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煙とともに消える無数の命目ざめよ! 1995 | 5月22日
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中国では,成人男性の61%が喫煙者と見られていますが,たばこを吸う女性は7%しかいません。西欧のたばこ会社は,この高潔な東洋の女性たちを“解放”しようともくろんでいます。彼女たちの多くにとって,魅力的な西欧のご婦人たちの得ている「楽しみ」は非常に長い間お預けになっていたのです。しかし,たばこ会社にとって目の上の大きな瘤となっているのは,政府所有のたばこ会社がたばこ供給の大半を一手に行なっていることです。
しかし,西欧の会社はその扉を徐々にこじ開けています。宣伝に利用できるわずかな機会をとらえて,将来の顧客獲得のための下準備をひそかに進めているたばこ会社もあります。中国が香港<ホンコン>から映画を輸入していることに目を付け,そうした映画の中で,金を払って俳優にたばこを吸わせているのです。なんという巧妙な売り込みでしょう。
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煙とともに消える無数の命目ざめよ! 1995 | 5月22日
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しかし,中でも人口の多いアジアは,何と言っても最大のドル箱です。現在は中国だけでも米国の全人口を上回る数の愛煙家 ― 3億人 ― がいます。年間で実に1兆6,000億本のたばこが消費されています。これは何と世界の総消費量の3分の1に相当します。
「医師たちは,アジアにおけるブームが健康に及ぼす影響を思うと空恐ろしいと言う」と,ニューヨーク・タイムズ紙は報じています。リチャード・ピートーは,今後二,三十年の間に喫煙が原因で1年間に死ぬと考えられる1,000万人のうち,中国だけで200万人の死者が出るものと見ています。今日生きている中国の子供たちのうち5,000万人は喫煙に起因する病気で死ぬだろう,とピートーは言います。
ナイジェル・グレー博士は次のように要約しています。「中国と東ヨーロッパにおける過去50年間の喫煙の歴史からして,これらの国々でたばこに関係した病気が大流行するのは必至である」。
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