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  • 筋肉 ― 実に見事な設計
  • 目ざめよ! 1999
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目ざめよ! 1999
目99 4/8 20–24ページ

筋肉 ― 実に見事な設計

命は動きによって支えられています。例えば,呼吸するたびに繰り返される胸郭の上下運動,さらには心臓の規則的な鼓動によって人は生き続けることができます。何がこうした動きを生じさせているのでしょうか。筋肉です。

筋肉は弾力のある強じんな組織であり,これによって体の各部分は機能を果たすことができます。それで人間は自分の考えていることや感じていることを行動に表わせるのです。ほほえむ,笑う,泣く,話す,歩く,走る,働く,遊ぶ,読む,食べる。そうした行動を取るときには,必ず筋肉が関係します。筋肉が関係しない動作など,ほとんど考えられません。

人体にはおよそ650の筋肉があります。最も小さな筋肉は,耳の中にある最小の骨に付着しています。最も大きな筋肉は臀部にある臀筋で,下肢を動かします。筋肉は男性の体重の約半分,女性の体重の約3分の1を占めており,そもそも動くために設計されています。筋肉は「生物学上のエンジン」とみなされており,筋肉が『運動に変換する1日当たりのエネルギー量は,自動車のエンジンなど,人工のエンジンすべてを合わせたよりも多い』と,生物工学の教授ジェラルド・H・ポーラックは述べています。

人が休息を取っている時でも,筋肉はすぐに行動できる態勢にあります。どんなときも,それぞれの筋肉には,収縮した状態の線維が含まれています。そのように筋肉がわずかに収縮していないと,あごは垂れ下がって口は開き,内臓に対する支えもほとんどなくなってしまうでしょう。立っている時や座っている時でさえ,筋肉は姿勢を保てるように,あるいは椅子から落ちないように微調整を行ないます。

筋肉の種類

人体には3種類の筋肉があり,それぞれ異なる働きを担っています。一つは心筋で,心臓をポンプのように動かします。心臓の筋肉は,収縮後その次の収縮に備えて弛緩する必要があるため,一生の半分を休んでいることになります。

もう一つは平滑筋です。平滑筋は,血管を含めほとんどの内臓の周りを覆っています。不随意運動をする心筋と同じく,平滑筋も意識的に制御することはできません。平滑筋は,腎臓と膀胱から液体を移動させ,消化管に食べ物を送り込み,血管における血液の流れ方を制御し,目の水晶体の形を調整し,瞳孔を広げるといった,肝要な機能を果たしています。

650ある筋肉の大部分は骨格筋であり,随意運動を行ないます。人は,生まれたときからこの筋肉の制御の仕方を学びます。例えば,赤ちゃんは,バランスを取りながら歩けるように腕と脚の動かし方を学びます。筋肉は収縮しかできないので,骨格筋は二つが対になって動きます。一つの筋肉が収縮すると,もう一方は弛緩します。このような共同作業がないと,頭をかくたびに,重力の助けを借りて腕を下ろさなくてはなりません。しかし,上腕二頭筋と対になっている上腕三頭筋が収縮してくれるので,腕をすばやく伸ばすことができます。

筋肉の大きさや形は様々です。脚の膝屈曲筋のように細長い筋肉もあれば,臀部の大臀筋のように厚くて重たい筋肉もあります。すべては人間が動けるように設計されています。肋骨のすき間を埋める筋肉がなかったなら胸郭のしなやかさは失われていたでしょう。胸壁はそれらの筋肉のおかげでアコーディオンのように動き,楽に呼吸ができるようにしています。腹部の筋肉は,まさしく合板のように,方向性の異なる層が幾重にも並べられ,腹腔の臓器が落下するのを防いでいます。

筋肉と腱の協働

骨を引っ張る筋肉は,綱のような白くて強じんな組織を介して骨に付着しています。この組織は腱と呼ばれます。腱は筋肉の奥深くまで入り込んで,筋線維を取り巻く結合組織と連結しています。筋肉の中で生じる力は結合組織を介して腱を引っ張り,骨を動かすことができます。一番強い腱はアキレス腱で,ふくらはぎにある,体の中でもずばぬけて強力な筋肉の一つに付着しています。ふくらはぎの筋肉は体のショック・アブソーバーの役割を果たします。歩いたり,走ったり,跳んだりするとき,この筋肉は1㌧余りの力に耐えます。

