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    ものみの塔 1997 | 1月1日
    • すべての者はエホバの栄光をたたえよ!

      「彼らは光の地方で必ずエホバの栄光を……たたえる」― イザヤ 24:15。

      1 エホバの預言者たちはエホバの名をどうみなしましたか。これは今日のキリスト教世界のどんな態度と対照的ですか。

      エホバ。これは神の輝かしい名です。昔の忠実な預言者たちは,その名によって語ることを大いに歓びました。彼らは歓喜を抱いて,主権者なる主エホバの栄光をたたえました。その名は,神が目的を持って行動する偉大な方であることを明らかにしています。(イザヤ 40:5。エレミヤ 10:6,10。エゼキエル 36:23)いわゆる小預言者たちでさえ,声を大にしてエホバに栄光を帰しました。その一人はハガイです。わずか38節しかないハガイ書の中に,神の名は35回用いられています。そのような預言は,エホバという貴重な名が“主”という称号に置き換えられると,精彩を欠いた響きになります。キリスト教世界の優秀な使徒たちは,自分たちの聖書翻訳の中で神の名をそのように訳しました。―コリント第二 11:5と比較してください。

      2,3 (イ)イスラエルの回復に関する一つの注目すべき預言はどのように成就しましたか。(ロ)ユダヤ人の残りの者とその友たちは,共にどんな喜びを味わいましたか。

      2 イザヤ 12章2節では,み名が2種類の表現形式で出ています。a 預言者イザヤはこう宣言します。「見よ,神はわたしの救い。わたしは信頼し,怖れない。ヤハ,エホバはわたしの力,わたしの偉力であり,わたしの救いとなってくださったからである」。(イザヤ 26:4もご覧ください。)この言葉により,ヤハ,エホバは,イスラエルがバビロンでの捕らわれから解放される約200年前に,ご自分の預言者イザヤを通して,ご自分が彼らの強大な救い主であることを保証しておられました。その捕らわれの状態は,西暦前607年から537年まで続くことになっていました。イザヤはまた,こう書きました。「わたし,エホバは,すべてのことを行ない,……キュロスについてこのように言う者,『彼はわたしの牧者であり,わたしの喜ぶことをすべて完全に成し遂げるであろう』と。すなわち,エルサレムについて,『彼女は建て直されるであろう』,神殿について,『あなたはその基を据えられるであろう』と言うわたしのことばをも」。このキュロスとはだれのことだったでしょうか。注目すべきことに,それはペルシャのキュロス王でした。西暦前539年にバビロンを征服した人です。―イザヤ 44:24,28。

      3 イザヤの記したエホバの言葉のとおり,キュロスは捕らわれのイスラエルに対して次のような布告を出しました。「すべてその民の者で,あなた方の中にいる者はだれでも,その神がその人と共にいてくださるように。それゆえ,その人はユダにあるエルサレムに上って行き,エルサレムにあったイスラエルの神エホバ ― この方はまことの神であられる ― の家を建て直すように」。この上なく幸せに感じたユダヤ人の残りの者は,イスラエル人ではないネティニム,およびソロモンの僕たちの子らと共に,エルサレムへの帰途に就きました。そして,西暦前537年の仮小屋の祭りを祝うために遅れることなく到着し,エホバの祭壇でエホバへの犠牲をささげました。そして翌年の第二の月には,わき上がる喜びとエホバへの賛美の大きな叫び声の中で,第二神殿の基礎を据えました。―エズラ 1:1-4; 2:1,2,43,55; 3:1-6,8,10-13。

      4 イザヤ 35章と55章はどのように現実となりましたか。

      4 回復に関するエホバの次の預言は,栄光のうちにイスラエルに成就することになっていました。「荒野と水のない地域とは歓喜し,砂漠平原は喜びに満ち,サフランのように花を咲かせる。……エホバの栄光,わたしたちの神の光輝を見る者たちがいるであろう」。「あなた方は歓びをもって出て行き,平安をもって導き入れられる……。山も丘も歓呼の声を上げてあなた方の前で快活にな(る)。そして,それはエホバにとって必ず名高いもの,定めのない時に至るまで存続する,切り断たれることのないしるしとなる」。―イザヤ 35:1,2; 55:12,13。

      5 イスラエルの喜びが長続きしなかったのはなぜですか。

      5 しかし,その喜びは長続きしませんでした。近隣の民が,神殿の建設のために信仰合同を求めてきました。ユダヤ人は初めのうち自分たちの立場を守り,こう宣言しました。「あなた方はわたしたちの神のために家を建てる点でわたしたちとは何のかかわりもありません。ペルシャの王,キュロス王がわたしたちに命じた通りに,わたしたちがイスラエルの神エホバのために一緒に建てるのですから」。それら隣人たちは,今度は強い反対者になりました。「絶えずユダの民の手を弱め,建てさせまいとして彼らの意気をくじき」ました。彼らはまた,その状況をキュロスの後継者アルタクセルクセスに偽り伝え,王は神殿の建造に関して禁令を出しました。(エズラ 4:1-24)その後17年間,業は停止しました。遺憾ながら,その間にユダヤ人は,物質主義的な生き方に陥ってしまいました。

