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中世のスペインで神の言葉を広めるものみの塔 2014 | 3月1日
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王アルフォンソ10世は聖書のスペイン語への翻訳を支援した
スペイン語の散文の創始者とみなされている,王アルフォンソ10世(1252年-1284年)は,聖書の新たな言語への翻訳を望み,翻訳を支援しました。その時期以降のスペイン語訳には,いわゆるアルフォンソ以前の聖書と,そのすぐ後に現われたアルフォンソ聖書が含まれています。アルフォンソ聖書は当時のスペイン語への訳としては最大のものでした。
13世紀のアルフォンソ以前の聖書(左)とアルフォンソ聖書(右)のページ
それらの聖書はいずれも,まだ新しかったスペイン語の確立と充実に寄与しました。学者のトマス・モンゴメリーは,アルフォンソ以前の聖書に関して,こう述べています。「この聖書の訳者は,正確さの点でも言葉の優雅さの面でも,称賛に値する翻訳を行なった。……その言葉遣いは簡明,明快で,ラテン語に通じていない人々のための聖書として必要にこたえるものとなっている」。
しかし,それら初期スペイン語聖書は,原語からではなくラテン語ウルガタ訳からの翻訳でした。
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