海外においてもクリスチャンとしての礼儀を示す
1 近年,特別大会や個人的な海外旅行を通じて国際的な兄弟関係を楽しむ機会が多くなっています。そのような交わりにより,『見よ,兄弟たちが一致のうちに共に住むのは何と快いことであろう』という詩編作者の言葉が真実であることを実感できるのは喜びです。―詩編 133:1。
2 そうした旅行がわたしたちともてなしてくださる兄弟たちの双方にとって「快い」思い出となるにはどうしたらよいでしょうか。「愛は礼儀正しさを伴う」と述べられているとおり,クリスチャンの愛に基づく礼儀正しさはその秘訣です。(コリント第一 13:5,現代英語による新約聖書)『旅の恥はかき捨て』という態度が世の一般的な傾向ですが,わたしたちはいつでもどこにおいても,「自分にして欲しいと思うことはみな,同じように人にもしなければな(らない)」という黄金律を実践できます。(マタイ 7:12)細かな点に礼儀正しさを示し,人々に配慮を払うことにより,温かで快い,そして友好的な関係が生まれます。
3 海外旅行は本来個人的な計画ですから,その宿泊,交通,食事などは自分で取り決めるべき事柄であり,旅行先の兄弟姉妹たちに負担をかけるべきではありません。(ローマ 13:8)兄弟たちの世話を当てにして旅行計画を組むとしたら,それは他の人の親切につけこむことになります。
4 兄弟たちの家に滞在するよう親切に招待されることがあるかもしれません。その場合,“良い客”であるべきです。滞在中,その家族を食事に招待したり,滞在費用の一部をさりげなく置いてきたり,帰国後に手紙を書いたりして心からの感謝を表わすことができます。注意すべきなのは,旅行の便宜を図ってくれた兄弟姉妹などに関する個人情報を無思慮に他の人に提供しないことです。それがもとで見知らぬ人から宿舎などの提供を依頼され,家の人に迷惑がかかるかもしれないからです。
5 同様に,本部や外国支部を訪問する時にも礼儀正しさを示せます。見学する場合,日時や人数を事前に知らせるなら,感謝されます。個人的にベテルの食事に招待されることはあり得ますが,ツアーの一部として大人数が食事を申し込むという取り決めはありません。個人旅行やグループツアーを問わず,それらは私的な事柄であることをわきまえているべきです。わたしたちは,慎み深く振る舞われたキリストの模範に倣うことができます。―ルカ 24:28,29。
6 注意すべき別の点は,商業主義に利用されないことです。個人的に旅行会社を利用する場合でも,不必要にわたしたちの組織について話したり,仲間の証人を紹介したりするなら,多くの顧客を確保しようと願っているそれら旅行会社はエホバの証人を対象にしたツアーを開発して売り込もうとするかもしれません。しかし,わたしたちはエホバの組織が決して世の業者に利用されないようにすべきです。商業主義が組織内に持ち込まれ,他の人がつまずいたり思いの中に疑念が生じたりするのを防ぐことにより,愛を示すことができるでしょう。
7 わたしたちが海外に出かける機会はこれからも増えるに違いありません。「諸国民の中にあっていつもりっぱに行動」しましょう。(ペテロ第一 2:12)わたしたちの振る舞いや外見が,クリスチャンとしての評判だけでなく,エホバの組織やわたしたちが担うエホバの証人という名にも影響を及ぼすことを忘れてはなりません。旅行に際しても,愛に基づく礼儀正しさを示すことを含め,聖書の高い規準に付き従うことにより,エホバを十分に喜ばせ,そのみ名に栄光を帰する仕方で歩んでください。