筋肉と腱の協働を示す別の例は,手の自在な動きです。前腕にある20組の筋肉は,線維性のリストバンドの下を通る長い腱によって,多くの骨が連結した手や指の骨にしっかりつながっています。それらの筋肉や,手のひらと指に沿って並んでいるさらに20ほどの筋肉の働きが相まって,手は,精巧な時計の緻密な内部を組み立てたり,斧の柄を握って木を切ったりするのに必要な,驚くべき器用さを発揮します。

30を超える,顔の筋肉

顔は,体の他のどの部分よりもよく人の性格を表わします。顔の表情が変化に富んだものとなるよう,創造者は人の顔に多くの筋肉が集まるようにされました。その数は全部で30を超えます。笑顔を作るだけでも,何と14の筋肉が必要なのです。

顔の筋肉の中には強力なものもあり,例えばあごに付いている筋肉は,食べ物をかむために75㌔の力を加えることができます。繊細ながら耐久性のある筋肉もあり,例えば,まばたきする時にまぶたを制御する筋肉は,ごみや細菌を流し去るための液体で毎日2万回以上も目を洗浄します。

驚くべき設計

それぞれの筋肉は円滑に収縮するよう設計されています。羽根を持ち上げるのに,10㌔のおもりを持ち上げるのと同じ力を用いることのないよう,骨格筋の収縮は用途に合わせて調整されなければなりません。調整はどのように行なわれるのでしょうか。調べてみましょう。

すべての筋肉は個々の細胞からなっています。筋細胞は細長いので筋線維と呼ばれています。淡い色の筋線維もあれば,濃い色の筋線維もあります。淡い色の筋線維はすばやく収縮する線維,つまり速筋です。これらの筋肉は,重たい物を持ち上げたり,100㍍を疾走したりするときなど,瞬発力が必要な場合に用いられます。速筋は強力な筋肉で,グリコーゲンという糖からエネルギーの補給を受けます。しかし,持久力があまりなく,乳酸が蓄積するとけいれんや筋肉痛を引き起こすこともあります。

色の濃い筋線維はゆっくり収縮する線維,つまり緩筋であり,酸素の代謝から力を得ます。緩筋はすばやく収縮する線維に比べて血流の供給に富み,酸素の存在下で得られるエネルギーも多いので,「持久力の綱」であると言えます。

もう一つの筋線維は,すばやく収縮する青白い線維よりも少しだけ濃い色をしています。この筋線維は速筋に似ていますが,疲労に抵抗できる強さがあります。この種の筋肉は,燃料として糖と酸素の両方を効果的に用いるので,長時間にわたる激しい動きをするときには,この筋肉が関与するようです。

一人一人の様々な筋肉の中に,ここに挙げたいろいろな筋線維が混在しています。例えば,長距離走者の脚の筋肉には緩筋が平均80%含まれているのに対し,短距離走者の場合には速筋が平均75%以上存在するということもあります。

神経によって起動する

すべての筋線維は神経によって起動します。神経が筋肉に刺激を送ると,筋肉はそれに反応して収縮します。ただし,どの筋肉の筋線維もすべて同時に収縮するというわけではありません。むしろ筋線維は運動単位に組織されています。一つの運動単位の中では一つの神経が複数の線維に連結しており,それらを制御しています。

脚の筋肉の運動単位のように,一つの神経に2,000余りの線維が連結しているものもあります。しかし,目の運動単位はそれぞれ三つの線維しか制御していません。一つの運動単位に含まれる線維の数が少ないほど,また筋肉の中の運動単位の数が多いほど,針に糸を通したりピアノを弾いたりする時に必要な,より統制の取れた細かい動作が可能になります。

