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全地で宣べ伝えて教える2012 エホバの証人の年鑑
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なぞのバプテスマ希望者。2010年にコンゴ共和国のブラザビルで開かれた地域大会の初日,エドバルという若者がバプテスマを受けたいと申し出ました。どこの会衆から来たのかを尋ねられたエドバルは,「モサカです」と答えました。遠く離れたその村には,エホバの証人が一人もいませんでした。そのため,兄弟たちはエドバルがどのようにしてバプテスマを受けたいと願うまでになったのか不思議に思いました。
エドバルが長老たちに説明したところによると,2007年にブラザビルで祖父と「求め」のブロシュアーを研究し,さらに『聖書の教え』の本の14の章を学んだということでした。その後,両親と一緒に生活するためモサカに引っ越しました。そこで奉仕しているエホバの証人はいなかったため,父親に『聖書の教え』の本の残りの章を研究してもらうよう頼みました。父親が質問を読んで,エドバルが答えるという方法で本を研究し終えました。エドバルは学んだ真理について他の人に知らせる必要があると感じました。それで,2009年10月からモサカで「求め」のブロシュアーを用い,一人で伝道を始めました。宣教奉仕に費やした時間を記録して,奉仕報告をブラザビルにいる祖父に定期的に送りましたが,祖父はその報告を会衆に提出しませんでした。
後に,支部はエドバルのことを知らずに一時的な特別開拓者をモサカに3か月間派遣します。特別開拓者の一人であるダニエルは,モサカを去るちょうど二日前にエドバルが「求め」のブロシュアーを使って聖書研究を司会しているのを目にします。それで,ダニエルはエドバルに声をかけました。エドバルは,「伝道しているんです。ぼくは伝道者です。お父さんに聞いてみてください」と言いました。ダニエルはエドバルの父親に会い,事実を確認しました。特別開拓者たちは滞在の残りの時間を用いて,エドバルに宣教の訓練を施しました。開拓者たちが去った後,熱意を新たにしたエドバルは宣べ伝え続け,10件以上の聖書研究を司会しました。そして,エホバに献身したのです。
先に述べた大会の金曜日に,こうした経緯を聞いた二人の長老がエドバルと会い,バプテスマを受けていない伝道者になることを希望する人たちのための質問を考慮しました。エドバルの立派な返答に長老たちは驚きます。長老たちはまた,エドバルの行状が模範的で,承認を得たわけではないものの,すでに9か月も宣べ伝えてきたことを特別開拓者から聞きます。こうして,エドバルはバプテスマを受けていない伝道者として承認されました。翌週の週末にリンガラ語の地域大会が予定されていたので,長老たちはエドバルがその間にバプテスマの討議をするよう取り決めます。エドバルは真理をよく理解していることを示し,2010年7月にリンガラ語の地域大会でバプテスマを受けました。バプテスマを受けていない伝道者として承認されたちょうど一週間後に,長老はエドバルがバプテスマを受けた兄弟となったことを発表したのです。
エドバルはバプテスマを受けた後,ブラザビルで補助開拓奉仕を2か月間行ないました。長老たちはエドバルが「自分を神の愛のうちに保ちなさい」の本を学べるよう取り決めました。その後,エドバルはモサカに戻ります。最近,一人の特別開拓者がこの区域で奉仕するよう割り当てられました。エドバルは,4月に補助開拓奉仕をとらえ,特別開拓者と共に奉仕しました。そして,記念式には182人もの関心を持つ人が出席し,それらの人々を歓迎しました。エドバルは16件の研究を持っており,そのうち7人は集会に出席しています。集会はこの二人の兄弟によって行なわれています。2011年の時点で,エドバルは15歳でした。
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全地で宣べ伝えて教える2012 エホバの証人の年鑑
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[56ページの図版]
上: 聖書研究の司会,コンゴ共和国にて(59ページを参照)
[61ページの図版]
市場で奉仕するエドバル(右)とダニエル
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