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進化は事実ですか目ざめよ! 2006 | 9月
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全米科学アカデミー(NAS)が1999年に発行したパンフレットにはこうあります。「種分化[新種への進化]の特に有力な実例は,ガラパゴス諸島でダーウィンが研究した13種のフィンチ(ダーウィンフィンチ)に関するものである」。
1970年代に,ピーター・グラントとローズマリー・グラントの率いる研究グループがこれらのフィンチの研究を始め,1年間の干ばつの後に,大きめのくちばしを持つフィンチのほうが,そうでないフィンチより生存率が高い,ということを発見しました。くちばしの大きさと形はそれら13種のフィンチを見分ける主要な特徴なので,これは大発見であるとみなされました。NASのパンフレットの続きにはこうあります。「グラント夫妻は,ガラパゴスで干ばつが10年に一度起きるとすれば,わずか200年ほどで新種のフィンチが生まれるだろう,と推測した」。
とはいえNASのパンフレットは,幾つかの重要な,しかし都合の悪い事実を省いています。干ばつの後,幾年かたつと,くちばしの小さいフィンチのほうが以前のように多くなったのです。そのため1987年に,ピーター・グラントと大学院生ライル・ギブズは科学雑誌「ネイチャー」に,自分たちは「選択の流れにおける逆転」を見たと書きました。1991年に,グラントはこうも書いています。「自然選択に左右される個体数は[気候が変化するたびに]増減を繰り返している」。この研究者たちは,別の点にも気づきました。“種”の違うフィンチが交配して子を生み,子は親より生存率が高かったのです。グラント夫妻は,交配が続くなら,200年以内に二つの“種”が一つに融合するかもしれない,と結論しました。
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進化は事実ですか目ざめよ! 2006 | 9月
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実際,ダーウィンフィンチは「新しいもの」になっているわけではありません。フィンチのままです。そして,フィンチが交配しているという事実は,一部の進化論者による種の定義方法に疑問を投げかけます。
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