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『王国を第一に求める』エホバの証人 ― 神の王国をふれ告げる人々
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『心をつくしてエホバに依り頼む』
クロード・グッドマンは,『心をつくしてエホバに依り頼み,自分の理解に頼らない』ことを決意したので,クリスチャンの福音宣明者として,世俗の事業の好機ではなく聖書文書頒布者<コルポーター>の奉仕を選びました。(箴言 3:5,6)彼は真理を学ぶ時に援助を受けたロナルド・ティピンと共に,英国で1年余り聖書文書頒布者<コルポーター>として奉仕しました。それから1929年に,二人はインドに行くことにしました。c こうして,大きな難問が二人に突きつけられました。
その後何年もの間,二人は徒歩や旅客列車やバスだけでなく,貨物列車,牛車,ラクダ,サンパン(小舟),人力車,さらには飛行機や私有の列車などでも旅行しました。時には,駅の待合室,家畜小屋,ジャングルの草むら,牛糞にまみれた小屋の床などに寝袋を広げたこともあれば,豪華なホテルやラージャ(王侯)の宮殿に泊まった時もありました。二人は使徒パウロのように,乏しい時にもあふれるほど豊かな時にも満足する秘訣を学び取りました。(フィリピ 4:12,13)大抵,高価な物はほとんど持っていませんでしたが,本当に必要な物がなかったことは一度もありませんでした。二人は,王国と神の義をいつも第一に求めるなら,生活で必要な物は備えられるというイエスの約束が果たされるのを身をもって体験しました。
デング熱,マラリア,腸チフスといった重い病気にもかかりましたが,仲間の証人たちが愛情をこめて看護してくれました。カルカッタなどの薄汚れた都会で奉仕したこともあれば,セイロン(現在の名称はスリランカ)の山岳地にあるお茶の大農園で証言したこともありました。人々の霊的な必要を満たすため,文書を提供したり,地元の言語のレコードをかけたり,講演を行なったりしました。仕事が増えてゆくと,クロードは印刷機の操作の仕方や,協会の支部事務所の仕事の扱い方も覚えました。
彼は生涯の87年目に,イギリス,インド,パキスタン,セイロン,ビルマ(現在のミャンマー),マラヤ,タイ,オーストラリアでエホバに奉仕した波乱に富んだ人生を振り返ることができました。独身の若者としても,夫や父親としても,いつも生活の中で王国を第一にしました。彼はバプテスマを受けてから2年足らずで全時間奉仕を始め,それ以降その奉仕を自分の生涯の仕事とみなしました。
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『王国を第一に求める』エホバの証人 ― 神の王国をふれ告げる人々
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[288ページの囲み記事/図版]
「九人はどこにいるのですか」
1928年のキリストの死の記念式で,「九人はどこにいるのですか」と題するパンフレットが出席者全員に配られました。クロード・グッドマンは,ルカ 17章11節から19節に関するその説明に感動し,聖書文書頒布者<コルポーター>,つまり開拓者の活動を始め,その奉仕をたゆまず続けたいと思うようになりました。
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『王国を第一に求める』エホバの証人 ― 神の王国をふれ告げる人々
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[288ページの図版]
クロード・グッドマンは全時間宣教の生涯を送り,インドや他の7か国で奉仕した
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