ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 「全ての男性の頭はキリストで[す]」
    ものみの塔(研究用)2021 | 2月
    • 研究記事5

      「全ての男性の頭はキリストで[す]」

      「全ての男性の頭はキリストで[す]」。コリント第一 11:3

      12番の歌 エホバは賛美を受けるにふさわしい方

      何を学ぶかa

      1. 妻や子供に対する男性の接し方は,多くの場合,何の影響を受けますか。

      「頭」という言葉にはどんなイメージがありますか。家族の頭である男性が妻や子供にどう接するかは,多くの場合,伝統や文化や育った環境の影響を受けます。ヨーロッパに住んでいるヤニータ姉妹はこう言っています。「私が住んでいる地域の人々の心には,女性は男性よりも劣っていて召し使いと同じようなものだ,という考え方が染み付いています」。米国に住むルーク兄弟はこう言います。「父親が息子に,『女はおとなしくしていればいい。女の意見なんか聞く必要はない』と教えることがあります」。しかし,こうした考え方は,エホバが家族の頭に求めているものとは全く違います。(マルコ 7:13と比較。)では,男性はどうすれば家族の良い頭になることができるでしょうか。

      2. 家族の頭はどんなことを知っておく必要がありますか。なぜですか。

      2 男性が家族の良い頭になるには,エホバが頭に何を求めているかをまず知る必要があります。また,エホバが頭という立場を定めた理由や,エホバとイエスの手本に倣う方法を知る必要もあります。男性がこうしたことを知るのはなぜ大切でしょうか。家族の頭はエホバからある程度の権限を与えられていて,それをふさわしく用いるよう期待されているからです。(ルカ 12:48後半)

      頭であるとはどういうことか

      3. コリント第一 11章3節から,頭という立場についてどんなことが分かりますか。

      3 コリント第一 11:3を読む。この節には,エホバが自分の大きな家族をどのように組織しているかが描かれています。「頭」であることには,2つの重要な要素が関係しています。権限と責任です。エホバは頭であり,誰よりも高い地位におられます。そして,天使や人間は皆,神の子供です。それで,神から何かの権限を与えられている場合,その用い方についてエホバから責任を問われることになります。(ロマ 14:10。エフェ 3:14,15)イエスは,会衆に対する権限をエホバから与えられていますが,会衆をどう扱うかについてエホバから責任を問われます。(コリ一 15:27)夫は,妻と子供に対する権限をエホバから与えられていますが,家族にどう接するかについてエホバとイエスから責任を問われます。(ペテ一 3:7)

      4. エホバとイエスにはどんな権限がありますか。

      4 エホバは家族の頭なので,子供たちのために決まりを作る権限があります。それを守るよう求める権限もあります。(イザ 33:22)同じように,イエスも会衆の頭なので,会衆のために決まりを作ってそれを守るよう求める権限があります。(ガラ 6:2。コロ 1:18-20)

      5. クリスチャンの家族の頭にはどんな権限がありますか。どんな条件がありますか。

      5 エホバやイエスと同じように,クリスチャンの家族の頭にも家族に関する決定をする権限が与えられています。(ロマ 7:2。エフェ 6:4)ただし,条件があります。例えば,決まりを作る時には,聖書の原則に沿ったものにする必要があります。(格 3:5,6)また家族の頭には,自分の家族ではない人のために決まりを作る権限はありません。(ロマ 14:4)子供たちは成長して家を出た後も父親に敬意を示す必要がありますが,父親には家を出た息子や娘に対する頭としての権限はありません。(マタ 19:5)

      エホバが頭という立場を定めたのはなぜか

      6. エホバが頭という立場を定めたのはなぜですか。

      6 エホバは自分の家族を愛しているので,頭という立場を定めました。これはエホバからの贈り物です。頭という立場があるおかげで,エホバの家族には平和と秩序が見られます。(コリ一 14:33,40)誰が頭かがはっきりしていないと,エホバの家族はばらばらになり,幸せではいられなくなるでしょう。誰が最終判断をし,誰が先頭に立って物事を進めていくかが,分からなくなってしまうからです。

