室内装飾 ― 難しいが,やりがいがある
ある人が家に招いてくれました。質素な家ですが,中に入ると,趣味のよい装飾の施された住居であることが一目で分かります。塗装もきれいに,上手に行なわれています。
後で聞いて驚いたのですが,作業は全部その家の人たちだけでしたということです。みんなで室内装飾にチャレンジしたわけです。しかし,そういう素人仕事にも落とし穴の潜んでいることがあります。それで,どんな室内装飾を手がけるにしても,まず下記の点を考慮しましょう。
材料を注意深く選ぶ
最近は手に入る材料の種類が豊富になり,室内の装飾をどういう様式にするかについては,選択できる範囲が非常に広くなりました。あなたが住んでいる地方ではどんなものが合いますか。装飾的な壁紙のほうがよい感じが出るでしょうか。それとも化粧ベニヤか布地のほうがあなたの好みに合うでしょうか。結局,ペンキを塗るだけのほうがいい感じになる,と考えるかもしれません。では決める前に実際的な面を幾つか考慮しましょう。つまり費用,材料の耐久性,張り付けの難易度,また壁の補修や掃除にかかる時間や労力などです。これら全部を合わせたものと,プロを雇った場合の費用とを比較してみる必要があります。
装飾的な壁紙を選ぶなら色も大切です。部屋の中にある物と調和しますか。いつも寒気のする部屋の場合,温かみのある色にすれば温かい感じが出ます。日が当たって暑いほうの部屋は,薄い青や緑の色合いのものにすれば涼しい感じになります。暗かったりあまり光が差し込まない部屋は,明るい色のものを使えば明るくなります。
作業の計画を立て,準備をしましょう
装飾を上手に行なう秘けつはよく準備することです。室内装飾家が実際の塗装にかける時間に比べて,壁の表面を整えるのにどのくらい時間をかけるか,観察したことがありますか。自分で塗る場合も,準備に時間と労力を惜しまないことです。壁面をよく乾かし,滑らかに,またきれいにするよう専門家は勧めます。
壁面にひびがあればそれを修復し,その部分をガラス紙かサンドペーパーでみがいて滑らかにします。塗装を始める前には湿った布で壁をふいてほこりを取り除き,乾くまで待ちます。
さて,作業計画についてはどうでしょうか。家族ぐるみで作業をする計画ですか。もしそうするとすれば,全員が参加することになるだけでなく,仕上げたものにみんなが誇りを持ち,またみんながそれを大切に扱うことになります。室内装飾はひとりでするよりも,みんなでするように計画しましょう。報いも大きなものになります。
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刷毛やローラーについての注意
1.新しい刷毛の場合,毛を曲げたりよくはたいたりして,ほこりや抜け毛を完全に落とします。
2.刷毛を塗料に深くひたしすぎないようにします。(余分の塗料が柄の中に詰まらないよう,毛の長さの3分の1から2分の1をひたすにとどめます。)
3.使用した刷毛は洗います。油性塗料にはミネラルスピリット,ラテックス性あるいは水性の塗料にはお湯を使います。
4.きれいになった乾いた刷毛はきれいな紙にくるんで仕舞いますが,そのようにすると,残っている湿気を紙が吸収しますし,毛の形がくずれません。
5.塗装用ローラーの手入れも同様の手順で行ないます。さびが出て,次に使う時にペンキの色が汚くならないようにするため,金属部分が完全に乾いているかどうか確かめます。