羽根を持ち上げる時には限られた数の運動単位しか収縮しません。重たい物を持ち上げる時には,筋線維内の特別な感覚器官から電光石火の速さで脳に情報が送られ,より多くの運動単位の行動が喚起される結果,より大きな力で荷物を持ち上げられるようになります。ゆっくり歩く時も限られた数の運動単位しか起動しませんが,走る時には,刺激を受ける運動単位はずっと多くなり,刺激を受ける頻度も高まります。

心臓の筋肉は骨格筋と異なり,すべての筋肉が同時に収縮するかしないかのどちらかです。心筋の一つの細胞が刺激されると情報がすべての細胞に伝わり,細胞は即座に活性化されて,結果的に筋肉全体が1分間に約72回,収縮と弛緩を繰り返します。

平滑筋も心筋とほとんど同じ動き方をします。収縮が始まった途端,器官全体が収縮するのです。しかし,平滑筋は心筋よりも長い時間,疲れずに収縮を続けることができます。時たま経験する空腹痛や,陣痛の際の激しい収縮でもない限り,平滑筋の存在を意識することはありません。

筋肉を正常な状態に保つ

「運動によって体の全体が,その内側も外側も益を得る。……筋肉の運動を定期的に行なうなら,筋肉は何をするにもよく動くようになる」。これは「筋肉: 運動のマジック」(英語)と題する本の言葉です。運動すると筋肉の質が良くなり,筋肉の質が良くなると内臓がしっかり支えられ,筋肉が疲労と闘うのも容易になります。

筋肉にとって有益な運動には2種類あります。無酸素運動,つまり毎日短時間おもりを上げ下げするような運動は,筋肉を強くします。強い筋肉は糖や脂肪酸をより多く蓄えるだけでなく,それらの燃料を効率よく燃焼することができるので,筋肉が疲労と闘うのも容易になります。

有酸素運動,つまりジョギングや水泳やサイクリングや早歩きなどは,体全体の健康を促進します。持久力が求められるこうした運動は,筋肉への血流を増やしATPを生成するミトコンドリアも増やします。ATPは筋肉の収縮に必要なエネルギー化合物です。特に心臓はこの種の運動の恩恵にあずかっており,心臓発作が起きないように守られることさえあるかもしれません。

激しい運動の前のストレッチ体操は,ねんざなどの筋肉の損傷の予防に役立ちます。そのような準備運動は筋肉の温度を上げて筋肉の血液の循環を良くし,その結果,酵素が生成するエネルギーも増えて,筋肉はよりよく収縮できるようになります。ウォーミングアップの時にしたのと同じ運動をクーリングダウンの時にも行なえば,蓄積した乳酸を取り除くことになり,痛みや筋肉の凝りを防ぐことができます。

しかし,極端に激しい運動は,訓練を受けていない人の場合は特に,骨格筋を傷つける恐れがあるということに是非とも注意を払ってください。さらに,重い荷物をゆっくり降ろしたり,下り坂を駆け降りたりするなど,ある部位を伸ばす収縮を繰り返して,筋肉に過度の緊張を強いると,筋線維の裂けることがあります。ねんざなどで筋線維が少しでも裂けると,筋肉のけいれんや炎症が起きて,痛い思いをするかもしれません。

筋肉の管理はきちんと行ないましょう。適切な運動をさせ,十分な休息を与えることにより,筋肉が入念に設計されたエンジンのように,あなたの体の“究極のモーター”としてその役目を果たし続けられるようにしてください。

[20ページの拡大文]

人体にはおよそ650の筋肉がある。最も大きな筋肉は臀部にある臀筋で,脚部を動かす

[24ページの囲み記事]

筋肉と栄養

筋肉の健康を維持するためのかぎとなる要素は,十分な栄養です。乳製品のようなカルシウムに富む食べ物や,バナナのようにカリウムに富む食べ物,また柑橘類やドライフルーツ,黄色野菜,ナッツ,それに種子なども筋収縮の調整に役立ちます。全粒粉のパンやシリアルは,鉄やビタミンB複合体,特にB1を供給します。ビタミンB1は,炭水化物やたんぱく質や脂肪を,筋肉にとって必要なエネルギー源に変換する上で欠かせません。水を十分に飲むなら,電解質のバランスを保ちやすくなるだけでなく,筋肉の機能を妨げかねない乳酸その他の老廃物を流し去ることにもなります。

