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安全に公園での一時を楽しんでください目ざめよ! 1989 | 6月22日
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カメラを携えている人は,写真を撮ろうとしてクマに近づきすぎないよう注意しなければなりません。1988年の春のことですが,ある夫婦がグレーシア国立公園内のある場所でキャンプしていました。二人は1頭の雌のハイイログマが3頭の子グマを連れているところを見かけました。夫は多重露光機能の付いたカメラを持って出かけ,クマのいる反対側の斜面の安全な場所から最初の1枚を撮りました。そのあとその人は,自分のいることをクマが無視しているように思えたので,大胆になりました。
用心しながらクマのいる側の斜面に渡り,ついにクマのいる道と同じ道筋に立ちました。この多重露光カメラから後に現像された写真を見ると,どんどん近づいて行った様子がうかがえます。生涯最良の写真を撮りたいと思ったその人は,あまりにも近づきすぎて,その雌グマの縄張りを侵害したため,クマは逃げるか攻撃するかを決めざるを得なくなりました。
そのカメラで撮られた最後の数枚の写真は,クマが業を煮やし,襲いかかった形跡を示していました。その人は木に登ろうとしましたが,遅すぎました。クマのほうが先にその人を捕らえ,致命傷を負わせました。
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安全に公園での一時を楽しんでください目ざめよ! 1989 | 6月22日
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[7ページの図版]
ハイイログマの生息地に入ったら,用心にも用心が肝要
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