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主権聖書に対する洞察,第1巻
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この者が最初に近づいた人間,つまりエバに関して言えば,彼女は確かに,自分の創造者である神を認識していませんでした。それに,神を知る機会を活用してもいませんでした。自分よりも劣った者,つまり蛇を装ってはいても実際は反逆したみ使いである者の声に聞き従いました。聖書には,蛇が話すのを聞いてエバが驚いたことなど,少しも示唆されていません。聖書が実際に述べているのは,「エホバ神が造られた野のすべての野獣のうち[蛇が]最も用心深かった」ということです。(創 3:1)蛇が「善悪の知識の木」の禁じられた木の実を食べ,その時から賢くされたように見え,話せるようになったかどうかに関しては何も述べられていません。その反逆的なみ使いは,蛇を用いてエバに話しかけ,独立する機会,つまり「神のようになって善悪を知るようになる」機会(とエバが思ったもの)を提供し,エバは死なないと当人に信じ込ませることに成功しました。―創 2:17; 3:4,5; コリ二 11:3。
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主権聖書に対する洞察,第1巻
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ですから,挑戦を受けたのは,神の主権の正当性,価値,神の主権が義にかなっているかどうかということ,すなわち,神の主権が価値ある義にかなった方法で,また神の臣民の最善の益を図って行使されているかどうかということだったに違いありません。その点は,エバに対する近づき方にも示唆されています。「あなた方は園のすべての木からは食べてはならない,と神が言われたのは本当ですか」と蛇は言いました。ここで蛇は,そのようなことは信じられない,神は不当に制限を課して,人間夫婦の正当な分を差し控えている,とほのめかしたのです。―創 3:1。
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