「わたしとわたしの家の者とはエホバに仕えます」
1 『聞くことに速く,語ることに遅く,憤ることに遅くありなさい』。(ヤコ 1:19)ここに,子供との有意義な意思の疎通を図るための肝要な要素を見いだせます。子供が話す時,親は本当に耳を傾けなければならないということです。本当に聞くことには,一心に聞くことが関係しています。
2 親は子供が話している事柄に気持ちを集中できるよう自分を訓練しなければなりません。ある母親は「わたしは,話の聴き方,心で聴く術を身につける必要がありました」と語りました。子供の顔を見てください。親の目がさまよっているなら,本当は関心がないと感じさせることになるでしょう。お子さんはほほえんでいますか,それとも眉をひそめていますか。どのように答えるかを心配する必要はありません。集中して聞いていれば,答え方はおのずと分かってきます。集会の割り当ての準備や食事の支度などが中断するとしても,お子さんが話し掛ける時には,ぜひ時間を取り,話し合いに応じてください。どうしても中断できないときには,話し合う時間を明確に告げ,その約束を必ず守ってください。―「目ざめよ!」誌,1997年8月8日号,8ページ,7節; 1994年12月8日,11ページ,3-8節。
3 子供が話す事柄に対する親の反応も重要です。例えば,お子さんが話をした後,「そんなことなの? もっと大切なことかと思った」とか「お前はいつもそうだ……」といった類の,無思慮で突き刺すような言葉や,子供の顔を見もせず,気のない生返事で済ますといったことは絶対に避けなければなりません。(箴 12:18)あなたも,だれかから高飛車な言い方をされたり,自分の考えを嘲笑されたりするならば,例えば「こんなことも分からないの」などと言われたなら,その人に再び自分の心を打ち明けようと思うでしょうか。話し終えるや否や,説教が始まったり,本当の気持ちを知らせたなら怒られることが分かっていたりするなら,子供は自分の気持ちを話さなくなるでしょう。子供は世の友人の中に話し相手を求めるようになるかもしれません。耳を傾ける時には「霊を冷静に保つ」よう努力しなければなりません。(箴 17:27)厳しい返事やけなすような言い方,そして気のない態度によって事態が改善されることは決してないのです。―「目ざめよ!」誌,1990年1月22日号,17ページ,1節。「ものみの塔」誌,1982年5月1日号,17ページ,4節。
4 親は子供が自分の本心を,それがいかに厄介なものであろうと,安心して打ち明けられるような環境を作る努力をする必要があります。こうした事柄を実践するには,親の側に普通以上の努力と辛抱強さ,そして自制が求められます。しかし,それによって思春期に挑戦となるコミュニケーション・ギャップを克服し,家族としてエホバに仕えることができるならその努力は十分に報われるのではないでしょうか。時間をとってお子さんの良い聞き手となり,同時にお子さんの話に親切に思慮深く反応するようにしましょう。エホバはその努力を豊かに祝福してくださるに違いありません。―ヨシュ 24:15。「目ざめよ!」誌,1997年8月8日号,9,10ページ。