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ヨハネ聖書に対する洞察,第2巻
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ヨハネとその兄弟ヤコブが使徒として宣教の業に携わり始めたころ,イエスは彼らにボアネルゲス(「“雷の子ら”」の意)という異名をお与えになりました。(マル 3:17)この称号は決して甘い感傷的言動や活気のなさを表わすものではなく,むしろ性格の力強さを表わしています。サマリア人のある村がイエスを受け入れようとしなかったとき,それら「“雷の子ら”」はそこの住民を滅ぼし尽くすために天から火を呼んでもよいと思っていました。それ以前にヨハネは,ある男の人がイエスの名によって悪霊たちを追い出しているのをやめさせようとしたことがありました。いずれの場合にもイエスは戒めと矯正を与えました。―ルカ 9:49-56。
それらの時,この二人の兄弟は考え違いをしていましたし,平衡や愛ある憐れみの精神が相当欠けていました。彼らはそうした特質を後日培いました。とはいえ,これら兄弟はその二度にわたる機会に,忠節心や果敢で精力的な性格を表わしました。それが正しい方向に向けられたので,彼らは強く,活力にあふれた,忠実な証人になりました。
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ヨハネ聖書に対する洞察,第2巻
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ヤコブとヨハネは自分たちがキリストの王国でキリストの隣に座れるよう母親に願い出てもらったようですが,そのようにして野心的な精神を表わし,他の使徒たちの憤りを買いました。しかし,イエスはその機会をとらえ,彼らの間で偉い人というのは他の者たちに仕える人であることを説明されました。その時イエスは,ご自分でさえ仕え,自分の命を多くの人のための贖いとして与えるために来たことを指摘されました。(マタ 20:20-28; マル 10:35-45)彼らの願望がどれほど利己的なものであったにしても,この出来事は彼らがその王国を現実のものと信じていたことを明らかにしています。
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