      「万軍のエホバ」が語る

      6 (イ)エホバはイスラエルの状況にどう対応されましたか。(ロ)ハガイという名にはどんな意味が含まれていると考えられますか。

      6 それでもエホバは,ユダヤ人を自分たちの責任に目覚めさせるために預言者たち,特にハガイとゼカリヤを遣わすことにより,イスラエルのために『ご自分の力と偉力』を表わされました。ハガイという名には祭りとの関連があります。その名には,「祭りの時に生まれた」という意味があるものと思われるからです。ハガイは仮小屋の祭りの少し前に当たる第6の月の最初の日に預言し始めました。その祭りの時には,ユダヤ人は「ただ喜びに満ちる」ことを求められました。(申命記 16:15)エホバはハガイを通して,112日の間に四つの音信を伝えました。―ハガイ 1:1; 2:1,10,20。

      7 わたしたちにとって,ハガイの初めの言葉はどのように励みとなるはずですか。

      7 ハガイは預言を語るに当たり,「万軍のエホバはこのように言われた」と述べました。(ハガイ 1:2前半)その「万軍」とはだれのことなのでしょうか。それは聖書の中で軍勢と呼ばれていることもある,エホバのみ使いの大軍のことです。(ヨブ 1:6; 2:1。詩編 103:20,21。マタイ 26:53)今日のわたしたちにとって,主権者なる主エホバご自身が,地に真の崇拝を回復させるわたしたちの業を導くためにそれら無敵の天の勢力を用いておられるというのは,励みではないでしょうか。―列王第二 6:15-17と比較してください。

      8 イスラエルはどんな見方に影響されていましたか。それはどんな結果を招きましたか。

      8 ハガイの伝えた最初の音信はどんな内容だったでしょうか。民はこう言っていました。「時は来ていない。エホバの家,それが建てられる時は来ていない」。神の崇拝の回復を意味する神殿の建設は,もはや彼らの第一の関心事ではありませんでした。彼らは自分自身のために宮殿のような家を建てることに取りかかっていました。物質主義的な見方のために,エホバの崇拝に対する熱意が薄れていました。その結果,エホバからの祝福はなくなっていました。畑はもはや肥沃ではなくなり,寒さの厳しい冬に着る衣服にも事欠きました。収入も乏しくなっており,まるで穴だらけの袋にお金を入れているかのようでした。―ハガイ 1:2後半-6。

      9 エホバはどんな強い,築き上げる訓戒をお与えになりましたか。

      9 エホバは,「あなた方は自分の道に心を留めよ」という強い訓戒を二度お与えになりました。明らかに,エルサレムの総督ゼルバベルと大祭司ヨシュアbはそれにこたえ応じ,民全員を「その神エホバの声,また預言者ハガイの言葉に聴き従うよう」雄々しく励ましました。「その神エホバが彼を遣わしたからで(す)。そして民はエホバのゆえに恐れを抱くようにな(り)」ました。その上,「エホバの使者ハガイは,エホバからの使者としての務めにしたがい,さらに民に話してこう言った。『「わたしはあなた方と共にいる」と,エホバはお告げになる』」。―ハガイ 1:5,7-14。

      10 エホバはご自分の力をイスラエルのためにどのようにお用いになりましたか。

      10 エルサレムにいた一部の老人は,再建された神殿の栄光が以前の神殿のそれと比べれば「無に等しい」と考えていました。しかし,およそ51日後,エホバはハガイを動かして二つ目の音信を宣明させました。ハガイはこうふれ告げました。「『ゼルバベルよ,強くあれ』と,エホバはお告げになる。『大祭司エホツァダクの子ヨシュアよ,強くあれ。そして,この地のすべての民も強くあれ』と,エホバはお告げになる。『そして,働け。わたしはあなた方と共にいるからである』と,万軍のエホバはお告げになる。『……恐れてはいけない』」。いずれその全能の力によって『天と地を激動させる』ことになっていたエホバは,皇帝の発した禁令も含め,反対すべてが確実に除かれるようにされました。それから5年もしないうちに,神殿の建造は立派に成し遂げられました。―ハガイ 2:3-6。

