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終わりに至る神の怒り啓示の書 ― その壮大な最高潮は近い!
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野獣の座
15 (イ)第五の鉢の中身は何の上に注ぎ出されますか。(ロ)「野獣の座」とは何ですか。鉢の中身をその上に注ぎ出すことには何が関係していますか。
15 次のみ使いはその鉢の中身を何の上に注ぎ出しますか。「また,第五の者がその鉢の中から野獣の座の上に注ぎ出した」。(啓示 16:10[前半])「野獣」とはサタンの行政上の体制のことです。野獣それ自体文字通りの動物ではないのと同様,それは文字通りの王座を持っていません。しかし,この句が座に言及していることは,野獣が人類に対して王の権威を行使してきたことを示しています。このことは,獣の各々の角に堂々とした王冠が着けられている事実と調和しています。実際,「野獣の座」はそのような権威の基,もしくは源です。b 聖書は,「龍は自分の力と座と大きな権威をその野獣に与えた」と述べて,野獣の持つ王の権威に関する真相を明らかにしています。(啓示 13:1,2。ヨハネ第一 5:19)ですから,鉢の中身を野獣の座の上に注ぎ出すことには,野獣を支え,その働きを助長する点でサタンが演じてきた,また今なお演じている真の役割を明らかにして告げ知らせることが関係しています。
16 (イ)諸国家は気づいていようがいまいが,だれに仕えていますか。説明してください。(ロ)この世はどのようにサタンの性格を反映していますか。(ハ)野獣の座はいつ覆されますか。
16 サタンと諸国家とのこうした関係はどのようにして維持されていますか。サタンはイエスを誘惑した時,幻の中で世のすべての王国を示し,『その権威すべてとそれらの栄光』を提供しました。しかし,一つの条件がありました。つまり,イエスはまず最初に,サタンの前で一度だけでも崇拝行為をしなければなりませんでした。(ルカ 4:5-7)世の諸政府がそれ以下の代償を払って自分たちの権威を受けるなどと考えられますか。決して考えられません。聖書によれば,サタンはこの事物の体制の神ですから,諸国家は気づいていようがいまいが,サタンに仕えているのです。(コリント第二 4:3,4)c この事情は,狭量な国家主義,憎しみ,および利己心の上に築かれている現在の世の体制の構造のうちに示されています。その体制はサタンの望む仕方で ― 人類を自分の支配下に引き止めておくために組織されています。政府内部の腐敗,権力欲,うそを使う外交術,軍備競争などは,サタンの卑劣な性格を反映しています。この世はサタンの不義の規準に同意して,サタンを自分たちの神としています。あの獣が消滅し,神の女の胤が最終的にまさしくサタンを底知れぬ深みに陥れる時,野獣の座は覆されてしまいます。―創世記 3:15。啓示 19:20,21; 20:1-3。
闇と責めさいなむような苦痛
17 (イ)第五の鉢の中身を注ぎ出すことは,野獣の王国を常に包んできた霊的な闇とどのように関係していますか。(ロ)人々は神の怒りの第五の鉢の中身が注ぎ出されることに対してどのように反応しますか。
17 この野獣の王国はその始まり以来,霊的な闇のうちにありました。(マタイ 8:12; エフェソス 6:11,12と比較してください。)第五の鉢は,この闇に関する強烈な公の発表を行なわせます。劇的な仕方で述べさせることさえします。この神の怒りの鉢の中身はまさしく象徴的な野獣の座の上に注ぎ出されるからです。「すると,その王国は暗くなり,彼らは苦痛のあまり自分の舌をかみはじめた。しかし,その苦痛とかいようのために天の神を冒とくし,自分の業を悔い改めなかった」― 啓示 16:10(後半),11。
18 第五のラッパの音と神の怒りの第五の鉢との間には,どんな類似点がありますか。
18 第五のラッパの音と神の怒りの第五の鉢は厳密には同じものではありません。というのは,ラッパの音はいなごの災厄の先触れとなったからです。しかし,あのいなごの災厄が下されると,太陽や空気が暗くなったことに注目してください。(啓示 9:2-5)それに,出エジプト記 10章14節と15節には,エホバがエジプトを悩ますのに用いられたいなごに関して,こう記されています。「それは極めて重苦しいものであった。以前にそれほどのいなごがこうして現われたことはなく,こうして現われることはその後にもないであろう。そして,それらはその全土の見える表面を覆ってゆき,地は暗くなった」。そうです,闇です! 今日,第五のラッパが鳴り響き,神の怒りの第五の鉢の中身が注ぎ出されてきた結果,世の霊的な闇はあまりにもはっきりと示されてきました。現代のいなごの大群のふれ告げる,刺すような痛みを与える音信は,『光よりむしろ闇を愛してきた』邪悪な者たちに責め苦と苦痛をもたらします。―ヨハネ 3:19。
19 啓示 16章10節と11節に調和して,サタンはこの事物の体制の神であることが公に暴露されると,何が起きますか。
19 世の支配者であるサタンは,多くの不幸や苦しみを引き起こしてきました。飢きん,戦争,暴力行為,犯罪,麻薬の乱用,不道徳,性行為感染症,不正,宗教的偽善その他,さらに多くの悪事は,サタンの事物の体制の特徴です。(ガラテア 5:19-21と比較してください。)それにしても,サタンはこの事物の体制の神であることが公に暴露されたため,サタンの規準にしたがって生活する人々は苦しめられ,当惑させられました。とりわけ,キリスト教世界では,「彼らは苦痛のあまり自分の舌をかみはじめ」ました。多くの人々は自分たちの生き方が真理によって暴露されるので憤慨します。中には,それを脅威とみなし,そのような真理を公に知らせる人たちを迫害する者もいます。そのような者たちは神の王国を退け,エホバの聖なるみ名をののしります。彼らは宗教的に病んで,かいようにかかっている状態があらわにされるので,天の神を冒とくします。いえ,彼らは『自分たちの業を悔い改め』ません。ですから,この事物の体制が終わる前に大がかりな改宗が行なわれるとは期待できません。―イザヤ 32:6。
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終わりに至る神の怒り啓示の書 ― その壮大な最高潮は近い!
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「野獣の座の上に」
エホバの証人は野獣の座の正体をあばき,次のような声明を出して,その座がエホバにより非とされていることを一般に知らせてきました:
「諸国家の支配者や政治指導者たちは,悪意のある超人間的な勢力の影響を受けており,その勢力はハルマゲドンにおける決定的な戦闘に向かう自殺的な行進に彼らをいやおうなく駆り立てています」―「ハルマゲドンの後 ― 神の新しい世」,1953年,8ページ(英文)。
「非神権的な人間の政府という『野獣』は,その力と権威と座を龍から得ました。ですから,『野獣』はその政治路線,つまり龍の政策に従わなければなりません」―「ハルマゲドンの後 ― 神の新しい世」,1953年,15ページ(英文)。
「異邦諸国民は,自らを……神の主要な敵対者である悪魔サタンの側に置くよりほかはありません」― 1973年に開かれた「神の勝利」国際大会で採択された決議文より。
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