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  • 世界の一致はどうなってしまったのか
    ものみの塔 2005 | 6月1日
    • 世界の一致はどうなってしまったのか

      『第二次世界大戦以降初めて,国際的な共同体は一つに結び合わされた。……したがって,世界はこの機会をとらえ,待望久しい新世界秩序に関する約束を果たすことができる』。

      これは1990年代に米国の大統領が述べた言葉です。そのころ,国際情勢の進展から,世界の一致が程なく実現するかに見えました。全体主義政府は次々に崩壊し,ベルリンの壁も崩れてヨーロッパに新時代の到来を告げました。西側諸国から世界各地の紛争の扇動者とみなされていたソビエト連邦も消滅し,世界を驚かせました。冷戦は終わり,核廃絶を含む軍備縮小に関して楽観的なムードが漂っていました。ペルシャ湾で戦争が起きたとはいえ,それは一時的な問題にすぎず,かえって世界の大半の国は平和な秩序を追求する決意をいよいよ固めるであろうと思われました。

      政治だけでなく,他の分野でも明るい兆しがありました。世界の多くの地域で生活水準が向上していました。医学の進歩により,医師たちはほんの数十年前には奇跡と呼ばれたようなことも行なえるようになりました。多くの国で経済成長が見られ,世界の繁栄につながりそうな勢いでした。事態は望ましい方向に進んでいるように見えました。

      しかし,それからまだ何年もたたない今日,『一体どうしたのか。期待された世界の一致はどうなったのか』と言わざるを得ません。期待外れどころか,世界は一致とは正反対の方向に進んでいるようです。自爆攻撃,テロ事件,大量破壊兵器の拡散といった不穏なニュースが連日のように新聞紙面を騒がせています。そうした事件が起きるたびに世界はますます一致から遠ざかっているようです。ある著名な投資家は最近,「人類はエスカレートする暴力の悪循環に陥りつつある」と語りました。

      世界の一致か分裂か

      国際連合の設立時に掲げられた目的の一つは,「人民の同権及び自決の原則の尊重に基礎をおく諸国間の友好関係を発展させること」でした。以来ほぼ60年が経過しましたが,この崇高な目標は達成されたでしょうか。いいえ,達成には程遠い状態です。諸国家は,ここで述べられている「友好関係」よりも「自決」のほうに関心があるようです。人々は自分の国や民族のアイデンティティーと主権を確立することに懸命で,世界をますます分裂させています。国際連合の発足当時の加盟国は51か国でしたが,今日では191か国に上ります。

      このように,20世紀の終わりごろ,世界の一致への期待が広まりました。しかしその後,人類は国際社会の分裂が進むのを目の当たりにし,期待は失望に変わりました。暴力によるユーゴスラビアの分割,チェチェンとロシアの紛争,イラク戦争,中東で相次ぐ大量殺傷事件 ― このすべては,不一致がますます深刻化していることの証拠です。

      平和を求める努力の多くが善意に基づく誠実なものであることは確かです。にもかかわらず,世界の一致は実現不可能に思えます。そのため,『いつまでたっても世界の一致が実現しないのはなぜか。世界はどこへ向かっているのか』と考える人は少なくありません。

  • 世界はどこへ向かっているのか
    ものみの塔 2005 | 6月1日
    • 世界はどこへ向かっているのか

      世界の一致。何と魅力的な言葉でしょう。だれもがそれを望んでいるのではありませんか。確かに,一致をめぐって数多くの協議が行なわれてきました。世界の指導者の会合で,このテーマが繰り返し取り上げられています。2000年8月,1,000人余りの宗教指導者がニューヨークの国連に集まり,「ミレニアム世界平和サミット」で世界各地の紛争の解決について話し合いました。しかしこの会議自体が,世界でくすぶり続けている数々の論争を反映していました。エルサレムのイスラム法学者は,ユダヤ教のあるラビが出席するので参加を拒否しました。中国の反感を買うことへの恐れから最初の二日間にダライ・ラマが招かれなかったため,憤慨する参加者もいました。

      2003年10月,タイで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会談では,環太平洋諸国が世界の安全保障問題を話し合いました。参加21か国はテロ組織の撲滅を誓い,地球規模の安全強化方針で合意しました。しかし会議の席では一部の代表者から,ある首相が行なったとされるユダヤ人への憎悪に満ちた発言に対して非難の声が上がりました。

      一致が実現しないのはなぜか

      世界の一致について何度も協議が行なわれてきましたが,具体的な成果はほとんど上がっていません。多くの人の誠実な努力にもかかわらず,21世紀になっても世界の一致を達成できないのはなぜでしょうか。

      その答えの一面を示しているのは,APECに出席した首相が述べた,「国家の威信と呼ばれるものがある」という言葉です。確かに,人間社会には国家主義が染み込んでいます。それぞれの国家や民族は,自己決定に基づいて行動したいという願望に突き動かされています。国家主権が競争心や貪欲と結び付き,一触即発の状態を作り出しています。国家の利益と世界全体の利益が対立する場合には,たいてい国家の利益が優先されます。

      聖書の詩編は適切にも国家主義を,「逆境を生じさせる疫病」になぞらえています。(詩編 91:3)国家主義は人類を襲う伝染病のように,計り知れない苦痛をもたらしてきました。国家主義およびその結果として生じる他の民族への憎悪は,ずっと昔から存在しています。国家主義は今日でも不和の炎をあおっており,支配者たちはそれを抑えることができません。

      世界の諸問題の根底には国家主義と利己主義がある,と見ている権威者は少なくありません。ウ・タント元国連事務総長はこう述べています。「われわれが今日直面する問題の非常に多くは,間違った態度に起因するもの,あるいは間違った態度を取った結果である。……そのうちの一つは,『間違っていようがいまいが,自分の国は自分の国』という偏狭な国家主義の概念である」。それでも,今日の諸国家は自国の利益追求に夢中で,自国の主権をますます強硬に主張しています。優位に立っている国は,わずかな利益を失うことも望みません。例えば,インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙(英語)は欧州連合について次のように述べました。「相変わらず,競争意識と不信感がヨーロッパの政治の基本的な型となっている。EU加盟国の大半は,他の加盟国が影響力を増したり主導権を握ったりするのをいまだに承服できない」。

      神の言葉 聖書は,人間の支配がもたらす結果について的確にも次のように述べています。「人が人を支配してこれに害を及ぼした」。(伝道の書 8:9)人間は,世界を領土として分割することにより,集団また個人として聖書の次の言葉どおりのことを行なってきました。「自分を孤立させる者は利己的な願望を追い求める。その者はあらゆる実際的な知恵に逆らって突き進む」。―箴言 18:1。

      人間にとって何が最善かをご存じの創造者は,人間に自らの政府を樹立させ,自らを治めさせようとは考えておられませんでした。しかし,人間は自らを治めることによって,神のお考えを,またすべてのものが神に属するという事実を無視してきました。詩編 95編3-5節はこう述べています。「エホバは大いなる神,他のすべての神に勝る大いなる王……である。そのみ手の中に地の最も内なる深みがあり,神に山々の峰は属する。神にご自身の造られた海は属し,そのみ手は乾いた地をも形造った」。神は,すべての人が支配者として仰ぐべき正当な主権者です。諸国家は自らの主権を追い求めることにより,神のご意志に逆らっています。―詩編 2:2。

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