      11 神は第二神殿をどのように『より大いなる栄光』で満たされましたか。

      11 その時,注目すべきこの約束が果たされました。「『あらゆる国民のうちの望ましいものが必ず入って来る。わたしはこの家を栄光で満たす』と,万軍のエホバは言われた」。(ハガイ 2:7)この「望ましいもの」とは,その神殿がエホバの威厳ある臨在の栄光を反映するときにそこで崇拝するようになる,イスラエル人ではない人々のことでした。この再建された神殿は,ソロモンの時代に建設された神殿に比べてどうだったでしょうか。神の預言者はこう宣言しました。「『この,後の家の栄光は,先のものより大いなるものとなる』と,万軍のエホバは言われた」。(ハガイ 2:9)この預言の最初の成就として,再建された神殿は最初のものより長く存続しました。西暦29年にメシアが登場した時にもまだ立っていたのです。それに,メシア自身も,背教者である敵たちの手にかかって西暦33年に殺害される時まで,そこで真理を宣べ伝えることにより,その神殿に栄光をもたらしました。

      12 最初の二つの神殿はどんな目的を果たしましたか。

      12 エルサレムにあった第一および第二神殿は,メシアの祭司としての奉仕の重要な特色をあらかじめ示す点で,またメシアが実際に登場する時まで地上にエホバの清い崇拝を存続させる点で極めて重要な目的を果たしました。―ヘブライ 10:1。

      栄光ある霊的神殿

      13 (イ)西暦29年から33年までの間に,霊的神殿に関してどんな出来事がありましたか。(ロ)物事がそのように進展してゆくうえで,イエスの贖いの犠牲はどんな肝要な役割を演じましたか。

      13 回復に関するハガイの預言には,もっと後の時代にかかわる特別な意味があるのでしょうか。確かに,あります。エルサレムの再建された神殿は,地上における真の崇拝すべての焦点となりました。しかしその神殿は,栄光の点ではるかに勝る霊的神殿を予表していたのです。この霊的神殿は,イエスがヨルダン川でバプテスマを受けた時,エホバがイエスに油をそそいで大祭司とし,聖霊がはとのようにイエスの上に下った西暦29年に機能し始めました。(マタイ 3:16)イエスは犠牲としての死によって地上での宣教を終えた後に,神殿の至聖所によって表わされていた天に復活し,そこでご自分の犠牲の価値をエホバに差し出しました。これが贖いとなり,イエスの弟子たちの罪は覆われ,また西暦33年のペンテコステの日に,彼らをエホバの霊的神殿で仕える従属の祭司として油そそぐための道が開かれました。彼らは地上の神殿の中庭で死に至るまで忠実に宣教奉仕を行なうとき,将来,天に復活することができ,祭司となって引きつづき奉仕するのです。

      14 (イ)初期のクリスチャン会衆の熱心な活動にはどんな喜びが伴いましたか。(ロ)この歓びが長続きしなかったのはなぜですか。

      14 幾千人もの悔い改めたユダヤ人 ― そして後には異邦人 ― が,群れを成してそのクリスチャン会衆に集まり,地に対する神の来たるべき王国支配についての良いたよりを宣明する業に加わりました。およそ30年後,使徒パウロは,良いたよりが「天下の全創造物の中で」宣べ伝えられた,と言明することができました。(コロサイ 1:23)しかし,使徒たちの死後すぐに大規模な背教が始まり,真理の光が消え始めました。純粋のキリスト教は,異教の教えや哲学に基づくキリスト教世界の分派主義に覆い隠されてしまいました。―使徒 20:29,30。

      15,16 (イ)預言は1914年にどのように成就しましたか。(ロ)19世紀の後期と20世紀の初期には,おもにどんな取り入れの業が行なわれましたか。

      15 幾世紀もの年月が経過しました。そうして1870年代になって,一群の誠実なクリスチャンが聖書の深い研究を行なうようになりました。彼らは聖書から,1914年を「諸国民の定められた時」が終結する年として正確に指摘することができました。その年に,地のメシアなる王としての「法的権利」を持つ方であるキリスト・イエスが天で即位されることにより,七つの象徴的な「時」(2,520年にわたる獣のような人間の支配)が終わったのです。(ルカ 21:24。エゼキエル 21:26,27。ダニエル 4:25)今日エホバの証人として知られているそれら聖書研究者たちは,特に1919年以来,やがて到来する王国についての良いたよりを全地に広める業に精力的に携わってきました。1919年当時は,数千人の人が,米国オハイオ州シーダーポイントの大会で発せられた行動への呼びかけにこたえました。そしてその人数は増えてゆき,1935年には5万6,153人が野外奉仕を報告しました。その年には5万2,465人が,年に一度のイエスの死の記念式で表象物のパンとぶどう酒にあずかることにより,エホバの偉大な霊的神殿の天の部分でキリスト・イエスと共に仕える祭司となるという希望を抱いていることを象徴的に示しました。彼らは,エホバのメシアによる王国で仲間の王としてもイエスと共に仕えることになっています。―ルカ 22:29,30。ローマ 8:15-17。

