-
ほかにどんな恩恵を神から受けていますかものみの塔 1987 | 5月15日
-
-
光と希望の源
2,000年ほど昔に類のない一人の男児が生まれました。なぜ類がないかと言えば,その男児の母親は人間のマリアで,父親は神ご自身だったからです。『そんなことはあり得ない』と言う人たちもいるでしょう。しかし,妊娠という仕組みを最初に造られた方,すべての複雑な生命体の造り主にとって,それは不可能なことではありません。その幼子は成長して完全な「人間キリスト・イエス」になりました。―テモテ第一 2:5。マタイ 1:18-25。
その誕生は新時代を画するものでした。事実,ほとんどの国はそのことを認めていて,キリスト以前の時代の歴史的な出来事に日付を入れるときにはB.C. ― キリスト前 ― とします。それでもイエスの若いころの生活は,ナザレにあった養父の家で大工の仕事を手伝う静かな生活でした。30年が経過しました。イエスはヨルダン川で,神のご意志を行なうべく身を差し出してバプテスマを受け,神の聖霊がイエスの上に下りました。(マタイ 3:13-17)次いでイエスは,ダイナミックな宣教運動を開始されます。イザヤが預言していたように,「闇に座する民は大いなる光を見」ました。―マタイ 4:14-17。イザヤ 9:2。
イエスは古今を通じて最も有名で,最も多くの人々に尊敬される教師になられました。人間の教師で,人類にこれほど強力な感化を与え,これほど多くの霊的光と希望を与えた人はほかにいません。イエスの教科書は何でしたか。それは当時の教科書であった聖書 ― ヘブライ語聖書,つまり“旧約聖書”― でした。聖書はイエスによって生きてきました。多くの古い預言がイエスにおいて成就しました。(ミカ 5:2とマタイ 2:3-6とを比較してください。)イエスは人間の起源に関する創世記の記録を確証されました。(創世記 2:24。マタイ 19:3-6)また,神の王国によるエホバの立証という聖書の主題を取り上げ,敷衍し,遠く,広く広められました。(マタイ 4:23; 6:10)そのうえ,クリスチャン・ギリシャ語聖書つまり“新約聖書”の大きな部分は,キリストの生涯と業の記録で占められています。確かに聖書は神からのすばらしい贈り物,薄暗く悲しい状態の世界の中で明るく輝く光です。―詩編 119:105。
-
-
ほかにどんな恩恵を神から受けていますかものみの塔 1987 | 5月15日
-
-
アダムを通して死が全人類に臨みました。アダムは完全な人間でしたから,アダムが失ったものを贖う,つまり買い戻すには,もう一人の完全な人間が必要とされました。イエス・キリストはその必要を満たし,「だれでも彼に信仰を働かせる者が滅ぼされないで,永遠の命を持てるように」,ご自分の命を与えられたのです。―ヨハネ 3:16。
この贖いの備えは,人間への神の最大の贈り物で,生き残って新しい世へはいる人たちだけでなく,復活する人々にも適用されます。あまりにもすばらしすぎますか。イエスは言われました。「このことを驚き怪しんではなりません。記念の墓の中にいる者がみな,彼の声を聞いて出て来る時が来ようとしているのです。良いことを行なった者は命の復活へ,いとうべきことを習わしにした者は裁きの復活へと出て来るのです」。胸が躍るのを感じませんか。ハルマゲドン生存者にとってそれはどんなに大きな喜びとなることでしょう。死人の中からよみがえる愛する者たちを迎えることができるのです。―ヨハネ 5:28,29。
何という喜ばしい見込みと希望があるのでしょう。これもみな,愛に富まれる創造者エホバが,その愛するみ子イエスを通して備えてくださったのです。
-