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プラハ ― 歴史のある,宝石のような町へようこそ目ざめよ! 2003 | 11月8日
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目を丸くしながらあちこち見物しているうちに,いつのまにか旧市街広場に出ます。そこで最初に目にするものは,大勢の人が一つの時計をじっと見つめている光景かもしれません。正時近くは特にそうです。これは市庁舎の天文時計と言われ,たいへん興味深いものです。ただし,天文学上の正確さは期待しないでください。この時計が設計されたのは,地球が宇宙の中心であり,太陽と星が地球の周りを回っているとまだ信じられていた時代のことなのです。とはいえ,市庁舎の天文時計は時計作りと工学技術の傑作です。a ―次のページの囲みをご覧ください。
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プラハ ― 歴史のある,宝石のような町へようこそ目ざめよ! 2003 | 11月8日
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天文時計
時計は三つの部分から成っています。正時になると,上部にある二つの窓が開いて,12使徒が次々に登場するのを見ることができます。興味深いことに,ユダ・イスカリオテとアルパヨの子ヤコブの代わりに,パウロとバルナバが入っていますが,この二人は聖書では12使徒に数えられていません。使徒たちの真下にいるのは,死に神のシンボル,がい骨です。がい骨は使徒たちの紹介役として仕掛けをスタートさせます。左手の砂時計を持ち上げ,それからひっくり返します。動く人形はほかにもいます。時を告げるおんどりや,首を横に振るトルコ人,鏡に映った自分の姿に見入る虚栄心<バニティー>,欲の深い金貸しの姿に似せた貪欲<グリード>などです。
ほかの特徴として,天文時計は三つの異なる時間を示しています。アラビア数字で表わした昔のボヘミア時間,ローマ数字で表わした現在使っている時間,そしてバビロニア方式に従って昼間を12等分した時間です。これで,この凝った時計をじっくり調べてみる必要があることがお分かりになったでしょう。
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