      16 しかし,啓示 7章4節から8節,および14章1節から4節の示すところによれば,それら油そそがれたクリスチャンの総数は14万4,000人に限定されており,その内の多くの人は西暦1世紀の期間中,大規模な背教が始まる前に集められました。エホバは19世紀の終わりから20世紀にかけて,このグループの人々,つまりみ言葉という水で清められ,イエスの贖いの犠牲に対する信仰によって義と宣せられ,最終的に油そそがれたクリスチャンとして証印を押されて総勢14万4,000人になる人々を集める業を完了してこられました。

      17 (イ)1930年代以来,どんな取り入れの業が進行してきましたか。(ロ)ここでヨハネ 3章30節が興味を引くのはなぜですか。(ルカ 7:28もご覧ください。)

      17 油そそがれた者たち全員が選ばれたあと,続いて何が生じるでしょうか。1935年,米国ワシントン特別区で開かれた画期的な大会で,啓示 7章9節から17節の「大群衆」は14万4,000人の「後」に認知される人々のグループであり,このグループのために定められているのは楽園となる地上での永遠の命である,ということが知らされました。「ほかの羊」の一人として地上に復活する,バプテスマを施す人ヨハネは,油そそがれたイエスがどういう方であるかをはっきり知った後,メシアについてこう述べました。「あの方は増し加わってゆき,わたしは減ってゆかねばなりません」。(ヨハネ 1:29; 3:30; 10:16。マタイ 11:11)人々をメシアの弟子となるよう備えさせる,バプテスマを施す人ヨハネの業は,終わろうとしていました。そのころにはイエスが14万4,000人の成員となる人々を選び出す業を引き継ぎ,その人数は増加していたのです。1930年代には,その逆転が起きました。14万4,000人の中に「召され,選ばれた」人の数は次第に減少してゆく一方,「ほかの羊」の「大群衆」の人数が非常な勢いで増加しはじめました。この大群衆はその後も,世の邪悪な体制がハルマゲドンでの終わりに近づくにつれ,増大し続けています。―啓示 17:14後半。

      18 (イ)「現存する万民は決して死することなし」と,確信を持って期待できるのはなぜですか。(ロ)ひたむきな態度でハガイ 2章4節に留意すべきなのはなぜですか。

      18 1920年代の初めごろエホバの証人が特別に宣伝して行なった公開講演は,「現存する万民は決して死することなし」と題するものでした。この主題は,当時の楽観的な色彩の濃い見方を反映していたかもしれません。しかし,今日その言葉は,十分の確信を持って述べることができます。聖書の預言に関する増し加わる光と,滅びに向かうこの世界の混乱状態は共に,サタンの体制の終わりが非常に近いことの強力な証拠です。1996年の記念式の報告によれば,1,292万1,933人が出席し,その内の8,757人(0.068%)だけが表象物にあずかることにより自分の天的な希望を表明しました。真の崇拝の回復は完了の時が近づいています。しかし,決してその業の手を緩めないようにしましょう。そうです,ハガイ 2章4節はこう述べているのです。「『この地のすべての民も強くあれ』と,エホバはお告げになる。『そして,働け。わたしはあなた方と共にいるからである』と,万軍のエホバはお告げになる」。わたしたちは,物質主義や世的な事柄のどんな圧力に面してもエホバの業に対する熱心さを薄れさせたりはしない,という決意を抱きたいものです。―ヨハネ第一 2:15-17。

      19 わたしたちはハガイ 2章6,7節の成就にどのようにあずかれますか。

      19 わたしたちがハガイ 2章6,7節の現代の成就にあずかる特権を得ているのは,喜ばしいことです。「万軍のエホバはこのように言われたのである。『あと一度 ― それはしばらくのことであるが ― わたしは天と地と海と乾いた地とを激動させる。またわたしはあらゆる国民を激動させる。あらゆる国民のうちの望ましいものが必ず入って来る。わたしはこの家を栄光で満たす』と,万軍のエホバは言われた」。この20世紀の世界には至る所に,貪欲,不正行為,憎しみなどが見られます。世界は確かに終わりの日にあり,エホバはご自分の証人たちに『ご自分の復しゅうの日をふれ告げ』させることにより,世界をすでに「激動させ」始めておられます。(イザヤ 61:2)前触れとも言えるこの激動は世界がハルマゲドンで滅びる時に最高潮を迎えますが,その時に至る前の今,エホバはご自分に対する奉仕のために「あらゆる国民のうちの望ましいもの」,すなわち地の柔和な,羊のような人々を選び出しておられます。(ヨハネ 6:44)この「大群衆」は今,神の崇拝の家の地上の中庭で「神聖な奉仕をささげて」います。―啓示 7:9,15。

