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30年ぶりのユニークな再会目ざめよ! 2002 | 10月22日
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二十歳のマーク・ルージはニューヨーク州バッファロー出身で,土木工学部の3年生でした。
当時,二人の交友関係はつかの間のものに思えたかもしれません。二人の青年はどちらも大学教育を受けるのをやめて,それぞれ別の道を歩みました。それから30年余りたったある日,この二人の男性はドミニカ共和国で再び対面したのです。その驚くべき再会は偶然の出来事でしたが,ほかにもいろいろな事柄がかかわっていました。それはどんな事柄だったのでしょうか。その答えを見いだすために,それぞれの人生の歩みをたどってみましょう。
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30年ぶりのユニークな再会目ざめよ! 2002 | 10月22日
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反戦運動に参加するマーク
デニスが大学を去った後,マークは大学に二,三学期とどまっていましたが,戦争を支持する体制の一部にはなるまいと決意しました。それで,バッファローに帰り,そこでしばらくの間,製鉄工場の現場主任として働きました。それでも,戦争が続行されていることに対して不満を抱いていたので,仕事をやめてオートバイを買い,大陸を横断して,カリフォルニア州のサンフランシスコに行きました。デニスとマークは知る由もありませんでしたが,当時,二人は同じ時期にしばらくサンフランシスコにいました。
マークもデニスのように,ひげを生やし,長髪を蓄え,マリファナを吸うようになりました。しかし,マークは反戦運動に深くかかわり,反対運動やデモ行進に参加していました。また,徴兵回避の容疑で米連邦捜査局(FBI)に指名手配されていたので,見つからないようにするため,数年間,偽名を使い,サンフランシスコでヒッピーとして暮らしていました。1970年に,そのサンフランシスコで,二人のエホバの証人がマークの家の戸口にやって来ました。
マークはこう説明します。「その証人たちはきっと,私が多少関心を示したように思ったのでしょう。それで,再び訪ねて来ました。私は留守にしていましたが,二人は緑色の聖書と書籍を3冊置いて行きました」。しかし,マークは政治活動に没頭して楽しく過ごしていたので,時間を取ってその書籍を読むことはありませんでした。また,FBIの厳重な追跡を受けていたので,別の偽名を使ってワシントンDCに引っ越してしまいました。そこで,大学で知り合ったガールフレンドのカシー・ヤニスキヴィスと合流しました。
1971年,ついにFBIはマークを逮捕しました。FBIの二人の捜査官が,マークをワシントンDCからニューヨークまで飛行機で護送し,カナダのトロントまで確実に移送されるよう手配しました。どうやら,FBIはマークを公共の秩序を乱す危険人物とはみなさず,ただ国外に退去させたかったようです。翌年,カシーとマークは結婚し,カナダのブリティッシュコロンビア州のガブリオラ島に引っ越しました。二人は世間から逃避したかったものの,人生にはもっと意味があるに違いないと思っていました。
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30年ぶりのユニークな再会目ざめよ! 2002 | 10月22日
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一方,ガブリオラ島で暮らしていたマークとカシーは,時間があったので,聖書を調べてみることにしました。二人はジェームズ王欽定訳を読み始めたのですが,古風な英語が使われているため,理解しにくく感じました。その時,マークは,何年も前にエホバの証人からもらった聖書や書籍がまだあることを思い出しました。マークとカシーは,聖書と一緒に,「とこしえの命に導く真理」や「聖書はほんとうに神のことばですか」という書籍を読み,学んだ事柄に深い感銘を受けました。
マークはこう説明します。「『真理』の本の中で,どんな状況のもとでも戦争に行かないクリスチャンのグループに言及されていることに,とりわけ心を打たれました。そういう人たちこそ真のキリスト教を実践している人たちだと思いました」。その後まもなく,マークとカシーはミシガン州のホートンに戻り,逮捕されるおそれがあったにもかかわらず,カシーの家族を訪ねました。二人はまだヒッピーのようないでたちでしたが,ホートンでエホバの証人の集会に出席しました。そして,聖書研究の勧めに応じ,ミシガン州に滞在していた1か月の間,研究しました。
二人はガブリオラ島に戻った後,ブリティッシュコロンビア州のナナイモの街路でエホバの証人と出会い,聖書研究をしたいと言いました。その日のうちに,1台の車に乗った証人たちが二人に会うためフェリーでやって来て,聖書研究が始まりました。3か月後,マークとカシーは伝道に出るようになり,それから3か月後の1974年3月10日に,二人ともバプテスマを受けました。
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30年ぶりのユニークな再会目ざめよ! 2002 | 10月22日
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全時間宣教に携わるマーク
1976年に,マークは,徴兵を免れるためにカナダへ逃れた何千人ものアメリカ人の他の若者たちと共に,米国政府から恩赦を与えられました。マークと妻のカシーも宣教にもっと多くの時間を充てるため,生活を簡素なものにしたいと思いました。それで,マークは測量技師としてパートタイムの仕事を行ない,カシーと二人で,バプテスマを受ける前に滞らせていた支払いを徐々に済ませました。
