エホバの証人は宣教のためにどんなトレーニングを受けているのですか
エホバの証人は,クリスチャンとしての生活のいろいろな面でトレーニングを受けています。その中には,宣教のためのトレーニングも含まれます。宣教は,イエスが弟子たちに命じたもので,神の王国の良い知らせについて伝道し教える活動のことです。(マタイ 24:14; 28:19,20)エホバの証人は,毎週の集会や毎年開かれる大会でトレーニングを受けています。会衆や組織の中で責任を委ねられている人たちは,特別な聖書学校でさらにトレーニングを受けます。
この記事の内容
どんなトレーニングを受けているか
会衆の集会。毎週,エホバの証人は王国会館と呼ばれる場所で開かれている2つの集会に出席します。1つは大抵週日に行われ,もう1つは週末に行われます。誰でも参加でき,寄付は集められません。
週日の集会。この集会では,読んだり会話したりするスキル,また人前で話したり伝道したり教えたりするスキルを学べます。トレーニングは,話や動画,討議,実演を通して行われます。このトレーニングによって,もっと上手に他の人に聖書のメッセージを伝えたり,聖書に関心のある人とレッスンしたりすることができるようになります。集会に出席する人はみんな,そうしたスキルを学べます。さらに,神への信仰や愛を深め,仲間の兄弟姉妹への愛を強めることができます。
週末の集会。この集会は2部構成になっていて,最初の部分では,主にエホバの証人ではない人を対象にした聖書の話を聞くことができます。続く部分では,研究用の「ものみの塔」誌aの記事が質問と答えのディスカッション形式で扱われます。宣教や日常生活に役立ついろいろな聖書のトピックや教訓を学ぶことができます。
大会。毎年,大きな集まりが3回開かれます。毎回たくさんの会衆から多くの人が参加します。聖書に基づく1つのテーマに沿った話や実演,インタビューや動画を楽しむことができます。集会と同じように大会でも,聖書の知識を深めたり,良い知らせを上手に伝える伝道者になるのに役立つ点を学んだりできます。また,会衆の集会と同じように,誰でも参加でき,寄付は集められません。
エホバの証人のために開かれる聖書学校
トレーニングをさらに受けるために,さまざまな聖書学校に招待される人もいます。どのような学校があるのでしょうか。どんな目的で,どれくらいの期間開かれますか。誰が参加できるのでしょうか。
開拓奉仕学校
目的: 伝道や聖書レッスンをもっと上手に行えるよう,開拓者bと呼ばれる全時間奉仕者を訓練することです。授業は,クラス討議,実演,話,参加型トレーニングなどで進められます。
期間: 6日。
対象者: 開拓奉仕を始めて1年たった人が招待されます。長年開拓奉仕をしている人も,過去5年間に出席していなければまた招待されることがあります。
王国福音伝道者のための学校
目的: 経験を積んだ全時間奉仕者を特別に訓練することです。生徒は伝道したり教えたりするスキルをさらに伸ばし,聖書のいろいろなトピックを深く学ぶことができます。多くの卒業生は伝道者がもっと必要とされる所に行って奉仕します。
期間: 2カ月。
対象者: 一定の条件を満たしていて,伝道者が必要とされている所で奉仕できる開拓者が申し込めます。
会衆の長老のための学校
目的: 長老たちcが会衆の人たちを教え世話する責任を果たせるようにし,神と仲間のクリスチャンへの愛を深めるよう長老たちを助けることです。(ペテロ第一 5:2,3)
期間: 5日。
対象者: 新しく任命された長老と,過去5年の間に出席していない長老が呼ばれます。
巡回監督と妻のための学校
目的: 巡回監督dと呼ばれる人たちがしっかりと責任を果たせるようにするために開かれる学校です。(テモテ第一 5:17)カリキュラムを通して,それらの長老と妻たちは聖書についての理解を深めることもできます。
期間: 1カ月。
対象者: 新しく巡回監督になった人とその妻は,1年が経過するとこの学校に招待されます。その後,5年ごとに出席します。
王国宣教学校
目的: その時の状況や傾向や必要を踏まえて会衆の責任を果たせるよう,長老や援助奉仕者eを訓練するためのものです。(テモテ第二 3:1)この学校は数年おきに開かれます。
期間: 大抵1日。
対象者: 巡回監督,長老,援助奉仕者が出席できます。
ベテル奉仕学校
目的: ベテルf奉仕者が,神と仲間のクリスチャンへの愛を深めたり仕事を果たしたりするのに役立つことを学べます。
期間: 5日半。
対象者: 新しくベテル奉仕を始めた人が出席します。長年ベテル奉仕をしている人も,過去5年の間に出席していなければまた招待されることがあります。
ものみの塔ギレアデ聖書学校
目的: 生徒が聖書への愛着をさらに深めて内容をよく理解し,学んだことを実践できるようにすることです。(テサロニケ第一 2:13)この学校に出席する経験を積んだクリスチャンは,男性でも女性でも,エホバの証人の組織や世界的聖書教育活動にさらに貢献できる人材として成長できます。卒業生は支部施設やその他の場所へ派遣されます。自分の国以外に派遣されることもあります。
期間: 5カ月。
対象者: 支部が選んだ全時間奉仕者が申し込めます。アメリカのニューヨーク州パタソンにあるものみの塔教育センターで開かれます。
支部委員と妻のための学校
目的: 支部委員gが支部事務所での仕事やその支部が担当する国のエホバの証人の活動を監督するためのトレーニングが行われます。
期間: 2カ月。
対象者: エホバの証人の世界本部が選んだ支部委員と妻が出席できます。ニューヨーク州パタソンにあるものみの塔教育センターで開かれます。
トレーニングのベースになっているものは何か
エホバの証人が受けるトレーニングの主なテキストは,いつでも聖書です。エホバの証人は,聖書には神の考えが書かれていて,聖書が生活のあらゆる場面で一番役に立つアドバイスだと信じています。(テモテ第二 3:16,17)
授業料はかかるか
無料です。エホバの証人の活動は自発的な寄付によって支えられています。(コリント第二 9:7)
a 聖書や聖書を研究するための資料や動画は,jw.orgで見ることができます。
b 開拓者は,男性でも女性でも手本となっているバプテスマを受けた人で,毎月決められた時間を伝道に充てることにしている人です。
c 長老は,仲間のクリスチャンを助けたり励ましたりするために,聖書から教え世話する経験を積んだクリスチャンです。
d 巡回監督は,毎週巡回区内の1つの会衆を訪問する全時間奉仕者です。聖書から話をしたり一緒に伝道したりして,仲間のクリスチャンを元気づけます。
e 援助奉仕者は,仲間のクリスチャンのためにさまざまな奉仕を行います。それによって,長老たちは会衆の人を教えたり世話したりすることにもっと多くの時間を充てられます。
f ベテルとは,エホバの証人の支部事務所のことです。そこで働く全時間奉仕者は,支部の担当地域内のエホバの証人の活動をサポートしています。
g 支部委員会は,クリスチャンとして十分に経験を積んだ3人以上の男性で構成されています。