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「私は……自ら自分の羊を捜[す]」ものみの塔(研究用)2020 | 6月
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研究記事25
「私は……自ら自分の羊を捜[す]」
「私は……自ら自分の羊を捜し,世話する」。エゼキエル 34:11
105番の歌 「神は愛」
何を学ぶかa
1. エホバはどのような意味で,乳を飲ませる母親のようですか。
「女性が自分の乳を飲ませている子を忘れたり……するだろうか」。預言者イザヤの時代にエホバはこう問い掛けました。そしてご自分の民に,「たとえ女性たちが忘れたとしても,私があなたを忘れることは決してない」と言いました。(イザ 49:15)エホバが自分のことを母親に例えることはあまりありませんが,このときはそうしました。母親がわが子に対して抱く強い愛情を引き合いに出し,自分の民をどれほど愛しているかを伝えたのです。ジャスミンという姉妹の次の言葉に同意する母親は多いでしょう。「授乳中に,生涯ずっと続く特別な絆が育まれます」。
2. エホバは自分のもとから離れていく子を見てどう感じますか。
2 エホバはわが子が1人でも集会や伝道に参加しなくなると,すぐに気付きます。そうであれば,毎年大勢の人が不活発bになるのを見て深く心を痛めているに違いありません。
3. エホバはどんなことを願っていますか。
3 不活発になった愛する兄弟姉妹が会衆に戻ってくるのはとてもうれしいことです。エホバも私たちも,その人たちが帰ってくることを願っています。(ペテ一 2:25)どのように助けになれますか。まず,なぜ集会や伝道を休むようになるのかを考えましょう。
エホバに仕えるのをやめてしまった理由
4. 仕事からどんな影響を受けてしまった人がいますか。
4 仕事にすっかりエネルギーを奪われてしまった人もいます。東南アジアに住むフンcという兄弟はこう言います。「仕事に打ち込み過ぎていました。浅はかでした。お金にゆとりがあればもっと奉仕できると思っていました。それで長時間働きました。集会を休むようになり,気付いたら全く行かなくなっていました。サタンは今の社会を使って,私たちを少しずつエホバから引き離そうとします」。
5. 幾つもの問題を抱えたある姉妹は,どうなりましたか。
5 問題に圧倒されてしまった兄弟姉妹もいます。5人の子供を持つ英国のアンは,こう言っています。「次男は重度の障害を抱えて生まれてきました。三女は排斥され,長男は精神的な病気になりました。私は気持ちが参ってしまい,集会や伝道に行くのをやめてしまいました。そのうち不活発になりました」。このような状況にある仲間のことを考えると,とても胸が痛むのではないでしょうか。
6. コロサイ 3章13節を当てはめないと,どうなってしまうことがありますか。
6 コロサイ 3:13を読む。兄弟姉妹に傷つけられた人もいます。使徒パウロは,兄弟姉妹に「不満を感じる」場合もあることを認めています。不当に扱われることもあるかもしれません。そのような場合,気を付けないと根に持ってしまうでしょう。怒りが収まらないとエホバの組織から離れてしまうかもしれません。南アメリカのパブロという兄弟の場合がそうでした。罪を犯したといううその告発によって,会衆で得ていた資格を失いました。どう反応しましたか。「もう我慢できないと思いました。次第に会衆と距離を置くようになりました」。
7. やましさのゆえにどう思ってしまう人もいますか。
7 過去に犯した重大な罪のゆえにやましさを覚え,エホバに愛される資格はない,と感じてしまう人もいます。悔い改めて会衆にとどまることができても,自分がエホバに仕えるのはふさわしくない,と思ってしまうのです。フランシスコという兄弟もそうでした。「性的不道徳を犯し,戒めを与えられました。初めは集会に行っていましたが,自分がここにいていいのだろうかと思い,気分が落ち込んでいきました。後ろめたさを引きずり,エホバに許されていないんだと感じてしまいました。そのうち,集会や伝道に行かなくなりました」。これまでに挙げたような経験をした兄弟姉妹のことをどう思いますか。どれほどつらい思いをしているかが分かりますか。何よりも,エホバはその人たちのことをどう思っているでしょうか。
エホバは自分の羊を愛している
イスラエルの羊飼いは,迷い出た羊のことを深く気に掛けた。(8-9節を参照。)e
8. エホバは,ご自分に仕えていた人のことをどう思っていますか。
