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ふさわしい休止神権宣教学校の教育から益を得る
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考えの変化を示すための休止。一つの要点から別の要点に移行する時,休止を置けば,聴衆は黙考し,思いを整え,方向が変わることを意識し,次に話される考えを一層明確に把握できます。一つの考えから別の考えに変わる時に休止することは,街角を曲がる時に減速するのと同じほど重要です。
ある話し手が,一つの考えから次の考えに移るときに休止しないで急いでしまう理由の一つは,あまりに多くの資料を扱おうとしていることにあります。ある人たちの場合,そうした癖は,普段の話し方の反映です。周りの人が皆,同じような話し方をしているのかもしれません。しかしそれでは,効果的に教えることができません。聞く価値,また記憶する価値のある事柄を述べるのであれば,その考えをくっきり目立たせるための間を取ってください。考えのはっきり伝わる話をするためには,休止が基本的に重要である,ということを認めましょう。
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ふさわしい休止神権宣教学校の教育から益を得る
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強調のための休止。強調のための休止は,多くの場合,劇的な休止です。つまり,ある程度の迫力をこめた陳述または質問の前か後に置かれる休止です。そのような休止があると,聴衆は述べられた事柄を黙考することができ,次に話されることへの期待を抱きます。前に置く休止と後に置く休止は同じではありません。どちらの方法を使うのがふさわしいか,判断してください。しかし,強調のための休止は,本当に重要な陳述にしか使わない,ということを覚えておきましょう。すべての陳述に使うと,重要な陳述の価値が薄れてしまいます。
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ふさわしい休止神権宣教学校の教育から益を得る
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状況に応じて必要とされる休止。妨げとなるものが生じて,話の途中で休止せざるを得ない場合もあります。野外宣教で会った家の人との会話も,そばを通る車の騒音や子どもの泣き声のために中断しなければならないこともあります。
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ふさわしい休止神権宣教学校の教育から益を得る
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言うまでもなく,演壇から話すときだけでなく,他の人に証言しているときにも,休止は重要です。全く休止しないように思える人もいます。それがあなたの問題なら,話のこの特質を培うよう真剣に努力してください。そうすれば,野外での宣教の効果はもちろん,他の人との意思の疎通も改善されるでしょう。休止とは一瞬の沈黙です。沈黙は思考の句切りをつけ,強調の感じを出し,注意を喚起し,聴こうという気持ちにならせる,と言われてきました。確かにそのとおりです。
日常の会話では,相互に考えを交わします。人は,話を聴いてもらい,自分の言うことに関心を示してもらうと,相手の話にも耳を傾けたいと思うようになります。このためには,話しながら十分に休止を入れて,相手の人が自分の考えも言い表わせるようにすることが必要です。
野外宣教での証言も,概して会話の形で行なうほうが効果的です。多くのエホバの証人は,あいさつを交わした後,何について話すかを決めてから,何か質問を投げかけるとよいことに気づいています。答えてもらえるように休止し,家の人の述べた事柄に応じます。話し合いのあいだ,家の人に何度も意見を述べてもらうとよいでしょう。話し合っている事柄について相手の見方が分かれば,大抵は援助しやすくなるのです。―箴 20:5。
もちろん,質問に対してすべての人が好意的に答えるわけではありません。しかしイエスは,そのようなときでも,十分に長い間を置き,反対する人たちにも話す機会を与えました。(マル 3:1-5)話す機会を与えると,相手は考えるよう促され,結果として心にあるものを明らかにするかもしれません。実際,わたしたちの宣教の目的の一つは,神の言葉に基づく重要な争点を人々の前に提示して,心からの反応を引き出すことです。人々はそれらの争点に関してどうするかを決めなければならないのです。―ヘブ 4:12。
宣教奉仕において休止をふさわしく用いることは,まさしく一つの技術です。休止を効果的に用いれば,考えは一層明確に伝わり,大抵は長く記憶にとどまるのです。
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