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死にゆくサンゴ礁 ― 人間の責任?目ざめよ! 1996 | 9月22日
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サンゴ礁は普通,場所により水温が摂氏25度から29度の海域に成育します。しかし,サンゴが健康であるために必要な水温の範囲は狭く,致命的な水温に近接しています。夏に水温が例年の最高水温よりほんの一,二度高くなるだけでも,サンゴにとっては命取りになります。局地的なサンゴの白化と死滅に関しては,様々な原因が確認されていますが,世界共通の原因は地球の温暖化ではないかと多くの科学者は考えています。サイエンティフィック・アメリカン誌はこの結論について次のように伝えています。「サンゴの白化に関する1987年の報告は,地球温暖化に関する懸念の高まりと時を同じくしていた。したがって,サンゴ礁は炭鉱内のカナリアのような役目をしている,つまり地球の海水の温度上昇をいち早く示すものだという結論を出した科学者や観測者がいたのも不思議ではなかった。海水の温度の局地的上昇で白化が生じたように見えるが,白化と地球の温暖化との関連は,今の時点では明確ではない」。
US・ニューズ・アンド・ワールド・リポート誌は,「最近行なわれたカリブ海に関する調査で,異常に暖かい海が最近のサンゴの白化を引き起こしているという仮説は裏づけられた」と述べています。世界サンゴ礁連合の責任者トマス・J・ゴーローは悲観的な口調で,サンゴ礁の窮状をアマゾンの熱帯雨林の減少に例え,「熱帯雨林の一部は今後50年は残っているだろう。しかし,サンゴ礁は今の速度で死滅してゆくなら,とてもそんなに長くはもたないだろう」と語りました。
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死にゆくサンゴ礁 ― 人間の責任?目ざめよ! 1996 | 9月22日
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深刻なその白化は,1980年代に生じた全般的な温暖化がサンゴ礁に大きな影響を与えた可能性があることを示しており,もし温室効果によってさらに水温が上がれば,サンゴ礁の未来がどうなるかをも予告しているのかもしれない。不幸にして,地球の温暖化と環境悪化はほぼ確実に続き,一層深刻になり,全世界の白化の周期は速まるものと思われる」。
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