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私たちの“設計図”はどこから来たのか生命の起源 5つの大切な質問
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DNAを“読む”
DNAの複製機械が退場し,別の機械が現れます。これもDNAに沿って動きますが,前の機械よりもゆっくりです。DNAのロープが機械の中に取り込まれていき,そのままの姿で反対側から出てきます。でも,機械の別の所から1本の新しいひもが出てきていて,しっぽが伸びているかのようです。何が起こっているのでしょう。
再び音声ガイドが流れます。「DNAの2つ目の仕事は転写です。DNAは安全な細胞核の外に出ることはありません。では,人体を構成する全タンパク質の“レシピ”である遺伝子は,どうやって読み取られ,細胞核の外で使われるのでしょうか。そこで活躍するのがこの機械です。この酵素はまず,DNAの特定の場所を見つけます。そこには,細胞核の外から来る化学的な信号によってスイッチがオンになった遺伝子があります。この酵素は次に,その遺伝子をコピーし,RNA(リボ核酸)と呼ばれる分子を作り出します。RNAは一見,DNAの片方のひもに似ていますが,実際は違います。遺伝子内の暗号化された情報が転写されたものです。酵素内で合成されたRNAは,細胞核を出てリボソームに情報を運びます。そしてリボソームでその情報を使ってタンパク質が作られます」。
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