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『啓示された事柄はわたしたちに属する』ものみの塔 1986 | 5月15日
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10 エホバがご自身を啓示されるための新たな経路とは何でしたか。
10 この新たな経路とは何でしたか。パウロはそれが何であるかをエフェソスの人々に明らかにし,「きわめて多様な神の知恵が,今や会衆を通して知らされるためであって,それは,キリスト,すなわちわたしたちの主イエスに関連して神がお立てになったとこしえの目的にかなうところでした」と書きました。(エフェソス 3:10,11)そうです,新たに「啓示された事柄」を託されたのは,西暦33年のペンテコステの日に誕生したクリスチャン会衆でした。油そそがれたクリスチャンたちは一つのグループとして,時に応じて霊的な食物を備えるよう任命された「忠実で思慮深い奴隷」として奉仕しました。(マタイ 24:45)クリスチャンは今や「神の神聖な奥義の家令」となったのです。―コリント第一 4:1。
11,12 この新たな経路を通してなされたすばらしい啓示にはどのようなものがありますか。
11 それら新しい「神聖な奥義」の中心にあったのは,約束の胤であるイエス・キリストが登場したという事実です。(ガラテア 3:16)イエスは人類を支配する権利を持つ者,つまり「シロ」であり,エホバはその者を,やがてこの地に楽園を回復する王国の王として任命されました。(イザヤ 11:1-9。ルカ 1:31-33)イエスはエホバの任命された大祭司でもあり,人類の贖いとしてご自身の傷のない完全な命を与えましたが,それは血の神聖さに関する原則を最もすばらしい形で適用することでした。(ヘブライ 7:26; 9:26)その後,信仰を持つ人々は,アダムが失った人間としての完全な命を再び得るという希望を得ています。―ヨハネ第一 2:1,2。
12 この約束の胤は仲介者でもあり,古い律法契約に取って代わった,自分の追随者と天のみ父との間の新しい契約を発効させました。(ヘブライ 8:10-13; 9:15)羽がはえそろったばかりのクリスチャン会衆はこの新しい契約に基づいて肉のイスラエル国民に取って代わり,霊的イスラエル,つまりイエスと共なる「アブラハムの[霊的な]胤」,また「啓示された事柄」の家令となりました。(ガラテア 3:29; 6:16。ペテロ第一 2:9)さらに,ユダヤ人には思いも及ばないことでしたが,その新しい霊的イスラエルの一部となるよう異邦人が招かれました!(ローマ 2:28,29)ユダヤ人であるかないかにかかわらず,霊的イスラエル人には,共に全地でイエスの弟子を作るという任務が与えられました。(マタイ 28:19,20)このようにして,「啓示された事柄」は国際的な性格を帯びるようになりました。
13 これらの新しい「啓示された事柄」は,どのように将来の世代のために保存されましたか。
13 そのうちに,クリスチャン会衆を通して「啓示された[これらの]事柄」は,クリスチャン・ギリシャ語聖書の27冊の書物に記録されるようになり,それが霊感による聖書の正典を完結するものとなりました。しかし,これらの書物にもやはり,幾世紀もたたなければ十分に理解できない,エホバの目的に関する数々の預言が埋め込まれていました。聖書の筆者たちはやはり,実際は,まだ生まれていない世代の人々に仕えていたのです。
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『啓示された事柄はわたしたちに属する』ものみの塔 1986 | 5月15日
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16 エホバの現代の経路となってきたのはだれですか。
16 神の王国はユダヤ人から取られ,「その実を生み出す国民に与えられる」と,イエスは言われました。(マタイ 21:43)1世紀の場合,その国民とは霊的イスラエルの,まだ歴史の浅いクリスチャン会衆でした。今日,その初期の会衆に似た実を生み出しているグループが一つだけあります。それらの霊的イスラエル人は,マタイ 24章45節から47節に記されている「忠実で思慮深い奴隷」級の成員です。終わりの日のそれらのクリスチャンは,1世紀のクリスチャンと同様,『自分たちの光を輝かせる』ことを恐れていません。(マタイ 5:14-16)彼らは1919年から,証しのために王国の良いたよりを全世界で宣べ伝える業の責任を勇敢に担ってきました。(マタイ 24:14)そして神の王国の実を生み出してきたため,エホバは「きわめて多様な神の知恵」の最新情報を与えることにより,彼らを豊かに祝福してこられました。―エフェソス 3:10。
17,18 エホバはご自分の現代の経路を通して,どのように漸進的な理解が得られるようにしてくださいましたか。
17 例えば1923年には,羊とやぎに関するイエスの偉大な預言の正しい理解が与えられ,全世界は裁きのもとにあることが明確になりました。(マタイ 25:31-46)1925年,地上の神の僕たちは啓示 12章に関する正確な理解を得るようになり,1914年という際立った年に生じた事柄の厳密な意味を認識することができました。1932年,彼らの理解は一段と深められました。ユダヤ人が回復させられ,エルサレムに戻ることに関連した預言は,長いこと不忠実を示して捨て去られた肉のイスラエルにではなく,霊的イスラエル,つまりクリスチャン会衆に言及したものであることをエホバが啓示されたのです。(ローマ 2:28,29)次いで1935年には,啓示 7章にある「大群衆」に関するヨハネの幻の理解が正され,油そそがれた者たちは,依然として自分たちの前に置かれている大々的な集める業に対して目を開かれました。―啓示 7:9-17。
18 これを契機として,ようやく「地にあるもの」を真剣に集める業が開始され,全地球的な宣べ伝える業がせきを切ったように行なわれることになりました。(エフェソス 1:10)ヨーロッパで戦争の気配が濃くなってきた1939年,中立の問題がかつてないほど明確にされました。1950年には,イザヤ 32章1節と2節の「君たち」の実体がよりはっきりと示され,1962年には「啓示された事柄」を通して,「上位の権威」が正確に何を意味するかということや,それらの権威とクリスチャンとのふさわしい関係が一層明確に理解されました。(ローマ 13:1,2)その後1965年には,地的な復活とその益にあずかる人々についてより明快な理解が与えられました。―ヨハネ 5:28,29。
19 エホバの「奴隷」級は今日どのように神の言葉の保管者としてふさわしい者であることを証明してきましたか。
19 それに加えて,この20世紀の油そそがれたクリスチャンの会衆は,「啓示された事柄」を文字にしてそれを編纂したもの,つまり聖書の保管者としてふさわしい者であることを証明してきました。この会衆の代表的な成員は,聖書を現代英語に翻訳する責任をも担い,「新世界訳聖書」はこれまでに11の言語で発行され,4,000万部が印刷されました。この油そそがれたクリスチャンの「奴隷」級は国際的な教育プログラムにおいても先頭に立ち,聖書に基づいた教科書や雑誌を出版しています。また,毎週の集会や定期的に開かれる大会,種々の学校などを組織していますが,それらはみな,真理を探求する人々が,「啓示された事柄」に関する正確な知識を得られるように助けることを目的としています。まさに「義人たち」は今,霊的な意味で「太陽のように明るく輝(き)」,自分たちが家令の職に値することを証明しています。―マタイ 13:43。
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