・シャピロに,初期の地球におけるヌクレオチドと核酸の偶然の形成について,決着をつけてもらいましょう。
「アミノ酸2個が結合すると必ず水の分子1個が遊離する。ヌクレオチドの構成要素が集まって1個のヌクレオチドが組み立てられる際には,水の分子2個が自由にされなければならず,ヌクレオチドが結合して核酸が形成される際にもさらに水が遊離する。残念ながら,水が満ちている環境の中に水を造り出すのは,化学的には,サハラ砂漠に砂を持って来るようなものである。これは逆行で,エネルギーの消費が必要になる。そのような過程がたやすく独りでに進行することはない。事実,自然に起きるのはその逆に向かう反応である。水は大きな生物的分子を容易に破壊する。水はヌクレオチドを互いに引き離し,糖とリン酸塩の結び付きを解き,糖から塩基を分離させるのである」。11
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地上の生命はどのようにして始まったか目ざめよ! 1987 | 1月22日
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「分子生物学は,細胞体の基本的な造りが,バクテリアから哺乳類に至るまで地上のあらゆる生物体において本質的に同一であることをも示してきた。デオキシリボ核酸,伝令リボ核酸,およびタンパク質のそれぞれの役割は,あらゆる生物において全く同じである。遺伝暗号の意味するところもあらゆる細胞において実質的に全く同じである。
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地上の生命はどのようにして始まったか目ざめよ! 1987 | 1月22日
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重さが「1㌘の数十億分の一ほどもない」微小なDNA片の中に暗号化されて記録されている情報だけで「人間ほどに複雑な生物を造り出せる」のです。17 しかし,単一の細胞についての情報でも,「もし書き出すとすれば,600ページの本1,000冊分にもなる」でしょう。18 まさに畏怖の念を抱かせます! 地上に生命を発生させるには,私たちの理解力をはるかに超越した理知が絶対に必要です。
こうして結局,私の下した結論はこうです。ふさわしい大気がなければ,有機物のスープはできない。有機物のスープがなければ,アミノ酸はできない。アミノ酸がなければ,タンパク質はできない。タンパク質がなければ,ヌクレオチドはできない。ヌクレオチドがなければ,DNAはできない。DNAがなければ,増殖能力を備えた細胞はできない。覆いとなる細胞膜がなければ,生物細胞はできない。そして,知的な設計と方向づけがなければ,地上に生命は生じない,ということです。
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