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愚かな判断ミスが引き起こした世界大戦目ざめよ! 2009 | 8月
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もう一つの危険要素は,ドイツの「シュリーフェン計画」でした。ドイツ軍参謀総長のアルフレート・フォン・シュリーフェン将軍にちなんで命名された,電撃的な先制攻撃を含む計画で,ドイツはフランス・ロシア両国と戦わねばならないという想定に基づいて立案されたものです。したがって,ロシアが動員にもたついている間にすばやくフランスを打ち破り,次いでロシアを攻撃する,というのが目標でした。「ひとたび[シュリーフェン]計画が始動すると,軍事同盟体制のゆえに,ヨーロッパでの全面戦争はほぼ回避不能になった」とワールドブック百科事典(英語)は述べています。
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愚かな判断ミスが引き起こした世界大戦目ざめよ! 2009 | 8月
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ロシア皇帝は,ロシアはドイツに対してはいささかの企みも持っていない,ということをドイツ皇帝に納得させようとします。それでも,ロシアの動員によってドイツの戦争計画はフル稼働し始め,ドイツは7月31日に「シュリーフェン計画」を実行に移し,8月1日にはロシアに,その2日後にはフランスに対して宣戦を布告しました。ドイツの戦争計画にはベルギーを通過する進軍が含まれていたため,イギリスは,もしドイツがベルギーの中立を侵害するようなことがあればドイツに対して宣戦を布告する,と通告しました。しかし,ドイツ軍は8月4日に国境を越えてベルギーに入ります。ついに賽は投げられたのです。
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