-
聖書の62番目の書 ― ヨハネの第一の手紙『聖書全体は神の霊感を受けたもので,有益です』
-
-
事実,彼が三つの手紙を書いたのも,真理と義を擁護するためでした。当時,使徒パウロの予告した背教が既に明瞭になっていたのです。ヨハネの3通の手紙はまさに適切な時に書かれました。それらは,「邪悪な者」の侵入と戦う初期クリスチャンたちを助けるものとなったからです。―テサロニケ第二 2:3,4。ヨハネ第一 2:13,14; 5:18,19。
-
-
聖書の62番目の書 ― ヨハネの第一の手紙『聖書全体は神の霊感を受けたもので,有益です』
-
-
4 ヨハネは仲間のクリスチャンをだれから守ろうとしていますか。そしてどんな偽りの教えを論ばくしていますか。
4 ヨハネは,自分の「愛する者たち」,自分の「幼子たち」を,「多くの反キリスト」の誤った教えから守るためにこの手紙を書いています。それら反キリストは彼らの中から出て,彼らを真理から迷い出させようとしている人々です。(2:7,18)それら背教した反キリストは,初期のグノーシス主義を含め,ギリシャ哲学の影響を受けていたのかもしれません。このグノーシス主義の信奉者たちは神からの神秘的な特別の知識を持っていると主張しました。d 背教に対して確固とした態度を取ったヨハネは,罪,愛,および反キリストという三つの論題を広範な角度から取り上げました。罪に関する,また,罪のためのイエスの犠牲を支持するヨハネの言葉は,これらの反キリストが独善的な態度で,自分には罪がなく,イエスによる贖いの犠牲は必要でないと唱えていたことを示しています。彼らはその自己中心的な“知識”のゆえに,愛のない,利己的な状態になっていました。ヨハネは真のクリスチャン愛を終始強調しつつ,そうした状態を暴き出しています。さらに,イエスがキリストであること,イエスには人間となる以前の存在があったこと,そして,信ずる人々に救いを備えるため神の子として肉のさまで来られたことを説いたヨハネは,彼らの偽りの教理に対して闘っていたものと思われます。(1:7-10; 2:1,2; 4:16-21; 2:22; 1:1,2; 4:2,3,14,15)ヨハネはこれら偽教師をはっきり「反キリスト」であるとし,神の子供と悪魔の子供を見分ける多くの方法を示しています。―2:18,22; 4:3。
-