      7. エフェソス 5章25,28節からすると,エホバは夫が妻にどのように接することを望んでいますか。

      7 神が定めた頭という立場がそれほど良いものであるなら,多くの女性が夫からひどい扱いを受けたり支配されたりしていると感じているのはなぜでしょうか。それは,多くの男性がエホバの定めた家族のための基準を無視して地元の文化や伝統に従っているからです。自分の欲望を満足させるために妻を虐待する人もいます。例えば,自尊心を高めたり自分の強さを示したりするために,妻を支配しようとするかもしれません。自分を愛するよう強制することはできなくても,恐れさせることはできると考え,その恐れを使って,妻を自分の言いなりにさせようとするのです。b しかし,こうした考え方や行動は全く間違っています。女性が受けるべき尊厳を奪い,エホバを不快にさせることになるからです。(エフェソス 5:25,28を読む。)

      家族の良い頭になるには

      8. 男性はどうすれば家族の良い頭になれますか。

      8 男性は,エホバとイエスに倣って頭としての権限を用いるなら,家族の良い頭になることができます。エホバとイエスの性質のうち2つを考えましょう。家族の頭は,妻や子どもに接する際,それらの性質をどのように示せるでしょうか。

      9. エホバはどのように謙遜さを示していますか。

      9 謙遜さ。エホバは誰よりも賢い方です。それでも,ご自分に仕える者たちの意見に耳を傾けます。(創 18:23,24,32)提案を求めることもあります。(王一 22:19-22)エホバは完全な方ですが,不完全な人間に完全さを求めることはしません。それどころか,ご自分に仕える人たちを助けてくださいます。(詩 113:6,7)聖書の中でも,エホバのことが「助ける方」と表現されています。(詩 27:9。ヘブ 13:6)ダビデ王も,自分が大きなことを成し遂げられたのはエホバが謙遜に助けてくれたからだ,と認めています。(サム二 22:36)

      10. イエスはどのように謙遜さを示しましたか。

      10 イエスの手本も考えてみましょう。イエスは,主また先生でしたが,弟子たちの足を洗いました。エホバがこの出来事を聖書に記録させたのはなぜでしょうか。家族の頭をはじめ,私たちが皆,イエスの手本に倣えるようにするためです。イエス自身こう言いました。「私はあなたたちのために模範を示しました。あなたたちも同じようにするためです」。(ヨハ 13:12-17)イエスは大きな権限を持っていましたが,仕えてもらうことを期待するのではなく,人に仕えました。(マタ 20:28)

      1. 夫が妻を手伝って,楽しそうに料理している。2. 同じ夫婦が,家族の崇拝を楽しそうに行っている。

      家族の頭は,家事を行ったり家族がエホバとの友情を築けるよう助けたりすることによって,謙遜さと愛を示せる。(11,13節を参照。)

      11. 家族の頭はエホバとイエスの謙遜さの手本から何を学べますか。

      11 学べること。家族の頭はいろいろな場面で謙遜さを示すことができます。例えば,妻や子供に完全さを期待しません。家族の意見に耳を傾けます。自分の考えとは違う意見でもそうします。米国に住むマーリー姉妹はこう言います。「主人と私は,いつも意見が合うというわけではありません。でも,主人は何かを決める前には必ず私の意見を聞いて,よく考えてくれます。それで,私のことを大切にしてくれているんだなと感じます」。また,謙遜な夫は家事を進んで行います。家事が女性の仕事と見なされている地域に住んでいるとしてもです。確かに,そうするのは簡単なことではありません。なぜでしょうか。レイチェル姉妹はこう言っています。「私が育ったところでは,夫が妻を手伝って皿を洗ったり家の掃除をしたりすると,近所の人や親戚から男らしくないと思われてしまいます。妻の言いなりになっていると思われるんです」。もしあなたの住んでいる地域でも同じような態度が見られるなら,イエスが弟子たちの足を洗ったことを思い出してください。足を洗うことは奴隷の仕事と見なされていたのに,そうしたのです。家族の良い頭は,自分のメンツよりも妻や子供の気持ちを大切にします。では,男性が家族の良い頭になるのに必要なもう1つの性質は何でしょうか。