1978年に,カナダのエホバの証人がオンタリオ州トロントの近郊に支部の複合施設を建設する計画を立てていた時,マークとカシーはその奉仕に参加できる立場にありました。マークは測量の仕事で経験を積んでいたので,一緒にその建設に参加するよう招かれました。そして,ジョージタウンのプロジェクトが1981年6月に完了するまで,そこで働きました。その後,ブリティッシュコロンビア州に戻り,次の4年間,その州で行なわれたエホバの証人の大会ホールの建設を助けました。その建設が完了すると,カナダ支部の拡張工事のために再び戻って働くよう招かれました。
マークとカシーは,ジョージタウンで数か月過ごした後,1986年に,カナダ支部の正規の成員としてとどまるよう招かれました。それ以来,二人は支部の成員として奉仕し,ほかの多くの国々の建設の様々な分野で奉仕する機会に恵まれました。マークは測量の経験を積んでいたので,中南米やカリブ海諸島のエホバの証人の支部の建物や大会ホールのための測量を行なう仕事に用いられるようになりました。
マークとカシーはこれまで何年もの間に,ベネズエラ,ニカラグア,ハイチ,ガイアナ,バルバドス,バハマ,ドミニカ連邦,米国(フロリダ州),およびドミニカ共和国で奉仕しました。この特別な全時間奉仕に携わったことがきっかけとなって,マークとデニスの人生の歩みは再び,いわば交差することになりました。
ドミニカ共和国での再会
マークとデニスは二人とも気づかずに,ドミニカ共和国で同じようなプロジェクトに参加していましたが,ある日,サントドミンゴのエホバの証人の支部施設でばったり出会いました。想像していただけると思いますが,二人は再び会えて大喜びしました。何しろ,二人とも33歳も年を取っており,その後のいきさつについて語り合いたいことが山ほどありました。読者がこれまで読んできた事柄の多くについて語り合った二人は,いよいよ驚きました。それにしても,この二人はもとより,その経験を知った人たちすべてにとって,たいへん注目に値するのは,二人の人生に数多くの類似点があったということです。
二人ともヒッピーとして暮らし,物質主義的な現代の生活様式とそれにまつわる一切の思い煩いから逃れようとして,辺ぴな地域に移りました。デニスはキャシーという女性と,マークはカシーという女性とそれぞれ結婚しました。二人とも,初めて出席した,エホバの証人の集会で聖書研究の勧めに応じ,1974年3月にバプテスマを受けました。また,どちらも,つまりデニスは米国で,マークはカナダで,それぞれエホバの証人の支部の家族の成員になりました。二人とも,霊的な目標を追い求めるために生活を簡素なものにしようとしました。(マタイ 6:22)さらに,二人とも,国際的な建設奉仕に携わるようになり,数多くの国で奉仕する割り当てを受けました。そして,どちらも,以前の友達で,聖書の真理を受け入れた人にはだれにも会ったことがなく,結局,二人はドミニカ共和国でばったり出会ったのです。
マークとデニスは,こうした驚くべき偶然の一致を運命のせいにしているでしょうか。決してそうしてはいません。二人は,聖書にあるとおり,「時と予見しえない出来事とは[わたしたち]すべてに臨む」ということを認めています。非常に興味深い仕方で,そうなることがあるのです。(伝道の書 9:11)しかし,二人は,こうして再会できた要因がほかにもあることを認めています。それは,二人とも,人生の目的を探し求めており,エホバ神への愛を抱いていたということです。
デニスとマークの経歴は,聖書の真理を学ぶ,心の正直な人たちすべてに共通している,幾つかの事柄をも浮き彫りにしています。デニスはこう述べます。「マークと私が経験してきた事柄は,エホバが人々の生活状況を知っておられ,人の心が正しい傾向を持つようになる時,そのような人をご自分に引き寄せてくださるということを物語っています」。―歴代第二 16:9。ヨハネ 6:44。使徒 13:48。
マークはさらにこう述べています。「自分たちの経験から,認識するよう教えられたことがほかにもあります。つまり,エホバの規準に自分を合わせ,エホバに献身し,その求めに応じられるようにするなら,エホバはご自分の民の益のために,そうした人の才能や能力を用いて真の崇拝を促進することがおできになるということです」。―エフェソス 4:8。
この二人の経験は,エホバ神がご自分の民の魂を込めた奉仕を祝福してくださることも示しています。確かに,デニスとマークは祝福されたことを実感しています。デニスはこう述べます。「特別な全時間奉仕に携わって王国の関心事のために仕えるのは特権です。世界じゅうから来たクリスチャンの兄弟姉妹と一緒に働き,相互に励まし合って喜びを味わうことができました」。
マークはこう付け加えています。「エホバは確かに,ご自分の王国を第一にする人たちを祝福してくださいます。カナダ支部の家族の一員として奉仕し,国際的な建設の業に参加できるのは特別な祝福だと思います」。
ユニークな再会ですか。確かにそうです。なぜなら,マークの言うとおりだからです。「私たちの出会いがこれほど感動的なものになった真の理由は,二人ともユニークな神エホバを知り,この方を愛し,この方に仕えるようになったということなのです」。
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30年ぶりのユニークな再会目ざめよ! 2002 | 10月22日
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[21ページの図版]
マーク,1964年
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[23ページの図版]
マーク,オンタリオ州で,1971年
[24ページの図版]
デニスとマーク,およびその妻たち。2001年に二人が偶然再会した後,程なくして
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