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イタリア語聖書 ― 多難な歴史ものみの塔 2005 | 12月15日
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ベネチアで聖書の翻訳と出版を手がけた別の人として,アントニオ・ブルチョーリがいます。この人はプロテスタント系の人文主義者でしたが,カトリック教会と完全にたもとを別つことはありませんでした。1532年,ブルチョーリは原語のヘブライ語とギリシャ語から訳した聖書を出版しました。これは,原語本文からイタリア語に訳された最初の聖書です。洗練されたイタリア語ではありませんでしたが,古代言語に関する当時の知識を考えると,原文に対するこの訳の忠実さは注目に値するものでした。ブルチョーリは幾つかの版の数箇所で,神の名を「イェオーヴァ」の形で復元しました。ほぼ100年の間,この聖書はイタリア・プロテスタントや他の反主流派信徒の間にかなり普及しました。
これら以外のイタリア語聖書といえば,事実上ブルチョーリ版の改訳で,あるものはカトリック側から出されています。そのどれも,それほどには普及しませんでした。
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イタリア語聖書 ― 多難な歴史ものみの塔 2005 | 12月15日
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[15ページの図版]
ブルチョーリの訳は神の名「イェオーヴァ」を本文中に使っている
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