      12. エホバとイエスが私たちを愛していることは,どんなことから分かりますか。

      12 愛。エホバはどんなことも愛の気持ちから行う方です。(ヨハ一 4:7,8)私たちを愛し,私たちと友になりたいと思っているので,聖書や組織を通して必要なものを与えてくださっています。また,私たちが愛されていることを実感して安心感を持てるようにしてくださいます。生活に必要なものについてはどうでしょうか。エホバは,「私たちが楽しむあらゆるものを豊かに与えてくださいます」。(テモ一 6:17)間違いをした人には矯正を与えますが,愛を示さなくなるということはありません。愛の気持ちから,私たちのためにイエスを贖いとしてくださいました。イエスも私たちを深く愛し,自分の命を与えてくれました。(ヨハ 3:16; 15:13)エホバとイエスは,自分に忠実な者たちを愛しています。その愛の絆が断ち切られることは決してありません。(ヨハ 13:1。ロマ 8:35,38,39)

      13. 家族の頭が妻や子供に愛を示すのが大切なのはなぜですか。(「結婚したばかりの男性が妻の敬意を得るには」という囲みも参照。)

      13 学べること。家族の頭がどんなことも愛の気持ちから行うのは,とても大切なことです。なぜでしょうか。使徒ヨハネによると,「自分が見ている兄弟[または家族]を愛さない人は,見たことがない神を愛することはできない」からです。(ヨハ一 4:11,20)家族を愛し,エホバとイエスに倣いたいと思っている男性は,家族がエホバとの友情を築けるように助け,安心感を持てるようにし,生活するのに必要なものを得られるようにします。(テモ一 5:8)また,子供を教え,矯正を与えます。そして,自分の決定が家族のためになり,エホバの良い評判につながるものになるように努力を続けます。家族の頭はどうすればこうした点でエホバとイエスに倣うことができるでしょうか。

      結婚したばかりの男性が妻の敬意を得るには

      • 自分と妻が「一体」であること,また,ほかの誰も(親も子供も長老たちも)この関係の一部ではないことを認める。(マタ 19:5)

      • 自分も妻もそれぞれの新しい役割に順応するのに時間がかかるということを忘れない。(ペテ一 3:7)

      • 妻を自分の母親と比較しない。(ガラ 6:4)

      • 聖書の原則に合わない文化や伝統に従うことを妻に期待しない。(格 3:5,6。マル 7:13)

      • 自分に従うよう要求したりしない。聖書にあるエホバの指示に従うことによって手本を示す。(コリ一 11:3)

      • 敬意を示すよう要求したりしない。敬意を示してもらえるような行動をする。(エフェ 5:25。ペテ一 5:3)

      家族の頭が行うべきこと

      14. 家族の頭は,家族がエホバとの友情を築けるよう助けるために何ができますか。

      14 家族がエホバとの友情を築けるように助ける。イエスは父エホバと同じように,弟子たちが強い信仰を保つことを願っていました。(マタ 5:3,6。マル 6:34)家族の頭も,家族が信仰を強く保てるよう助けることを最優先に考えます。(申 6:6-9)それで家族と一緒に,聖書を読んで研究し,集会に出席し,良い知らせを広め,エホバとの友情を深めていくよう努力します。

      15. 家族の頭は,家族が安心感を持てるようにするために何ができますか。

      15 家族が安心感を持てるようにする。エホバはイエスを愛していることを言葉で表現しました。(マタ 3:17)イエスも弟子たちを愛していることを言葉と行動で示しました。そして弟子たちも,愛していることをイエスに伝えました。(ヨハ 15:9,12,13; 21:16)家族の頭も同じように,妻や子供を愛していることを言葉や行動で示せます。例えば,一緒に聖書を研究できます。家族を愛し,大切に思い,感謝していることを言葉で伝えることもできます。ふさわしい時には,ほかの人もいるところで家族を褒めることができるでしょう。(格 31:28,29)

