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あなたの耳 ― すばらしい伝達器官目ざめよ! 1990 | 1月22日
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中耳には人体で最も小さな三つの骨,つまり一般につち骨,きぬた骨,あぶみ骨と呼ばれる,槌骨,砧骨,鐙骨があって,鼓膜と,内耳の入口に相当する前庭窓とをつなぐ橋を形作っています。
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あなたの耳 ― すばらしい伝達器官目ざめよ! 1990 | 1月22日
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中耳 ― 機械工学の夢
中耳の仕事は,音波の音響的振動を機械的振動に変え,それを内耳に伝えることです。豆粒大のこの部屋で生じる事柄は,まさしく機械工学の夢です。
鼓膜は,大きな音の場合には非常に大きく動くと考えられているのに反して,実際には,ごくわずかしか動きません。そうしたわずかな動きでは,液体の充満した内耳の反応を引き起こすことはできませんが,その問題を克服する方法にも,耳の造りの精巧さがうかがえます。
中耳の三つの小骨の連動は微妙であるだけでなく,効果的でもあります。てこの原理で機能し,入ってくる力をすべて約30%増幅させます。さらに,鼓膜の面積は,あぶみ骨底の面積の約20倍にもなるので,鼓膜に加えられた力は前庭窓にあるずっと狭い場所に集中します。これら二つの要素が相まって,振動する鼓膜に加えられる圧力は増幅され,前庭窓で25ないし30倍にもなります。それだけあれば,蝸牛内の液体を動かし始めることができます。
あなたは,かぜが聴覚に影響を与える場合があることに気づいていますか。鼓膜が正しく機能するためには,鼓膜の両側の気圧が等しくなければならないからです。普通は,中耳と咽頭とを結ぶ耳管と呼ばれる細い管によってその状態が保たれています。この管は人が何かを飲み込む度に開き,高くなった中耳内の圧力を軽減します。
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あなたの耳 ― すばらしい伝達器官目ざめよ! 1990 | 1月22日
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