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バルバドス,西インド諸島1989 エホバの証人の年鑑
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彼らはあきらめなかった
宣教者たちが地元の環境に順応し,風土病に対してある程度の免疫ができるまで,しばらくの時間がかかりました。彼らの多くはあきらめることなく,任命地にとどまりました。
途中でやめることをせず,兄弟たちからたいへん愛されるようになった人の立派な例として,スベン・ヨハンソンがいます。彼とリチャード・ライドは1949年3月にグレナダで宣教者として奉仕するよう割り当てられました。スウェーデン出身のヨハンソン兄弟は,マラリア熱にかかった時のことを思い出します。その病気がどのようなものかを知らなかった兄弟は,風邪だと思い込み,独身として自分が知っていた最善の方法で治療を試みました。しかしついに,その病気が自分の想像した以上にずっと深刻なものであることに気づきました。兄弟は次のように記しています。「医師の手当てを受けたときは,手遅れの状態でした。みんなは私が死ぬものと考えました。私のパートナーである宣教者のリチャード・ライドは,葬儀の取り決めについてノア兄弟に手紙を書くことさえしました。ノア兄弟はすぐに返事を書いて,利用できる最善の治療が私に施されるのを見届けるよう,リチャードに指示しました。
「最終的に,私は生き延びました。すると今度は,私のパートナーが同様の病気にかかりました。私たちは共に同じ症状を何度も繰り返しました。あるときには二人とも病気になって,同時に寝込んだこともありました。どちらが起き上がって他方の世話をし,必要な家事を顧みるかを決めるため,よく体温を比較したものです。熱の高いほうは寝ていることができました。私たちは長年,この厄介で,繰り返し再発する熱と闘ってきました。私について言えば,治るまでに8年かかりました」。
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バルバドス,西インド諸島1989 エホバの証人の年鑑
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[173ページの図版]
リチャード・ライド(左)とスベン・ヨハンソンは宣教者として1949年にグレナダに遣わされた
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