      20 最も貴重な宝はどこにありますか。

      20 エホバの霊的神殿での奉仕は,物質のどんな宝より貴重な利得をもたらします。(箴言 2:1-6; 3:13,14。マタイ 6:19-21)さらに,ハガイ 2章9節はこう述べています。「『この,後の家の栄光は,先のものより大いなるものとなる』と,万軍のエホバは言われた。『そして,この所にわたしは平和を与える』と,万軍のエホバはお告げになる」。この言葉には,今日のわたしたちにとってどんな意味があるでしょうか。次の記事はそれに答えます。

  • エホバの家の,より大いなる栄光
    ものみの塔 1997 | 1月1日
    • エホバの家の,より大いなる栄光

      「『わたしはこの家を栄光で満たす』と,万軍のエホバは言われた」― ハガイ 2:7。

      1 聖霊は信仰と業にどのように関連していますか。

      あるエホバの証人は,家から家へ伝道していた時,ペンテコステ派の教会員である女性に会いました。その女性は,『私たちは聖霊を持っています。でも,あなた方は業を行なう人です』と言いました。それに対し適切にも,聖霊を持っている人は当然,神の業を行なおうという気になるはずであることが説明されました。ヤコブ 2章17節は,「信仰も,業が伴っていないなら,それだけでは死んでいるのです」と述べています。エホバの証人はエホバの霊の助けを得て,強い信仰を培ってきました。それでエホバは,証人たちを義にかなった業 ― 主として,『王国のこの良いたよりを,あらゆる国民に対する証しのために,人の住む全地で宣べ伝える』業 ― に専心させることにより,『ご自分の家を栄光で満たして』こられました。この業がエホバの満足のゆくまで行なわれたなら,『その時,終わりが来ます』。―マタイ 24:14。

      2 (イ)エホバの業に没頭すれば,どんな祝福にあずかれますか。(ロ)事が一見『遅れている』ように思えても,それを喜ぶべきなのはなぜですか。

      2 イエスのそうした言葉からも察しがつくように,今日のわたしたちの業は,ゆだねられている「幸福な神の栄光ある良いたより」を他の人に宣べ伝えることが中心になっていなければなりません。(テモテ第一 1:11)エホバへの奉仕に喜んで没頭していればいるほど,終わりが早く来るように思えることでしょう。ハバクク 2章2,3節には,次のようなエホバの言葉が記されています。「この幻を書き記し,それを書き板の上にはっきりしたためて,朗読する者がそれを流ちょうに読めるようにせよ。この幻はなお定めの時のためのものであり,終わりに向かって息をはずませてゆくからである。それは偽ることはない。たとえ遅れようとも,それを待ちつづけよ。それは必ず起きるからである。遅くなることはない」。そうです,「この幻」は,「たとえ遅れようとも」,そのとおりに実現します。それで,イエスの王国支配の83年目を迎えているわたしたちは今まさに遅れの期間を経験しているのだ,と考える人もあるかもしれません。しかしわたしたちは,終わりがまだ来ていないことを喜ぶべきではないでしょうか。1990年代のこの10年間に,東ヨーロッパやアフリカの一部や他の国々では,良いたよりの伝道に課されていた制限が,奇跡的とも思えるほど不意に解かれました。一見『遅れている』ように思える今の状況は,最近開かれたそれらの区域からさらに多くの「羊」を集めるための時間を与えてくれているのです。―ヨハネ 10:16。

      3 わたしたちは「この世代」に関する最新の理解により,緊急感を抱いて神の業に携わるよう鼓舞されるはずですが,それはなぜですか。

      3 「遅くなることはない」と,預言者は述べています。イエスは,「これらのすべての事が起こる」まで現在の邪悪な世代は過ぎ去らない,と言われました。(マタイ 24:34)イエスのこの言葉についてのわたしたちの最新の理解によれば,宣べ伝える活動はそれほど急を要していないということでしょうか。a 諸事実は,全くその逆であることを示しています。今のこの世代は,歴史上類例のない邪悪な腐敗した状態へと急速に進んでいます。(使徒 2:40と比較してください。)わたしたちは緊急感を抱いて業に携わっているべきです。(テモテ第二 4:2)大患難の時期に関する預言はすべて,大患難が突然に,突如として,ひそかに ― 盗人のように ― 来ることを示しています。(テサロニケ第一 5:1-4。啓示 3:3; 16:15)「このゆえに,あなた方も用意のできていることを示しなさい。あなた方の思わぬ時刻に人の子は来るからです」。(マタイ 24:44)人類の,神を信じないこの世代は今にも滅びに陥りそうな状態にあるのですから,わたしたちは,とこしえの命という貴重な希望を投げ捨ててまで,再び以前のように世の気晴らしという「泥の中で転げ回(り)」たいとは決して思わないはずです。―ペテロ第二 2:22; 3:10。ルカ 21:32-36。