8 エホバは,以前ご自分に仕えていたものの,今はそうしていない人のことを忘れたりはされません。その人の働きも覚えています。(ヘブ 6:10)預言者イザヤは,エホバが自分の民を大切に思っていることを示す,心温まる例えを使いました。「神は羊飼いのようにご自分の群れを世話する。腕で子羊を集め,懐に抱いて運ぶ」と書いています。(イザ 40:11)偉大な羊飼いエホバは,群れから1匹の羊が迷い出るとき,どう感じるでしょうか。イエスは弟子たちに次のように問い掛けて,エホバの気持ちを明らかにしています。「どう考えますか。ある男性に100匹の羊がいて,その1匹が迷い出るなら,男性は99匹を山に残し,迷い出ている羊を捜しに出掛けないでしょうか。そして見つけたら,間違いなく,迷い出なかった99匹のこと以上にその羊のことを喜びます」。(マタ 18:12,13)
9. 聖書時代の立派な羊飼いは,羊をどのように扱いましたか。(表紙の絵を参照。)
9 エホバを羊飼いに例えるのはなぜ適切ですか。聖書時代の立派な羊飼いは,羊のことを深く気に掛けました。ダビデは羊の群れを守るため,ライオンや熊と戦いました。(サム一 17:34,35)立派な羊飼いは,1匹でも羊がいないと,そのことに気付きます。(ヨハ 10:3,14)99匹を安全な囲いに入れるか仲間の羊飼いに託すかして,いなくなった羊を捜しに行きます。イエスはこの例えを使って大切なことを教えました。「天にいる私の父はそれら目立たない人の1人が滅びることも望んでいません」。(マタ 18:14)
古代イスラエルの羊飼いは,迷い出た羊のことを深く気に掛けた。(9節を参照。)
エホバは自分の羊を捜す
10. エゼキエル 34章11-16節で,エホバはいなくなった羊のために何を行うと約束していますか。
10 エホバは私たち一人一人を愛しています。群れから迷い出た「目立たない人」のことも愛しています。エホバは,いなくなった羊を捜し,ご自分との良い関係を取り戻せるよう助ける,と預言者エゼキエルを通して約束しました。羊をどのように救い出すかということも述べています。古代イスラエルで羊飼いが行った事柄です。(エゼキエル 34:11-16を読む。)まず羊を捜します。それには多くの時間と労力が求められます。はぐれた羊を見つけたら,群れに連れ戻します。けがをしていたら包帯をし,弱っているなら抱えて運び,おなかを空かせていたら草を食べさせます。「神の羊の群れ」を世話する長老たちも,会衆から迷い出た人を助けるために同じことを行います。(ペテ一 5:2,3)長老たちはそのような人を捜し,会衆に戻れるよう助け,エホバとの友情を取り戻せるよう優しく世話します。d
11. 立派な羊飼いはどんなことを知っていますか。
11 立派な羊飼いは,羊が迷い出る場合があることを知っています。群れからはぐれてしまっても,厳しく扱ったりはしません。エホバの羊が,しばらくエホバの願い通りに行動できないことがあります。エホバは,そのような人をどのように助けましたか。
12. エホバはヨナにどのように接しましたか。
12 預言者ヨナはエホバの指示に従いませんでした。それでもエホバはヨナを見限りませんでした。立派な羊飼いであるエホバは,ヨナを救い出し,割り当てた仕事を果たせるよう助けました。(ヨナ 2:7; 3:1,2)後にエホバはヒョウタンを使って,人の命の貴さを理解できるようヨナを助けました。(ヨナ 4:10,11)何を学べますか。長老たちは不活発になった人のことをすぐに見放してはなりません。なぜ会衆から離れてしまったかを理解するよう努めます。その人がエホバのもとに戻った後も,引き続き優しく気遣います。
13. 詩編 73編の筆者に対するエホバの接し方から何を学べますか。
13 詩編 73編の筆者は,悪人が良い暮らしをしているのを見て落胆しました。エホバの望む通りにして何の意味があるのだろう,と思いました。(詩 73:12,13,16)エホバはどうしましたか。非難するどころか,この筆者が語った言葉が聖書に記録されるようにしました。この筆者は,エホバとの良い関係こそが深い満足感を与える,ということを理解するようになりました。(詩 73:23,24,26,28)何を学べますか。長老たちは,エホバに仕えて何になるのだろう,と考えるようになった人のことをすぐに非難してはなりません。その人の言動の背後にあるものを見極めるように努めます。そうして初めて,その人に合った励ましを聖書から与えることができます。
14. エリヤがエホバに助けてもらう必要があったのはなぜですか。エホバはどのように助けましたか。
