そこには，アステカ人が崇拝していた，戦争の神ウィツィロポチトリや雨の神トラロクなどの主要な偶像が納められていました。

例えば，発掘現場の中央に，ウィツィロポチトリやトラロクの崇拝場所が見えます。

アステカ人にも子供を犠牲にする習慣がありました。このことに関して，「エル･テンプロ･マヨール」という本には，「犠牲にされた子供たちの死体が，雨の神の像と共にそれらの[穴]の一つから発見された。飢きんの際の特別な捧げ物だったのだろうか」と記されています。

アステカ人の宗教と旧世界の諸宗教との間に見られる類似性をさらに強調するものとして，神トラロクは多産の神でもあったことが伝えられています。主要な祭壇の一つがトラロクに献納されており，そのうえ神殿には，多産の象徴である2匹の巨大なヘビが描かれています。