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エホバは,自分を高める者たちを辱めるイザヤの預言 ― 全人類のための光 I
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『ごう慢な目は必ず低くなる』
6,7 (イ)自分を高める者たちはエホバの裁きの日にどうなりますか。(ロ)エホバはどんなものや人に対してご自分の怒りを表明されますか。なぜですか。
6 イザヤは続けて,「エホバの怖ろしさゆえに,またその光輝ある優越性から,岩の中に入り,塵の中に身を隠せ」と言います。(イザヤ 2:10)しかし,全能者なるエホバから身を守るにはどんな岩も小さすぎ,エホバから身を隠すにはどんな覆いも薄すぎるでしょう。エホバが裁きを執行するために来られる時,「地の人のごう慢な目は必ず低くなり,人間の高ぶりは必ず身をかがめる。その日には,エホバただおひとりが必ず高く上げられる」のです。―イザヤ 2:11。
7 「万軍のエホバの日」がやって来ます。その日は,神がご自分の怒りを,「高大で,高く上げられたレバノンのすべての杉と,バシャンのすべての巨木,すべての高大な山と高く上げられたすべての丘,すべての高い塔と防備の施されたすべての城壁,タルシシュのすべての船と望ましいすべての小舟とに」対して表明する時となります。(イザヤ 2:12-16)そうです,エホバの憤りの日には,うぬぼれの象徴として人間が作り上げたあらゆる組識とあらゆる不敬虔な人に注意が向けられます。そのようにして,「地の人のごう慢さは必ず身をかがめ,人間の高ぶりは必ず低くなる。その日には,エホバただおひとりが必ず高く上げられる」ことになります。―イザヤ 2:17。
8 予告された裁きの日は,西暦前607年,エルサレムにどのように臨みますか。
8 予告された裁きの日は,西暦前607年,バビロニアのネブカドネザル王がエルサレムを滅ぼした時にユダヤ人に臨みました。住民は,自分たちの愛する都市が炎に包まれ,その都市の堂々たる建物が破壊され,強大な城壁が打ち砕かれるのを見ます。エホバの神殿はがれきの山となります。住民の財宝も兵車も,「万軍のエホバの日」には何の役にも立ちません。では,彼らの偶像はどうですか。「無価値な神々は完全に過ぎ去る」というイザヤの予告どおりになります。(イザヤ 2:18)君たちや力ある者たちも含め,ユダヤ人はバビロンへ流刑に処されます。エルサレムは70年間,荒廃して横たわることになるのです。
9 どんな点で,キリスト教世界の状況はイザヤの時代のエルサレムとユダの状況に似ていますか。
9 キリスト教世界の状況は,イザヤの時代のエルサレムとユダの状況に何とよく似ているのでしょう。キリスト教世界は確かに,この世の諸国家と密接な関係を築いてきました。同世界は国際連合の熱烈な支持者であり,自分の家を偶像や非聖書的な習わしで満たしてきました。同世界の信奉者たちは物質主義的であり,軍事力を頼みとしています。また,僧職者を特別待遇に値する者とみなし,様々な称号や栄誉を付しているのではないでしょうか。キリスト教世界の自らを高める態度は必ず無に帰せしめられます。しかし,それはいつのことでしょうか。
迫り来る「エホバの日」
10 使徒のパウロとペテロはどんな「エホバの日」のことを述べていますか。
10 聖書は,古代のエルサレムとユダに臨んだ裁きの日よりはるかに重大なものとなる「エホバの日」について述べています。霊感を受けた使徒パウロは,来たるべき「エホバの日」を,即位した王イエス・キリストの臨在と結び付けました。(テサロニケ第二 2:1,2)ペテロはその日のことを,『義が宿る新しい天と新しい地』の樹立と関連づけて述べました。(ペテロ第二 3:10-13)それは,キリスト教世界を含む邪悪な事物の体制全体にエホバが裁きを執行される日なのです。
11 (イ)近づく「エホバの日」に『こらえ得る』のはだれですか。(ロ)どうすればエホバを自分の避け所とすることができますか。