      兄弟が自動車整備工場で働いている。

      家族の頭は,エホバに喜んでいただくために,家族が生活するのに必要なものを得られるようにしなければならない。(16節を参照。)

      16. 家族の頭は,どんなこともする必要がありますか。どんな面で上手にバランスを取る必要がありますか。

      16 家族が生活するのに必要なものを得られるようにする。エホバはイスラエル人に,生きていくのに必要なものを与えました。イスラエル人が不従順になったために罰を受けていた間もです。(申 2:7; 29:5)エホバは現代の私たちにも,生きていくのに必要なものを与えてくださっています。(マタ 6:31-33; 7:11)イエスも,自分のもとに来た人たちに食べる物を与えました。(マタ 14:17-20)病気の人たちを治すこともしました。(マタ 4:24)家族の頭も,エホバに喜んでいただくためには,家族が生活するのに必要なものを得られるようにしなければなりません。しかし,上手にバランスを取る必要があります。家族を養うための仕事ばかり行うなら,家族がエホバとの友情を築いたり安心感を持ったりするよう助けることができなくなってしまうからです。

      17. エホバとイエスはどのように私たちを教え,矯正してくださいますか。

      17 家族を教える。エホバは,私たちのためを思って教え,矯正してくださいます。(ヘブ 12:7-9)イエスも,自分に従う人たちを愛情深く教えます。(ヨハ 15:14,15)イエスは何をすべきかはっきり言いますが,親切な方です。(マタ 20:24-28)そして,私たちが不完全で何度も間違いをすることを分かってくださっています。(マタ 26:41)

      18. 家族の良い頭はどんなことを忘れませんか。

      18 エホバとイエスに倣う家族の頭は,妻や子供が不完全であることを忘れません。妻や子供に「ひどく怒っ」たりはしません。(コロ 3:19)そうではなく,ガラテア 6章1節の原則を当てはめ,家族を「優しく正」します。自分も不完全であることを忘れません。イエスと同じように,手本で教えるのが一番良いということを理解しています。(ペテ一 2:21)

      19-20. 家族の頭は,何かを決める時,どのようにエホバとイエスに倣えますか。

      19 家族のことを考えて決定する。エホバはいつでも,自分の家族のためになる決定を下します。例えば,エホバが命を造ろうと思ったのは,自分のためではなく,私たちと生きる喜びを分け合いたいと思ったからです。私たちの罪を許すために独り子を与えてくださったのは,誰かに言われたからではありません。私たちのために,自分から進んでそうしてくださったのです。イエスも人のためになる決定をしました。(ロマ 15:3)とても疲れていた時にも,休むのではなく,大勢の人を教えました。(マル 6:31-34)

      20 家族の良い頭は,家族のために賢明な決定をすることが自分の責任の中でも特に難しいものであることをよく知っています。それで,そのことに真剣に取り組みます。何かを決める時には,自分勝手に考えたり感情に流されたりしないようにします。また,良い決定ができるように,進んでエホバに教えていただきます。c (格 2:6,7)そうするなら,自分ではなく家族のことを考えていることになります。(フィリ 2:4)

      21. 次の記事では,どんなことを考えますか。

      21 家族の頭は,エホバから難しい務めを託されています。そして,その務めの果たし方について,エホバから責任を問われます。それでも,エホバとイエスの手本に倣うよう真剣に取り組むなら,家族の良い頭になれます。そして,妻も自分の務めを果たすなら,結婚生活は幸せなものになります。では,妻は頭という立場をどう見るべきでしょうか。どんな点に難しさを感じることがありますか。次の記事では,こうした点を考えます。

