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巣立ちして成年に達した,オーストラリアの首都目ざめよ! 1989 | 7月22日
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“成年に達する”
多くの人にとって,この巣立ちしたばかりのひな鳥のような首都が成鳥になったかどうかは,同市にある連邦議事堂と直接結び付いています。実際,キャンベラ市が存在するのは,主に,一種の象徴となるその議事堂のためなのです。連邦議事堂のデザインを選考する国際コンクールが始まったのは1914年のことですが,その計画は第一次世界大戦のために完全に中断されました。やがて戦後の早い時期に,より恒久的な建物ができるまで一時的に使用するための議事堂を建てるという決定がなされました。この仮の議事堂は1927年5月に英国のヨーク公(のちの王ジョージ6世)によって正式に開設されました。
しかし,新しい恒久的な議事堂を計画するための特別委員会が1965年に発足しました。ほぼ10年がたち,新議事堂は最終的にキャピタル・ヒルに建てるという決定が下されました。数年後の1980年,首相が鍬入れをして,建設は開始されました。それから8年がまたたく間に過ぎました。しかしここにようやく,華やかなファンファーレと共に,目を見張るような新しい連邦議事堂がキャピタル・ヒルに誕生し,今は亡き王ジョージ6世の娘,女王エリザベス2世により1988年5月9日に正式に開設されました。
新しい連邦議事堂は建築技術の傑作とたたえられています。1979年に始まったデザイン・コンクールには,28か国から応募がありました。議事堂は,ウォルター・バーリー・グリフィンのキャンベラ計画に合わせたユニークな造りになっています。もちろん,そのような印象的な造りの建物には,それ相当の経費がかかっています。旗ざおの費用だけでも,440万オーストラリア㌦(約4億2,000万円)になると見られています。
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巣立ちして成年に達した,オーストラリアの首都目ざめよ! 1989 | 7月22日
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[16,17ページの図版]
新しい連邦議事堂 ― 右手前方に見えるのは,一時的に使用された議事堂
展望塔
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