11 預言者ヨエルは,「ああ,その日よ! エホバの日は近く,全能者による奪略のようにしてそれは来るのである」と述べています。その「日」が迫っていることを考えると,だれでも,畏怖の念を抱かせるその時における身の安全を心配するのではないでしょうか。ヨエルは,「だれかその下でこらえ得ようか」と問いかけ,『エホバはその民のための避け所となる』と答えます。(ヨエル 1:15; 2:11; 3:16)エホバ神は,ごう慢な精神を抱いて,富や軍事力や人間のこしらえた神々に頼る人々のための避け所となられるでしょうか。そんなことはあり得ません。神は,ご自分の選んだ民でさえ,そのように振る舞った時には見捨てました。神の僕すべてにとって,「義を求め,柔和を求め」,自分の生活においてエホバの崇拝がどんな位置を占めているかを真剣に吟味することは何と肝要なのでしょう。―ゼパニヤ 2:2,3。
「とがりねずみや,こうもりに向かって」
12,13 エホバの日に偶像崇拝者たちが自分たちの神々を「とがりねずみや,こうもりに向かって」投げ出すのは妥当なことである,と言えるのはなぜですか。
12 エホバの大いなる日に,偶像崇拝者たちは自分たちの偶像をどのようにみなすでしょうか。イザヤはこう答えます。「神が立ち上がって地が衝撃を受けるとき,人々はエホバの怖ろしさゆえに,またその光輝ある優越性から,岩の洞くつや塵の中に入る。その日,地の人は……銀の無価値な神々や金の無価値な神々を,とがりねずみや,こうもりに向かって投げ出すであろう。神が立ち上がって地が衝撃を受けるとき,エホバの怖ろしさゆえに,またその光輝ある優越性から,岩の穴や大岩の裂け目の中に入るためである。あなた方は自分のために,息がその鼻孔にある地の人から離れていよ。どんな根拠があってその人が考慮に入れられるというのか」。―イザヤ 2:19-22。
13 とがりねずみは地面の穴に暮らし,こうもりは人気のない暗い洞くつをねぐらとします。その上,たくさんのこうもりが1か所にすみ着くと,胸の悪くなるようなにおいがすると共に,糞がうずたかくたまります。偶像をそうした場所に投げ込むのは妥当なことです。暗くて汚れた場所以外に偶像に似つかわしい場所はありません。民はと言えば,エホバの裁きの日に洞くつや岩の裂け目に避難しようとするでしょう。ですから,偶像とその崇拝者たちは同じ結末を迎えるのです。西暦前607年,イザヤの預言のとおり,命のない偶像はネブカドネザルの手から偶像崇拝者たちやエルサレムを救うものとはなりませんでした。
14 偽りの宗教の世界帝国に臨む,迫り来るエホバの裁きの日に,この世的な考え方をする人たちはどんな行動を取りますか。
14 キリスト教世界と偽りの宗教の世界帝国の他の部分に臨む,来たるべきエホバの裁きの日に,人々はどんな行動を取るでしょうか。全世界的に事態が悪化するのを目の当たりにして,恐らく大半の人は自分たちの偶像が無価値であることを悟るようになるでしょう。偶像の代わりに,霊的ではない,地的なさまざまな組織に保護を求めて避難しようとすることでしょう。啓示 17章の「緋色の野獣」である国際連合にも避難しようとするかもしれません。ほかならぬその象徴的な野獣の「十本の角」が,キリスト教世界を顕著な部分とする偽りの宗教の世界帝国である大いなるバビロンを滅ぼします。―啓示 17:3,8-12,16,17。
15 エホバの裁きの日に,どのようにエホバただおひとりが「高く上げられ」ますか。
15 大いなるバビロンを荒れ廃れさせて焼くことを直接行なうのはそれら象徴的な十本の角であるかもしれませんが,それは,実際にはエホバの裁きの執行なのです。大いなるバビロンに関して,啓示 18章8節はこう述べています。「そのために,彼女の災厄は一日のうちに来る。それは死と嘆きと飢きんであって,彼女は火で焼き尽くされるであろう。彼女を裁いたエホバ神は強い方だからである」。ですから,偽りの宗教による支配から人類を解放することの誉れは全能者エホバ神のものです。イザヤが,「その日には,エホバただおひとりが必ず高く上げられる。それは万軍のエホバの日だからである」と述べるとおりです。―イザヤ 2:11後半,12前半。
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エホバは,自分を高める者たちを辱めるイザヤの預言 ― 全人類のための光 I
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[55ページの図版]
「エホバの日」に,偽りの宗教の世界帝国は荒れ廃れる
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