14 預言者エリヤは王妃イゼベルから逃げていました。(王一 19:1-3)エホバの預言者は自分しか残っていない,自分のしてきたことは無駄だった,と思いました。ひどく落ち込み,死にたいと思うほどでした。(王一 19:4,10)エホバはエリヤの考えを否定するのではなく,預言者がほかにもいることを教え,強力な力でエリヤを支えることを確信させ,まだ行うべき務めがあることを伝えました。エホバはエリヤの気持ちをまず受け止めてから,新しい割り当てを与えました。(王一 19:11-16,18)何を学べますか。私たち全て,とりわけ長老たちは,仲間を優しく支える必要があります。感情をぶつけてきたり,「自分はエホバに許してもらえない」と言ってきたりするとしても,長老たちはひたすら耳を傾けます。その上で,エホバがその人を大切に思っていることに気付けるよう助けます。
エホバの迷い出た羊をどう見るべきか
15. ヨハネ 6章39節にある通り,イエスはエホバの羊をどう見ていましたか。
15 エホバは私たちが迷い出た羊をどう見ることを願っていますか。イエスが手本となっています。イエスは,エホバがご自分の羊全てを大切に見ていることを知っていました。それで,「イスラエル国民の迷い出た羊」がエホバのもとに戻れるよう,できる限りのことをして助けました。(マタ 15:24。ルカ 19:9,10)立派な羊飼いであるイエスは,エホバの羊ともいえる人を一人も失わないよう,最善を尽くしました。(ヨハネ 6:39を読む。)
16-17. 長老たちは,迷い出た人を助けることについてどう考えるべきですか。(「迷い出た羊の気持ち」という囲みを参照。)
16 パウロはエフェソスの会衆の長老たちに,イエスの手本に倣うよう勧めました。「弱い人たちを援助しなければならない」,また「主イエス自身が述べた『受けるより与える方が幸福である』という言葉を覚えておかなければならない」と教えました。(使徒 20:17,35)この言葉からも分かるように,長老たちには特別な責任があります。スペインの長老サルバドルはこう言っています。「エホバが迷い出た羊のことをどれほど深く気に掛けているかを考えると,そのような人を助けるために何でもしてあげたいという気持ちになります。そうすることをエホバも望んでいます」。
17 この記事で取り上げた兄弟姉妹は全員,エホバのもとに戻ってくることができました。エホバから離れてはいても,戻りたいと思っている兄弟姉妹はほかにも大勢います。次の記事では,エホバのもとに戻れるようそのような人を助けるため,さらに何ができるかを考えます。
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「私のもとに戻ってきなさい」ものみの塔(研究用)2020 | 6月
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研究記事26
「私のもとに戻ってきなさい」
「私のもとに戻ってきなさい。そうすれば,私もあなたたちのもとに戻ろう」。マラキ 3:7
102番の歌 「弱い人たちを援助」する
何を学ぶかa
1. エホバは,迷い出た人が戻ってくるとどのように感じますか。
前の記事で考えたように,立派な羊飼いであるエホバは,それぞれの羊を優しく世話します。迷い出た羊を捜します。エホバは自分のもとから離れたイスラエル人に,「私のもとに戻ってきなさい。そうすれば,私もあなたたちのもとに戻ろう」と言いました。エホバの気持ちは変わっていません。「私は変わらない」と言っているからです。(マラ 3:6,7)イエスが述べたように,エホバも天使も,迷い出た人が戻ってくる時,その一人一人のことをとても喜びます。(ルカ 15:10,32)
2. この記事ではどんなことを考えますか。
2 エホバから離れた人をどのように助けることができるか,イエスが語った3つの例えから考えましょう。不活発な人がエホバのもとに戻れるよう,助ける側に何が求められますか。そのような人を助けることでどんな喜びが得られるでしょうか。
なくした硬貨を捜す
3-4. ルカ 15章8-10節に出てくる女性が,ドラクマ硬貨を注意深く捜したのはなぜですか。
3 私たちは,エホバのもとに戻りたいと思っている人を一生懸命に捜します。「ルカによる福音書」には,イエスが話した例えが記されています。ある女性が,大切にしていたドラクマ硬貨1枚をなくし,捜した様子が描かれています。注目できるのは,この女性がどのように捜したかです。(ルカ 15:8-10を読む。)
4 イエスは,大切にしていたドラクマ硬貨1枚を見つけた女性の気持ちを描写しています。イエスの時代,ユダヤ人の母親が,結婚する娘に10枚セットのドラクマ硬貨を贈ることがあったようです。例えに出てくる女性がなくした硬貨は,そのようなセットのうちの1枚だったのかもしれません。床に落としたのだろうかと思い,ランプをともして辺りを捜しますが,見つかりません。小さな銀貨を捜そうにも,光が弱くてよく見えません。それで,家中を掃いて注意深く捜します。掃いて集めたごみの中に,きらりと光るものがあります。なくした硬貨です。女性はほっとします。友人や隣人を呼び集めて,見つかった喜びを伝えます。
