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シリア語ペシタ訳 ― 初期の聖書翻訳について知る手がかりものみの塔 2014 | 9月1日
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五書(ペンタチューク)のシリア語ペシタ訳,西暦464年。年代付きの聖書写本としては2番目に古いもの
聖書のシリア語訳は,西暦5世紀初頭までにメソポタミア北部で一般に使われるようになりました。西暦2世紀か3世紀に作られたようで,ペテロ第二,ヨハネ第二と第三,ユダおよび啓示以外の,聖書の各書すべてを含んでいました。ペシタ訳という呼び名でも知られています。ペシタとは「簡潔な」あるいは「明快な」という意味です。ペシタ訳は,聖書本文が初期にどのように伝えられたかに関する,非常に古くて重要な証拠となっています。
興味深いことに,ペシタ訳の一写本は,西暦459年ないし460年に相当する年代が付されており,明確な年代付きのものとしては最古の聖書写本です。西暦508年頃には,ペシタ訳の改訂版が作られ,欠けていた5つの書も含められました。この改訂版は,フィロクセヌス訳として知られるようになりました。
シリア語写本がさらに発見された
西暦19世紀までは,クリスチャン・ギリシャ語聖書のギリシャ語写本のほとんどすべてが,5世紀かそれよりも後代のものでした。それゆえに聖書学者たちは,ラテン語ウルガタ訳やシリア語ペシタ訳といった初期の訳に,特に関心を抱いていました。当時,ペシタ訳はそれよりも古いシリア語訳を改訂したものと考える人もいました
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シリア語ペシタ訳 ― 初期の聖書翻訳について知る手がかりものみの塔 2014 | 9月1日
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19世紀には,ほとんどの翻訳聖書のヨハネ第一 5章7節に,三位一体説に基づく偽の文言が加えられていました。しかしその加筆は,最古のギリシャ語写本には見られず,ペシタ訳にも出ていません。まさしく,ヨハネ第一 5章7節の加筆は聖書本文の改変だったのです。
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