あなたは偏見を乗り越えて真理を調べますか
「親の輸血拒否で子供が死亡」。昨年6月,川崎市で起きた交通事故による一人の男の子の死は,このような見出しで全国に報道されました。その前の月に日本のエホバの証人の数は10万人を超えましたが,サタンはこの事件をエホバの証人に対する反感をあおる絶好の機会とみなし,人々に偏見を植え付けようとしました。『子供が死んでかわいそう』というごく自然の感情を利用して,神の言葉の「良いたより」に対して人々を盲目にならせようとしたのです。―コリント第二 4:4。
しかし,真実を知りたいと考える人々は,そのような報道に接しても事実を確かめます。偏見に満ちた報道という土の中に埋められた真理の宝を探し出すために,その人たちは偏ぱのない気持ちで真理を調べました。―マタイ 13:44。
「そのような新興宗教はやめてしまえ!」
この事件の報道に接した山形県の小林さんは,エホバの証人と聖書研究をしていた妻にこう申し渡しました。あなたはこのように言われたらどうしますか。
「どうしてよいか分からず,『主人に説明してほしい』と,研究司会者を通して会衆の兄弟(エホバの証人の男子)に頼みました」と奥さんは話しています。ご主人の言うなりになって,すぐに聖書研究をやめるのではなく,エホバの証人が輸血を拒否する理由を分かってもらおうとしたのです。
その日の午後,ご主人はエホバの証人と会い,医学的な面からも説明を受け,輸血は最善の治療法ではないことを幾らか理解しました。話し合いは聖書の預言や人間の起源にまで発展し,その結果ご主人も聖書研究を始めることに同意しました。
この夫婦はその後どうなりましたか。今年の8月,仙台市で開かれた,エホバの証人の「神の平和」地域大会で二人そろってバプテスマを受け,血の神聖さを尊ばれるエホバ神への献身を公に表明しました。
「宗教って恐ろしい」
旭川市に住む村上さん夫婦は,エホバの証人の輸血拒否を伝える報道に接してこのように話し合っていました。マスコミの偏った報道のために,「子供を見殺しにする」宗教と見ていたのです。
しかしこの夫婦は,「ノストラダムスの大予言」という本を読んで,世界の状態が年々取り返しのつかない方向へ,つまり破滅へと向かっていると感じていました。そこへ昨年の9月,ご主人の職場を一人の婦人が訪れ,「これから地球はどうなると思いますか」と尋ねたのです。
「もうだめなんじゃないでしょうか」と村上さんが答えると,「そうなんです」という言葉と共に聖書が開かれ,邪悪な世が破滅すること,しかし人類が全滅するわけではないことが示されました。その婦人はエホバの証人でした。
その後,幾度か訪問を受け,聖書のすばらしい希望を知らされ,村上さんはそれを受け入れるかどうか1か月ほど悩みました。そのことを妻に話すと,自分たちで聖書を読んでみようということになりました。しかし,聖書を求めてはみたものの,読んでいる聖句の意味が理解できません。そこで二日後,夫婦は聖書研究に応じることにしました。輸血拒否について反感を抱いていたのになぜエホバの証人との研究に応じたのでしょうか。
村上さんの奥さんはこう語っています。「聖書研究を勧めてくださったエホバの証人が裏表のない,本当に清楚で,にこやかな,感じのよい方だったので,主人も私も『このような人が輸血をしないならばきっとそれなりの理由があるに違いない』と思いました」。
研究が進み,聖書の言葉を生活に当てはめた結果,「私たちの家族は,聖書の真理を学ぶ以前とは打って変わって,本当に幸福で一致した家族になりました」と村上さんは語っています。
真実を知ることにより,ノストラダムスの大予言の示すような人類の破滅に対する病的な恐れも消え,二人は血に関する神の見方を全くためらうことなく受け入れることができました。そして今年の夏,釧路市で開かれた「神の平和」地域大会で二人そろって水のバプテスマにより神への献身を公に表明したのです。
この二組の夫婦は,偏見を乗り越えて真理を受け入れた多くの誠実な人々のほんの一部の例にすぎません。聖書の真理は『人を自由にする』のです。―ヨハネ 8:32。