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スペインのカトリック教会 ― その権力の乱用目ざめよ! 1990 | 3月8日
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トレドの大司教でありスペインの首座司教でもあるゴマ枢機卿は,こう書きました。「スペインにおけるこの戦争は内乱なのか。いや,そうではない。真のスペインに対する,カトリック教に対する……神を信じない者たちの闘いなのだ」。同枢機卿は,反乱軍の指導者であるフランコ将軍を「地上における神の計画を遂行するための器」と呼び,スペインの他の司教たちも同様の意見を表明しました。
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スペインのカトリック教会 ― その権力の乱用目ざめよ! 1990 | 3月8日
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3年にわたって相互に暴虐と流血を繰り返した末,内乱はフランコ軍の勝利に終わりました。60万ないし80万人ものスペイン人が命を失いましたが,その多くは戦勝軍の過酷な報復措置として処刑された人たちです。d ゴマ枢機卿は少しも動揺を見せず,ある司教教書の中で,「この戦争に決着をつけた力が神ご自身,その宗教,その法令,その律法,その存在,および我々の歴史に繰り返し見られてきたその影響力であったことはだれも否定できない」と断言しました。
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スペインのカトリック教会 ― その権力の乱用目ざめよ! 1990 | 3月8日
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スペイン内乱 ― 司教たちの発言
内乱が起きて間もなく(1936年),ゴマ枢機卿は,その戦闘を「スペイン対反スペイン,宗教対無神論,キリスト教文明対未開状態」の闘いであると述べました。
「スペイン内乱,1936-1939年」,261ページ。
カルタヘナの司教は,「もし大砲によって突破口が開かれ,福音が広まるのであれば,大砲は祝福されている」と言いました。
「スペイン内乱,1936-1939年」,264,265ページ。
スペインの司教たちは,1937年7月1日に,当時の内乱に対するカトリック教会の立場を概説した共同書簡を出し,特に次のように述べました。
「教会は,平和を求める精神を有してはいるものの,……この戦闘に無関心でいることはできなかった。……スペインでは,国民運動[フランコのファシスト勢力]による以外に,正義,平和,およびそれらから得られる益を奪回する道はなかった」。
「我々は,国民運動という名称は適切であると信ずる。第一に,その名称の精神が大多数のスペイン人の考え方を反映しているからである。国民全体にとってこの運動以外に希望はない」。
「エスパサ-カルペ百科事典,1936-1939年,補遺」,1553-1555ページ。
他の国々のカトリック司教たちは,すぐにスペインの同志を支援しました。パリの大司教,ベルディエール枢機卿は,スペイン内乱を「キリスト教文明と……無神論文明との間の闘い」と評し,同時にドイツのファウルハーバー枢機卿は,「神の聖なる権利を擁護する」人たちのために,また「神が[この]聖戦を行なう者たちに勝利を与えてくださるよう」祈ることを全ドイツ人に勧めました。
「エスパサ-カルペ百科事典,1936-1939年,補遺」,1556,1557ページ。
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