  • 「女性の頭は男性で[す]」
    ものみの塔(研究用)2021 | 2月
    • 研究記事6

      「女性の頭は男性で[す]」

      「女性の頭は男性で[す]」。コリント第一 11:3

      13番の歌 キリストは私たちの手本

      何を学ぶかa

      1. 結婚しようと思っている姉妹は,どんなことを考える必要がありますか。

      全てのクリスチャンの頭であるイエス・キリストは,完全な方です。一方,結婚した女性の頭である夫は完全ではありません。そのために問題が生じることがあります。それで,結婚しようと思っているクリスチャンの女性が相手の男性について次のように考えるのは良いことです。「この兄弟が家族の良い頭になると思えるのはどうしてだろう。エホバに仕えることを生活の中で第一にしているだろうか。そうでないとしたら,結婚後にエホバとの絆を保つよう家族を助けてくれるだろうか」。もちろん,自分自身についてもこう考える必要があります。「自分はどんな面で夫婦の幸せに貢献できるだろうか。辛抱強く,寛大だろうか。エホバとの絆は強いだろうか」。(伝 4:9,12)どれほど幸せな結婚生活を送れるかは,結婚前にどんな判断をするかに,かなりの程度懸かっています。

      2. この記事ではどんなことを考えますか。

      2 大勢の姉妹たちは夫によく従っています。それは素晴らしいことです。こうした忠実な姉妹たちと一緒にエホバに仕えることができるのは,本当にうれしいことです。この記事では,次の3つの点について考えます。(1)妻はどんな問題にぶつかることがありますか。(2)妻が進んで夫に従うのはなぜですか。(3)クリスチャンの夫婦は,イエス,アビガイル,イエスの母マリアの手本から,従うことについて何を学べますか。

      クリスチャンの妻はどんな問題にぶつかるか

      3. どの夫婦も問題にぶつかります。なぜですか。

      3 結婚は神からの完全な贈り物ですが,人間は完全ではありません。(ヨハ一 1:8)それで聖書は,結婚する人は「苦難を身に招[く]」とはっきり述べています。(コリ一 7:28)妻がぶつかるかもしれない問題を幾つか考えてみましょう。

      4. 夫に従うと自分の尊厳が傷つく,と感じる妻もいるかもしれません。なぜですか。

      4 育った環境によっては,夫に従うと自分の尊厳が傷つく,と感じる妻もいるかもしれません。米国に住むマリソル姉妹はこう言います。「私が育った地域では,女性は男性と平等であるべきだ,と教えられます。エホバが夫を妻の頭に定めたことは理解していますし,妻の立場が誉れあるものだということも分かっています。でも,頭という立場に対してバランスの取れた見方を保つのは簡単ではありません」。

      5. 女性の役割について,聖書に沿わないどんな態度や考え方がありますか。

      5 夫が,女性を下に見るような考え方を持っている場合もあるかもしれません。南米に住むイボン姉妹はこう言います。「この辺りでは,男性が食べ終わってから,女性が食べます。女の子は料理や掃除をさせられますが,男の子は母親や姉や妹から何でもしてもらい,王様扱いをされて育ちます」。また,アジアに住む瑛玲姉妹はこう言っています。「中国語には,女性には賢さも能力も必要ないという意味のことわざがあります。女性の役割は家事をすることで,夫に意見を言うこともできません」。こうした,愛が欠けた聖書に沿わない態度や考え方は,妻の生活を大変なものにします。イエスの手本に倣うものではなく,エホバに喜ばれることは決してありません。(エフェ 5:28,29。ペテ一 3:7)

      6. 妻は,エホバとの友情を深めていくためにどんなことをする必要がありますか。

      6 前の記事で考えた通り,クリスチャンの夫は,家族がエホバとの友情を築けるように助け,安心感を持てるようにし,生活するのに必要なものを得られるようにするという務めをエホバから託されています。(テモ一 5:8)とはいえ,妻である姉妹たちも,忙しい予定の中から毎日時間を取って,自分で聖書を読み,じっくり考え,エホバに真剣な祈りを捧げる必要があります。そうするには努力が要ります。妻はとても忙しいので,そうしたことを行う時間や体力がないように思えるかもしれません。それでも,時間を取り分けるのは重要なことです。なぜですか。エホバは私たち一人一人がご自分との友情を深めていくことを望んでおられるからです。(使徒 17:27)