      4 どんな状況のゆえに『時に応じた食物』の供給を増すことが必要になってきましたか。この必要はどのように満たされてきましたか。

      4 イエスの預言どおり,1914年,人類が「事物の体制の終結」の期間に入ると,「苦しみの劇痛(が)始まり」ました。悲しみの種となる事柄,破滅的な出来事,不法などが,今日に至るまで増加の一途をたどってきました。(マタイ 24:3-8,12)それと同じ時にエホバは,油そそがれた忠実で思慮深い奴隷級に,彼らの主人であるキリストの家の者たちのために『時に応じた[霊的な]食物』を備える務めを与えてこられました。(マタイ 24:45-47)メシアであるこの王は今,天のその王座から全地にわたる驚嘆すべき霊的給食プログラムを指導しておられます。

      豊富な「食糧」

      5 「食物」の基本を成すものにはどんな注意が向けられていますか。

      5 「食糧」の準備について考えてみてください。(ルカ 12:42)クリスチャンの献立の基本を成すものは神の言葉聖書です。聖書を効果的に教えるためにまず必要なのは,読みやすくて正確な翻訳です。この必要は,とりわけ英語の「クリスチャン・ギリシャ語聖書 新世界訳」が刊行された1950年以降,漸進的に満たされてきました。1961年には聖書全巻の「新世界訳」が入手できるようになり,すぐに他の主要な言語の版も発行されました。1996奉仕年度には新たに3巻が刊行され,これで合計は27になります。その内の14は全訳聖書です。聖書ならびに聖書の手引き書に関するこうした仕事を扱うために,現在,1,174人ほどの献身したクリスチャンが77の国や地域で全時間,翻訳関係の仕事をしています。

      6 協会は聖書関係の出版物に対する需要をどのように満たしてきましたか。

      6 ものみの塔協会の支部のうち印刷を行なう24の支部は,そのような大勢の翻訳者の働きを支持して数々の出版物を生産してきましたが,その量は増大しつづけています。そのため,主要な支部では引きつづき高速輪転印刷機が追加され,据えつけられています。「ものみの塔」誌と「目ざめよ!」誌の生産量は月を追って増加し,両誌の発行部数は合計9億4,389万2,500部に上っています。これは年間13.4%の増加に相当します。米国,ブラジル,フィンランド,ドイツ,イタリア,日本,韓国,およびメキシコだけでも,生産された聖書や堅表紙の書籍の総数は,1995年に比べ40%増加して,1996年には7,676万98冊になりました。他の支部も文書の生産の全体的な増加に多大の貢献をしています。

      7 イザヤ 54章2節は,今どのように一層の緊急感を帯びていますか。

      7 そうした増加の多くは,1990年代になってから,東ヨーロッパやアフリカでエホバの証人に課されていた制限が解かれたことにより,必要になってきました。それらの地域には霊的食物を渇望する人が大勢いるのです。そのため,一層の緊急感をもって次の呼びかけがなされています。「あなたの天幕の場所をもっと広くせよ。そして,彼らにあなたの壮大な幕屋の天幕布を張り伸ばさせよ。ためらうな。あなたの天幕の綱を長くし,あなたのその天幕用留め杭を強くせよ」― イザヤ 54:2。

      8 呼びかけにこたえるどんな寛大な行為は,金銭的支援を与える助けになっていますか。

      8 そのようなわけで,協会の104の支部のうち多くの支部では施設を拡張する必要が生じてきました。最近新たに開かれた区域はほとんどが経済状態の悪い所であり,そうした施設拡張のための費用はかなりの部分がより裕福な国々からの世界的な業に対する寄付によって賄われています。幸いなことに,会衆も個々の人も,心をこめてその必要にこたえ応じてきました。皆,出エジプト記 35章21節の霊を持っているのです。こう記されています。「そののち彼ら,すべてその心に促された者たちがやって来た。すべてその霊に鼓舞された者たちが,……仕事のため……エホバへの寄進物を携えて来た」。わたしたちはこの機会に,そうした寛大に与えることに寄与してこられた皆さんに感謝いたします。―コリント第二 9:11。

      9 ローマ 10章13,18節は今日どのように成就していますか。

      9 1996年中,ものみの塔協会の出版物は,実際,地の果てにまでエホバのみ名と目的の栄光をたたえてきました。使徒パウロが予告していたとおりです。パウロはヨエルの預言と詩編 19編を引用して,こう書きました。「『エホバの名を呼び求める者はみな救われる』のです。しかしながら,わたしは言います。彼らは聞かなかったわけではないでしょう。実に,『その音は全地へ出て行き,その発言は人の住む地の果てにまで行った』のです」。(ローマ 10:13,18)エホバの民は,そのようにしてエホバという貴いみ名をほめたたえることにより,エホバの崇拝の家を栄光で満たす点で重要な役割を果たしてきました。それにしても,このふれ告げる業は,特に1996年中,どのように推し進められたでしょうか。どうぞ,18ページから21ページまでの表をご覧ください。

