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ダニエルの預言的な日と,わたしたちの信仰ものみの塔 1993 | 11月1日
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1,260日
9,10 ダニエル 7章25節の「一時と二時と半時」の特色となっているのはどんな出来事ですか。また他のどの聖句の中でも,それに類似した期間のことが述べられていますか。
9 ダニエル 12章7節には最初の預言的な期間のことが記されています。「それは,定められた一時,定められた二時,そして半時の間である。聖なる民の力を打ち砕くことが終了するとすぐ,これらのすべての事もその終わりに至る」。a 啓示 11章3節から6節はこの同じ期間に言及し,神の証人たちが3年半の間,粗布を着て宣べ伝え,それから殺される,と述べています。さらにダニエル 7章25節にはこう記されています。「彼は至高者に逆らう言葉を語り,至上者に属する聖なる者たちを絶えず悩ます。そして彼は時と法とを変えようとし,彼らは一時と二時と半時の間その手に渡される」。
10 この後者の預言に出てくる「彼」とは,バビロンから数えて5番目の世界強国です。それは「角,小さなもの」であり,それが権力を振るっている間,人の子に「支配権と尊厳と王国」が与えられます。(ダニエル 7:8,14)この象徴的な角は当初,大英帝国でしたが,第一次世界大戦中に英米二重世界強国へと発展し,今ではアメリカ合衆国に支配されています。この強国は三時半,つまり3年半の間,聖なる者たちを悩ませ,時と法を変えようとします。最終的に聖なる者たちは,その手に渡されてしまいます。―啓示 13:5,7もご覧ください。
11,12 1,260日の預言的な日が始まる契機となったのはどんな出来事でしたか。
11 これら類似した預言はすべてどのように成就したのでしょうか。第一次世界大戦に先立って,イエスの油そそがれた兄弟たちは幾年もの間,1914年に諸国民の定められた時が終わるということを公に警告してきました。その警告が無視されてきたことは,戦争が勃発した時に明らかになりました。サタンは配下の「野獣」を用い,つまり当時大英帝国に支配されていた世界的な政治組織を用いて,「時と法とを変え(る)」よう,つまり神の王国が支配する時を先に延ばすよう画策しました。(啓示 13:1,2)サタンは失敗しました。神の王国は人間には全く手の届かない天に設立されたのです。―啓示 12:1-3。
12 その戦争は聖書研究者たちにとって試みの時となりました。1914年の1月から彼らは「創造の写真劇」を上映してきましたが,これはダニエルの預言に注意を向けさせる,聖書に基づいたものでした。その年の夏には北半球で戦争が勃発し,10月には定められた時が満了しました。その年が終わるころ,油そそがれた残りの者はすでに迫害を予期していました。1915年の年句として,ジェームズ王欽定訳のマタイ 20章22節に基づいた「汝は我が杯を飲み得るか」という,弟子たちに対するイエスの質問が選ばれたことを見ればそのことが分かります。
13 聖書研究者たちはどのように1,260日の間,粗布を着て宣べ伝えましたか。その期間の終わりにはどんなことが生じましたか。
13 ですからエホバの証人のこの小さな一団は1914年の12月以降,謙遜に耐え忍びつつエホバの裁きを告げ知らせ,『粗布を着て宣べ伝え』ました。1916年には,ものみの塔聖書冊子協会の初代会長C・T・ラッセルが死亡し,大勢の人に衝撃を与えました。戦争熱が広まるにつれて証人たちに対する反対は強くなり,中には投獄された人もいました。英国のフランク・プラット,カナダのロバート・クレグといった人たちは,極めて残虐な当局によって拷問にかけられました。1918年6月21日にはついに新しい会長J・F・ラザフォードが,ものみの塔聖書冊子協会の理事たちと共に無実の罪で告発され,長期間の拘禁刑を言い渡されました。こうして,この預言的な期間の終わりに,「小さな角」は組織的に行なわれていた公に宣べ伝える業を停止させてしまいました。―ダニエル 7:8,ジェームズ王欽定訳。
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ダニエルの預言的な日と,わたしたちの信仰ものみの塔 1993 | 11月1日
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ダニエルが述べた預言的な期間
1,260日:
1914年12月から1918年6月
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