      7. どうすれば妻としての務めを果たしやすくなりますか。

      7 確かに妻にとって,完全でない夫に従うのは簡単ではないこともあります。それでも,夫に従うべき理由について聖書が述べていることを納得しているなら,エホバから与えられた妻としての務めを果たしやすくなるでしょう。

      進んで従うのはなぜか

      8. エフェソス 5章22-24節からすると,クリスチャンの妻が夫に進んで従うのはなぜですか。

      8 クリスチャンの妻が夫に進んで従うのは,エホバからそうするよう求められているからです。(エフェソス 5:22-24を読む。)天のお父さんエホバはどんなことも愛の気持ちから行う方で,エホバが求めている通りにすれば,必ず自分のためになります。そのことが分かっているので,クリスチャンの妻はエホバを信頼します。(申 6:24。ヨハ一 5:3)

      9. クリスチャンの妻が頭である夫に従うなら,どんな良いことがありますか。

      9 この世界は女性たちに,エホバの基準を無視させ,夫に従うなら尊厳が傷つくと思わせようとしています。そうした考えを広める人たちは,愛情深い神について何も知りません。エホバが自分の大切な娘たちに女性の尊厳が傷つくような命令を与えるはずがありません。エホバから与えられた役割を果たすために頑張っている姉妹たちは,家庭の平和に貢献しています。(詩 119:165)こうした努力は,夫にも,自分にも,子供たちにも,プラスになります。

      10. キャロル姉妹の言葉から,どんなことを学べますか。

      10 妻は,完全でない夫に従うことによって,頭という立場を定めたエホバへの愛と敬意を示せます。南米に住むキャロル姉妹はこう言います。「夫が間違いをする時にどう反応するかによって,私がエホバとの絆をどれくらい大切にしているかが明らかになります。天のお父さんに喜んでもらいたいので,これからも夫に従っていこうと思います」。

      11. アニース姉妹が進んで許すのに何が役立っていますか。姉妹の言葉からどんなことを学べますか。

      11 妻は,自分の気持ちや心配を夫が気に留めてくれないと感じると,夫に敬意を示して従うのが難しくなるかもしれません。そういう時どうしているかについて,アニース姉妹はこう言っています。「腹を立てないようにしています。誰でも間違いをするということを思い出します。エホバのように寛大に許すことを目指しています。許すと心が穏やかになります」。(詩 86:5)進んで許すなら,夫に従いやすくなるでしょう。

      聖書中の手本から何を学べるか

      12. 聖書には,どんな手本が記録されていますか。

      12 誰かに従うのは弱い人がすることだ,という考え方があります。でも,それは間違っています。聖書には,心が強くても,従う点で手本になった人たちのことが幾つも記録されています。イエス,アビガイル,マリアについて考えてみましょう。

      13. イエスがエホバに従うのはどうしてですか。

      13 イエスはエホバに従いました。でもそれは,イエスが賢くなかったからでも,能力がなかったからでもありません。イエスは非常に賢かったからこそ,シンプルに分かりやすく教えることができたのです。(ヨハ 7:45,46)エホバは,イエスの能力を高く評価していたので,宇宙を創造する時,自分のそばでイエスが働くようにしました。(格 8:30。ヘブ 1:2-4)そして,復活したイエスに「天と地における全ての権威」を与えました。(マタ 28:18)イエスは,さまざまな能力がある方ですが,それでも導きを求めてエホバに頼ります。お父さんエホバを愛しているからです。(ヨハ 14:31)