      世界中で収穫する

      10 あなたは,18ページから21ページの表にまとめられている,エホバの民の活動のどんな際立った点に注目しますか。

      10 ルカ 10章2節に記されているイエスの次の言葉が今ほど大きな意味を帯びたことはありません。「確かに,収穫は大きいですが,働き人は少ないのです。それゆえ,収穫に働き人を遣わしてくださるよう収穫の主人にお願いしなさい」。あなたはその呼びかけにこたえ応じておられますか。全地で幾百万人もの人々がこたえ応じています。この点は,1996年中,野外奉仕を報告した王国伝道者が,新最高数の541万3,769人であったことに実証されています。それに,新たな兄弟姉妹36万6,579人がバプテスマを受けました。わたしたちはこれら「あらゆる国民のうちの望ましいもの」をまさに貴重な存在と考えます。彼らは今や『エホバの崇拝の家を栄光で満たす』ことに寄与しているのです。―ハガイ 2:7。

      11 わたしたち皆が大いに喜べるのはなぜですか。

      11 最近新たに開かれた畑で生じている拡大についての報告には,まさに目を見張らせるものがあります。わたしたちのうち他の畑にいる人たちは,そのような増加に今あずかっている人たちをねたましく思うでしょうか。いいえ,それどころか,一緒に歓びます。どの国でも業の始まりは小さなものでした。ハガイと同時代の預言者,ゼカリヤは,「小さな事の日を侮ったのはだれであろうか」と書きました。(ゼカリヤ 4:10)わたしたちは,証しの業が十分に確立されている国々に今や幾百万人もの王国伝道者がいて,区域は奉仕で頻繁に回られており,多くの大都市では毎週回られている所さえあることを大いに喜んでいます。わたしたちは,かつて恵まれなかった地域に今エホバが救いの機会を差し伸べておられるのに,手を緩めてよいでしょうか。いいえ,そのようなことはありません。「畑は世界です」と,イエスは言われました。(マタイ 13:38)引きつづき徹底的な証しを行なわなければなりません。それは初期の弟子たちがユダヤ人の事物の体制の終結の時に徹底的な証しを行なったのと同じです。―使徒 2:40; 10:42; 20:24; 28:23。

      とどまることなく前進する

      12 わたしたちには「まっすぐに前進」するためのどんな励みがありますか。(「『地の果てから』収穫する」と題する囲み記事もご覧ください。)

      12 そうです,わたしたちはペースを落とすことなく,み使いたちから成るエホバの天の兵車と共に「まっすぐに前進」しなければなりません。(エゼキエル 1:12)わたしたちはペテロの次の言葉を念頭に置きます。「エホバはご自分の約束に関し,ある人々が遅さについて考えるような意味で遅いのではありません。むしろ,ひとりも滅ぼされることなく,すべての者が悔い改めに至ることを望まれるので,あなた方に対して辛抱しておられるのです」。(ペテロ第二 3:9)経済的に貧しい国々にいる兄弟たちの模範的な熱心さを励みにしましょう。一見ハルマゲドンの勃発が遅れているように思えるとしても,そのおかげでそれらの国々で何十万という人々が,またよく奉仕されている区域でも大勢の人々が集められているのです。思い違いをしてはなりません。「エホバの大いなる日は近い。それは近い。しかも非常に急いでやって来る」のです。(ゼパニヤ 1:14)わたしたちも,最後の徹底的な証しを急いで行なうべきです。

      13,14 (イ)1996年中の出版物の頒布数については何と言えますか。(ロ)諸会衆では毎年どんな特別の計画が立てられるかもしれませんか。あなたはどのような形で参加するつもりですか。

      13 奉仕に関する表に詳細な事柄は出ていませんが,昨年中,聖書,書籍,および雑誌の頒布に著しい増加が見られました。例えば,全世界での雑誌配布は19%増加し,全部で5億4,366万7,923冊が配布されました。わたしたちの雑誌は,街路で,公園で,バス停で,ビジネス街でと,融通を利かせなければならない伝道に向いています。報告の示すところによると,王国伝道が頻繁になされている一部の区域では,知的職業に就いている人々がわたしたちの雑誌の質に感銘を受けて,聖書研究の勧めに応じています。

