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イエス,しっかり従うべき手本ものみの塔 1986 | 12月1日
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8 その数行後でペテロは巧みな例を持ち出し,こう述べています。「善を行なって苦しみに遭っているとき,あなた方がそれを耐え忍ぶなら,それは神にとって喜ばしいことなのです。事実,あなた方はこうした道に召されたのです。キリストでさえあなた方のために苦しみを受け,あなた方がその歩みにしっかり付いて来るよう手本を残されたからです」。(ペテロ第一 2:20,21)「手本」,あるいは他の多くの翻訳では「模範」と訳されているギリシャ語はヒュポグランモスです。この語は文字通りには「下に書いたもの」,もしくは「書き方を学習する際の助けとして,初心者にあてがわれる,すべてのアルファベット文字を含む,写すために書いたもの」を意味しています。(J・H・セア著,「新約聖書希英辞典」)例えば教師は,蝋を塗った板に手本となる形の文字を尖筆で書き,それを男子生徒に与えることがありました。生徒はその模範に従い,その下に正確な写しを作らなければなりませんでした。ペテロはここで強力に要点を述べています。ギリシャ語聖書の筆者の中ではペテロだけが,ヒュポグランモスという語を用いているからです。そうすることによりペテロは,イエスが追随者の見倣うべき完全な模範を残されたという事実を強調しているのです。
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イエス,しっかり従うべき手本ものみの塔 1986 | 12月1日
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[18ページの図版]
教師は上の行に手本を書き,生徒はその完全な写し(ヒュポグランモス)を作るように努力した
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