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進化 通説と事実生命 どこから?
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全米科学アカデミー(NAS)が1999年に発行した冊子は,「ガラパゴス諸島でダーウィンが研究した13種のフィンチ」を取り上げています。その鳥は今ではダーウィンフィンチとして知られています。23
1970年代に,プリンストン大学のピーター・R・グラントとB・ローズマリー・グラントが率いる研究チームが,改めてそれらのフィンチの研究を始めました。そして,ガラパゴス諸島で干ばつが1年間続いた後に,大きめのくちばしを持つフィンチの方が,そうでないものより生存率が高いことを発見しました。くちばしの大きさと形は13種のフィンチを見分けるための主な特徴なので,これは大発見であると見なされました。NASの冊子にはこう書かれています。「グラント夫妻は,ガラパゴス諸島で干ばつが10年に1度起きるとすれば,わずか200年ほどで新種のフィンチが生まれてもおかしくない,と考えた」。24
しかし,NASの冊子には肝心なことが書かれていません。干ばつの後に,やがて小さめのくちばしを持つフィンチの方が再び多くなったという事実です。研究者たちは,ガラパゴス諸島の気象の変化に伴って,くちばしの大きい方が多くなる年もあれば,小さい方が多くなる年もある,ということに気付きました。また,“種”の違うフィンチが交配すること,そのようにして生まれた子は親より生存率が高いことも分かり,そうした交配が続くなら2つの“種”が1つに融合するかもしれない,と結論しました。25
ダーウィンフィンチから分かるのは,気象の変化に適応できる種があるという程度のことにすぎない。
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進化 通説と事実生命 どこから?
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実際,ダーウィンフィンチは何か新しいものになっているわけではありません。フィンチのままです。そして,“種”の違うフィンチが交配しているという事実からすると,一部の進化論者による種の定義方法について疑問が生じます。さらに,フィンチを巡るこの事例は,権威ある学術団体が挙げる証拠も偏っていることがある,という事実を明らかにしています。
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