      14 毎年4月には諸会衆で,普通,特別な雑誌活動が組織され,家から家への,また公共の場所での丸1日のキャンペーンが繰り広げられます。あなたの会衆でも1997年4月にこの活動がありますか。これまで「ものみの塔」誌と「目ざめよ!」誌の4月号は際立ったものが準備されてきました。それらを全世界で一斉に提供するこの活動は,きっと人々に強い印象を与えるはずです。キプロス島では諸会衆が,「可能な限りすべての人に王国の音信を伝える」というスローガンを掲げ,そのような計画された雑誌配布の業を毎月予定どおりに行なった結果,昨年は27万5,359冊という新最高数になりました。これは54%の増加でした。

      ハガイの最後の音信

      15 (イ)エホバがハガイを通してさらに音信を送られたのはなぜですか。(ロ)ハガイの伝えた3番目の音信はわたしたちにとってどんな教訓となりますか。

      15 ハガイが2番目の音信を伝えてから63日後,エホバはハガイを遣わして3番目の宣言を布告させました。わたしたちは今日その宣言を心にしっかり銘記することができます。ハガイは,あたかもユダヤ人がそのとき神殿の基礎を据えている途中であるかのような表現を使って話しました。実際には,その17年前に据えられていました。エホバはこの時もまた,清めを実施するのがよいとご覧になりました。祭司も民も,緩慢になっており,そのため,エホバから見れば汚れていたのです。今日,エホバの民の中で一部の人々が,手を緩め,さらには自由放任の物質主義的な世の風潮に染まっている,ということがあるでしょうか。わたしたちのうちだれにとっても,「この日より後,わたしは祝福を与えるであろう」というエホバの約束に確信を抱いて,「この日以後」エホバの名に栄光をもたらすことに心を留めるのは急務です。―ハガイ 2:10-19。ヘブライ 6:11,12。

      16 間もなくどんな「激動」が生じますか。どんな結果になりますか。

      16 その同じ日に,「万軍のエホバ」の言葉がハガイに臨みました。4番目で最後の音信です。エホバは『天と地を激動させる』ことに何が関係するかを知らせ,こう言われました。「わたしは必ずもろもろの王国の王座を覆し,諸国民の王国の力を滅ぼし尽くす。わたしは兵車とその乗り手とを覆す。馬とその乗り手とは,各々その兄弟の剣によって倒れることになる」。(ハガイ 2:6,21,22)「激動」はこうして,エホバがハルマゲドンにおいて地を完全に清める時に,頂点に達します。その時にはすでに「あらゆる国民のうちの望ましいもの」が入って来ており,新しい世の人間社会の中核を成しているのです。ですから,歓び,エホバを賛美するのは当然ではないでしょうか。―ハガイ 2:7。啓示 19:6,7; 21:1-4。

      17 イエスはどのように「印章指輪」として据えられてきましたか。

      17 ハガイは,預言の結びにこう書いています。「『その日に』と,万軍のエホバはお告げになる,『わたしはあなたを召す,……ゼルバベルよ。……わたしは必ずあなたを印章指輪として据える。あなたはわたしが選んだ者だからである』と,万軍のエホバはお告げになる」。(ハガイ 2:23)キリスト・イエスは今やエホバの対型的なメシアなる王,また大祭司であり,地上のエルサレムで総督ゼルバベルと大祭司ヨシュアがそれぞれ果たしていた職務を天で兼任しておられます。イエスはエホバの右手にはめられている公務用の印章指輪のように,多くの「神の約束」を実現させる際のエホバの道具として,「はい」となってきた方です。(コリント第二 1:20。エフェソス 3:10,11。啓示 19:10)聖書の預言的な音信すべては,王として,また祭司である贖い主としてのキリストというエホバの備えに焦点を合わせています。―ヨハネ 18:37。ペテロ第一 1:18,19。

      18 結びの部分に記されている『万軍のエホバのお告げ』はどのようにすがすがしい成就を見ますか。

      18 最大の栄光は,まさに今この時代に,エホバの輝かしい霊的神殿のうちに見られることになっています。そして間もなく,エホバがサタンの体制すべてを一掃したあと,「『この所にわたしは平和を与える』と,万軍のエホバはお告げになる」というハガイ 2章9節がさらに一層喜ばしい成就を見ます。ついに平和が訪れます。エホバの「印章指輪」,すなわち「平和の君」キリスト・イエスによって保証された,永続する宇宙的な平和です。そのイエスについてはこう書かれているのです。「君としてのその豊かな支配と平和に終わりはない。……実に万軍のエホバの熱心がこれを行なう」。(イザヤ 9:6,7)エホバの崇拝の家の栄光は,エホバの宇宙主権の平和な領域全体にとこしえまで限りなく反映されることでしょう。わたしたちがその家にいつまでもとどまっていられますように。―詩編 27:4; 65:4; 84:10。

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