[22,23ページの囲み記事/図]

筋収縮の驚異

筋肉の動きは単純に見えるかもしれません。しかし,収縮の仕組みは畏怖の念を起こさせます。ジェラルド・H・ポーラック教授はこう述べています。「私は自然界の設計の美しさに畏怖の念を覚えるようになった。化学エネルギーから機械エネルギーへの変換が極めて巧みに ― 極めて理知的にと言いたいところだが ― 行なわれるので,驚嘆せずにはいられない」。

電子顕微鏡をのぞいて筋収縮の精巧な働きを観察し,創造者の手になる実に見事な設計について,さらに学ぶことにしましょう。

それぞれの筋細胞つまり筋線維は,実際には,平行に並んだ筋原線維と呼ばれる小さな線維が束になってできています。一つの筋原線維には幾千もの細い筋フィラメントが含まれています。太めの筋フィラメントもあれば細めのものもあります。太めのほうはミオシン,細めのほうはアクチンを含んでいます。それらのたんぱく質は筋細胞が収縮するのを助けます。

それぞれの筋線維の表面には穴が開いていて,脊椎から枝分かれした神経線維の先端がその穴の中に収まっています。脳が命令を発信し,情報が中枢神経系の無数の神経細胞を介して神経終末に伝わると,筋肉は勢いよく動き始めます。それぞれの神経終末が刺激されると,100余りの小胞が開いて化学物質が放出され,それが筋細胞の細胞膜に接触すると,神経の刺激は増幅されます。こうして電気的活動が波のように広がって筋細胞全体を興奮させ,それが細胞膜に働きかけ,荷電されたカルシウム・イオンを放出させます。これでいよいよ,収縮という機械的な過程が始まります。

ここでカルシウム・イオンが細い管のネットワークを通じて筋線維全体に広がり,様々なたんぱく質に接するようになります。カルシウムがそれらのたんぱく質に作用すると,細い軸状のアクチン・フィラメントの表面にある保護されたたんぱく質部位が,どういうわけかむき出しに,つまりあらわになります。

同時に,太いミオシン・フィラメントから突き出ている二つ一組の丸い突起が活動を始めます。それらの頭には,ATPと呼ばれる高エネルギー化合物が付与されています。ミオシン・フィラメントの頭の突起の一つはアクチン・フィラメントのあらわになった活性部位の一つと結合し,架け橋を作ります。もう一方の突起はATPを分解してエネルギーを放出し,橋がミオシン・フィラメントの横か上にアクチン・フィラメントを引っ張る,あるいはスライドさせるのを可能にします。ミオシンの頭は,手を交互に動かして綱を手繰り寄せるチームのように,アクチンの軸を握ったり離したりしながら,アクチン・フィラメントをミオシン・フィラメントの中心にどんどん引き寄せます。この動作は,収縮が完了するまで繰り返されます。この一連の連鎖反応には,わずか数百分の1秒しかかかりません。

収縮が完了すると,カルシウムは筋細胞の細胞膜にある元の場所に戻り,アクチン・フィラメントの軸の,あらわになった部位は再び覆われ,筋線維は次の刺激が来るまで弛緩します。そうです,『わたしたちは畏怖の念を起こさせるまでにくすしく造られているのです』。―詩編 139:14。

[図]

(正式に組んだものについては出版物を参照)

筋肉は,実際には幾つもの層からなる束ねられた線維

太い筋フィラメントと細い筋フィラメント(大きく拡大)

筋原線維

筋原線維の束

筋線維

筋肉

[21ページの図版]

(二倍に拡大)

最も小さな筋肉は,耳の中にある最小の骨に付着している

笑顔を作るだけでも14の筋肉が必要

筋肉のおかげで毎日2万回余りまばたきすることができる

[24ページの図版]

心臓の筋肉は1分間に約72回収縮と弛緩を繰り返す,一生で言えば,平均26億回

無酸素運動

[20ページの図版のクレジット]

Man, p. 20; eye, p. 21; heart, p. 24: The Complete Encyclopedia of Illustration/J. G. Heck

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