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信頼できる書物 ― 第7部目ざめよ! 2011 | 5月
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啓示 17章10節の預言は,ダニエル書に出てくる別の預言と相関関係にあります。ダニエルは,バビロンの王ネブカドネザルが神から与えられた幻の中で見た「途方もなく大きな像」について書いています。(ダニエル 2:28,31-43)この帝王に対してダニエルは,像の体の各部が,当時の世界強国であったバビロンから続く一連の政治上の帝国を表わすことを明らかにしました。(エジプトとアッシリアはすでに舞台を去っていた。)歴史は以下の点を裏書きしています。
金の頭はバビロニア帝国を象徴しています。
銀の胸と腕はメディア-ペルシャを表わしています。
銅の腹と股は古代ギリシャを指しています。
鉄の脚部はローマ帝国を表わしています。
足は鉄と粘土が混ざり合ったもので,英米世界強国の時代における,政治的にも社会的にも結合することのない状態を描写しています。
啓示 17章10節はまた,7番目の世界強国が「少しの間とどまらなければならない」と述べています。それはどれほどの長さでしょうか。その強国はどのように世界の舞台を去るのでしょうか。その後,どんなことが起きますか。ダニエルはこれらの問いに光を当てています。
信頼の置ける希望
前述の像について描写した後,ダニエルはこう書いています。「ひとつの石が人手によらずに[山から]切り出され,それが像の鉄と成形した粘土とでできた足のところを打って,これを砕きました」。(ダニエル 2:34)強烈な印象を与えるこの場面には,どんな意味があるのでしょうか。
ダニエルの説明は続きます。「それらの[最後の]王たちの日に,天の神は決して滅びることのないひとつの王国を立てられます。そして,その王国はほかのどんな民にも渡されることはありません。それは[地上にある]これらのすべての王国を打ち砕いて終わらせ,それ自体は定めのない時に至るまで続きます」。b (ダニエル 2:44,45)以下の重要な点に注目してください。
大きな石が表わすのは,勝利を得る王国で,「人手」によらず神ご自身によって「立てられ」ます。そのようなわけで,神の王国と呼ぶのは当を得ています。
神の王国は人間の支配勢力すべてを『打ち砕き』ます。7番目の世界強国もその中に含まれます。なぜなら,それらの人々すべては権力を手放そうとはせず,ハルマゲドンと呼ばれる象徴的な場所における最終的な大戦争で神に立ち向かうからです。聖書はこの戦争に「人の住む全地の王たち」が加わることを明らかにしています。―啓示 16:13,14,16。
人間の政府は,7番目の世界強国も含めて移ろいゆくものですが,神の王国は「決して滅びることのない」ものです。その王国はまた全地を支配します。―ダニエル 2:35,44。
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