5. 不活発な人を捜すために労力が要る場合があるのはなぜですか。
5 イエスの例えからも分かるように,なくしたものを見つけるには労力が要ります。不活発な人を捜すためにも,労力が要る場合があります。集会や伝道に行かなくなってから,かなり時間がたっている人もいます。別の場所に引っ越した人もいるでしょう。そうであれば,移転先の兄弟たちはその人のことを知らないかもしれません。不活発な兄弟姉妹の中には,戻れるならエホバのもとに戻りたいと願っている人がいることでしょう。兄弟姉妹と共にエホバに仕えたいという気持ちがあっても,戻るには助けが必要です。
6. 会衆の全ての人が,不活発な人を捜すことにどのように関われますか。
6 誰が助けになれますか。私たちみんなです。長老,開拓者,不活発な人の家族,会衆の伝道者が気を配れます。友達や親族の中に不活発な人がいますか。家から家の伝道や公共エリア伝道で不活発な人に会ったことがありますか。その人が長老の訪問を望むなら,連絡先を長老に伝えることができる,と説明してください。
7. トマスという長老のコメントから何を学べますか。
7 エホバのもとに戻りたいと願っている人を捜すために,長老たちはどのように率先できますか。スペインのトマスbという長老は,40人以上の兄弟姉妹が会衆に戻れるよう助けました。兄弟は何と言っていますか。「まず,不活発な人の現住所を知っているか,兄弟姉妹に尋ねます。集会に今来ていない人を誰か知っているか,会衆の人たちに尋ねることもします。みんなよく協力してくれます。力になりたいと思っているからです。不活発な兄弟姉妹を訪問する時には,子供や親戚のことも尋ねます。それらの兄弟姉妹の中には,子供と一緒に集会に来ていた人もいて,子供も伝道者だった,という場合があります。エホバのもとに戻れるよう,その人たちのことも助けられます」。
いなくなった息子や娘が戻れるよう助ける
8. ルカ 15章17-24節に出てくる,いなくなった息子に関する例えの中で,父親は悔い改めた息子のために何をしましたか。
8 エホバのもとに戻りたいと思っている人を助けるために,何が求められますか。イエスの例えに出てくる,家を出て好き勝手な生活をした息子について考えてみましょう。(ルカ 15:17-24を読む。)その息子はようやく本心に立ち返り,家に帰ることにしました。父親は走って出迎え,温かく抱き締め,愛情を表現しました。息子は良心が痛んでいて,息子と呼ばれるに値しないと思っていました。父親は,本心を語った息子のことを心から思いやりました。息子を雇われ人としてではなく,大切な家族として迎え入れていることを,具体的な行動によって表しました。悔い改めた息子を愛していたので,ごちそうを出して祝い,良い服を着せました。
9. 不活発な兄弟姉妹がエホバのもとに戻るよう助ける際,何が求められますか。(「戻りたいと思っている人をどのように助けられるか」という囲みを参照。)
9 エホバはこの例えの父親のようです。不活発な兄弟姉妹のことを愛していて,戻ってくることを願っています。エホバに倣って,私たちもそのような人を助けることができます。それには辛抱強さ,思いやり,愛が求められます。この3つが求められるのはなぜですか。どのように表せますか。
10. エホバのもとに戻るよう助けるために,辛抱強さが必要なのはなぜですか。
10 辛抱強さが必要なのは,不活発な人がエホバのもとに戻るまでには時間がかかるからです。以前不活発だった人は,口をそろえて,何度も長老や会衆の人たちが訪ねてきてくれてやっと行動できた,と言っています。東南アジアのナンシーという姉妹はこう言っています。「会衆の親しかった姉妹が大きな力になってくれました。実の姉のように愛してくれました。一緒に過ごした楽しかった時のことを思い出させてくれました。辛抱強く私の話を聞いてくれました。アドバイスをするのもためらいませんでした。どんな時にも助けてくれる真の友です」。
11. 不活発な人を助けるのに思いやりが必要なのはなぜですか。
11 思いやりは,よく効く塗り薬のようです。傷ついた心を癒やします。不活発な人の中には,会衆の誰かに傷つけられたという思いをなかなか拭えない人がいます。わだかまりがあるために,エホバのもとに戻ることができません。不当に扱われたと思っている人もいます。そのような人には,話を聞いて気持ちを理解してくれる人が必要です。(ヤコ 1:19)不活発だったことがあるマリアはこう言っています。「私の場合,話をよく聞き,泣く時そばにいて,大事なことを気付かせてくれる人が必要でした」。
12. 不活発な人に対するエホバの思いを,どんな例えで説明できますか。
