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宗教はどれほど若い人の関心を引いていますか目ざめよ! 1998 | 8月8日
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宗教はどれほど若い人の関心を引いていますか
フランスの「目ざめよ!」通信員
それは,75万人の若者の聴衆にとって,幸福感にひたる夕べになるはずでした。旗を振り,歌を歌い,拍手をします。レーザー光線と花火が空中を走り,ミュージシャンは観客を沸かせます。「巨大即席ディスコ」そっくりの雰囲気です。最後に,おおげさな称賛の叫びと共に,観客が待ちわびていた一人の男性がステージに登場しました。
ロックバンドの世界ツアーが始まったのでしょうか。いいえ,これはパリで行なわれた宗教的な大集会で,カトリック・ワールド・ユース・デイの期間中に行なわれたものです。ステージの男性はほかならぬヨハネ・パウロ2世その人でした。
若い人が,こうした宗教的フェスティバルに関心を持つのを奇妙に思う人もいるかもしれません。しかし最近マスメディアは,若者の間で見られる宗教の復興について取り上げています。
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宗教はどれほど若い人の関心を引いていますか目ざめよ! 1998 | 8月8日
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若者を求める宗教
諸教派は,若者を引き付けるのは一つの課題だと感じています。フランスの一司祭は,パリで行なわれたカトリック・ワールド・ユース・デイ・フェスティバルに集まった群衆に向かってこう尋ねています。「これらの若者はどこから来たのでしょうか。わたしの教会には若者が一人もいません。見たこともありません」。若者の注意を引き付けて離さないようにするために,カトリック教会は音信の伝え方とイメージを変えなければならなくなっています。
「教会はスタイルを変えた」と,フランスの新聞「ル・フィガロ」は,はっきり述べました。パリで行なわれた,第12回ワールド・ユース・デイ・フェスティバルのために,教会はロックコンサートの準備に詳しい経験者を雇い,音信の伝え方に気を配るようにしました。100か国以上からやって来た若者を楽しませるため,300以上のショーが上演され,僧職者のためには,特注のデザイナーブランドの服が備えられました。
最近の若者を理解できず,彼らに合わせる必要を感じている多くの宗教は,多様な対応のできる信仰になってきました。この方法を反映して,パリのワールド・ユース・デイ・フェスティバルを組織した僧職者ミシェル・デュボーは,こう言いました。「もちろん,洗礼を受けた人すべてがキリストに対し忠実であってほしいと思いますが,もしそうでなくても,教会内にその人の居場所はあるのです」。
答えを求める若者
現実に,若者は答えを求めています。ある新聞は,パリでの宗教的フェスティバルへの若者の出席を,「信仰の表明というよりは,信仰を求める叫びだった」と描写しました。そのような叫びに,カトリック教会からの答えがあったでしょうか。
あるカトリックの新聞が大規模な宗教的フェスティバルの「光の幻想」と呼んだ覆いをはずすか,その中に目を凝らすかすると,何が残るでしょうか。フランスのル・モンド紙は,表面だけで,「実質的な中身がない」と批評しました。
音信の伝え方も大切ですが,食べ物には栄養がなくてはなりません。人生の目的に関する若者たちの疑問には,霊的に栄養分の高い答えが必要です。はなやかでも,中身のない返答では,若者は満足しないでしょう。
実質的なものが欠けている,そのような宗教的イベントは,今日の若者に後々まで影響を及ぼす何かがあるのでしょうか。フランスの社会学者ダニエール・エルビュー-レジェは,「こうした大々的な催し物が,社会に永続する効果を上げる見込みはほとんどない」と述べています。では一体,どこで若者は,疑問に対する納得のいく答えを見つけられるのでしょうか。
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パリで行なわれた宗教的フェスティバルは,何万人もの若者を引き付けた
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パリのワールド・ユース・デイ ― 本物の宗教復興?
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