12 聖書は,エホバがご自分の民に対して抱く愛を綱や縄に例えています。神の愛はどのような意味で縄のようですか。こんな場面を思い描いてください。荒れた海で溺れそうになっている時に,誰かが救命胴衣を投げてくれたとします。良かったと思うことでしょう。これで何とか浮いていられます。でも救命胴衣だけでは生き延びられません。水は冷たいので,救命ボートにたどり着かないと助かりません。ロープを投げて引っ張ってもらい,ボートに乗せてもらう必要があります。エホバは,ご自分から離れていったイスラエル人について,「愛の綱で,私は彼らを導き続けた」と言いました。(ホセ 11:4)エホバは現在,ご自分に仕えるのをやめていて,問題や不安を抱え,もがいている人について同じように感じています。今も愛していて,導きたいと思っており,そのことを知ってほしいと思っています。不活発な人がエホバから愛されていることを感じられるよう,あなたにもできることがあります。
13. 愛を表すことの大切さを示す,どんな経験がありますか。
13 不活発な人に,エホバも私たちも愛しているということを伝えることは大切です。前の記事に出ていたパブロは,30年以上不活発でした。本人はこう言っています。「ある朝,家から出掛けようとしていた時,高齢の優しい姉妹に声を掛けられました。温かい言葉を聞いて,子供のように泣き出してしまいました。『エホバが姉妹を遣わしてくださったんですね』と言いました。エホバのもとに帰ろうと決めた瞬間でした」。
優しく支える
14. ルカ 15章4,5節の例えの中で,羊飼いは迷い出た羊を見つけた後,どうしましたか。
14 不活発な人は継続的に助けてもらう必要があります。イエスの例えに出てきた,いなくなった息子のように,後ろめたさを持ち続けているかもしれません。サタンの世で経験してきた事柄のために,エホバとの関係は弱まっているでしょう。エホバに対する信仰を立て直せるよう,助ける必要があります。イエスが語った,迷い出た羊に関する例えの中で,羊飼いは羊を肩に載せて運び,群れに連れ戻しました。羊飼いは迷い出た羊を見つけるために,すでに時間や労力を費やしました。でも,肩に載せて囲いまで運ばなければならないことも知っています。自力では戻れないからです。(ルカ 15:4,5を読む。)
15. エホバのもとに戻りたいと願っている人をどのように助けられますか。(「助けになる冊子」という囲みを参照。)
15 不活発な人が問題を克服できるよう助けるには,時間や労力を費やす必要があります。でもエホバが与えてくださる聖なる力,聖書,出版物を活用して,エホバとの関係を強めるよう助けることができます。(ロマ 15:1)具体的に何ができますか。経験を積んだある長老はこう言っています。「不活発な人は多くの場合,エホバのもとに戻ろうと決心した後,聖書を誰かと学び直す必要があります」。c 聖書を学び直す手助けをするよう頼まれたら,喜んで応じますか。この長老はこうも言っています。「不活発な人を教える伝道者は,良い友になり,よく話を聞く必要があります。そうすれば,相手は気持ちを打ち明けやすいでしょう」。
天にも地上にも喜びがある
16. 天使の助けがあることを示すどんな経験がありますか。
16 エホバのもとに戻りたいと強く願っている不活発な人を捜す活動に,天使が関わっていることを示す経験はたくさんあります。(啓 14:6)エクアドルに住むシルビオの例を取り上げましょう。ある日,シルビオは,会衆に戻りたいと涙ながらに祈っていました。すると,まだ祈っている最中に家のベルが鳴りました。2人の長老が訪ねてきたのです。長老たちはシルビオに,必要な助けを与えることができました。
17. 不活発な人を助けることからどんな喜びが得られますか。
17 エホバのもとに戻るよう不活発な人を助けることができたら,どんなにうれしいことでしょう。開拓者のサルバドルは,不活発な人を助けることに特に力を入れています。こう言っています。「うれしくて涙が出ることがあります。エホバの大切な羊がサタンの世から救い出されたからです。そのためにエホバと共に働けたと思うと感謝の気持ちでいっぱいになります」。(使徒 20:35)
18. 不活発な人のことをエホバはどう思っていますか。
18 あなたは,今会衆から離れている方ですか。エホバはあなたのことを今でも愛しています。ご自分のもとに戻ってきてほしいと願っています。戻るために努力が必要だとしても,次のことを忘れないでください。イエスの例えに出てくる父親のように,エホバはあなたが戻るのを待っています。喜んで迎えてくださるのです。
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