      14. (ア)夫は女性に対するエホバの見方から何を学べますか。(イ)夫は格言 31章の言葉から何を学べますか。

      14 夫が学べること。エホバは,妻が夫に従うようにしました。でもそれは,女性を男性よりも下に見ているからではありません。そのことは,イエスと共に治める王として,男性だけでなく女性も選んだことから分かります。(ガラ 3:26-29)エホバは,イエスに権限を与えることによって,信頼していることを示しました。同じように,賢い夫も,妻にある程度の権限を与えます。聖書は,有能な妻が果たす役割として,家事を取り仕切ること,土地を買って管理すること,商売を行うことを挙げています。(格言 31:15,16,18を読む。)そのような妻は,意見を言う権利もない奴隷のような存在ではありません。夫から信頼され,意見を聞いてもらえます。(格言 31:11,26,27を読む。)このように,敬意を持って接してもらえるなら,妻は夫に喜んで従いたいと思うことでしょう。

      天にいるイエスが地球の方を手で指し,エホバに導きを求めている。

      有能な妻は,イエスがエホバに従ったことから何を学べるか。(15節を参照。)

      15. 妻はイエスの手本から何を学べますか。

      15 妻が学べること。イエスは多くのことを成し遂げましたが,頭であるエホバに従うと自分の尊厳が傷つく,とは考えませんでした。(コリ一 15:28。フィリ 2:5,6)同じように,イエスの手本に倣う有能な妻は,夫に従うと自分が下に見られる,と考えることはありません。妻が夫をサポートするのは,夫を愛しているからだけでなく,エホバを愛し,敬っているからです。

      アビガイルがダビデと武装した部下たちの前にひざまずいている。召し使いたちは持ってきた食べ物を下ろしている。

      アビガイルはダビデと部下に食べ物を送った。その後,ダビデの前でひれ伏して,仕返しをして罪のない人たちを殺すようなことはしないでほしいと願い出た。(16節を参照。)

      16. サムエル第一 25章3,23-28節によると,アビガイルはどんな問題にぶつかりましたか。(表紙の絵を参照。)

      16 アビガイルの夫のナバルは,自分勝手で高慢で恩知らずな人でした。それでもアビガイルは,結婚を終わらせて楽な道を行こうとはしませんでした。アビガイルは,ダビデと部下たちが仕返しに来ると聞いた時,黙っていて夫が殺されるままにすることもできたでしょう。しかし,そうするのではなく,ナバルと大勢の家の者たちを守るためにできることを行いました。アビガイルが400人の武装した男たちの前に出て,敬意を込めてダビデを説得するには,かなりの勇気が必要だったでしょう。夫の代わりに謝ることまでしました。(サムエル第一 25:3,23-28を読む。)ダビデはすぐに,エホバがこの勇敢な女性を用いて必要なアドバイスを与えてくれたことに気付きました。おかげで,重大な間違いを犯さずに済みました。

      17. 夫はダビデとアビガイルに関する記述から何を学べますか。

      17 夫が学べること。アビガイルは機転が利く女性でした。ダビデは賢明にも,アビガイルの言葉を聞き入れました。それで,罪のない人たちを殺さずに済みました。同じように,賢い夫は,重要な決定をする前に,妻の意見をしっかり考慮します。その意見のおかげで,良くない決定をせずに済むこともあるでしょう。

      18. 妻はアビガイルの手本から何を学べますか。

      18 妻が学べること。妻がエホバを愛し敬うことは,家族のためになります。夫がエホバに仕えていなくても,エホバの基準に従っていなくてもです。エホバへの愛と敬意があるので,聖書に沿わない方法で結婚を終わらせようとはしません。夫に敬意を示して従うことにより,夫がエホバについて学びたいと思ってくれるように努力します。(ペテ一 3:1,2)たとえ夫がエホバに仕えるようにならないとしても,良い妻であろうとする忠実な女性たちのことをエホバは喜んでおられます。

      19. 妻はどんな場合には夫に従いませんか。

      19 クリスチャンの妻は夫に従うとはいえ,聖書の教えに反することをするよう夫から言われた場合には,その通りにはしません。例えば,エホバの証人ではない夫から,うそをついたり盗んだり,エホバが悲しむようなことを行ったりするよう求められるかもしれません。しかし,妻である姉妹たちを含め,全てのクリスチャンは,まずエホバ神に従う必要があります。それで,聖書の教えに反することをするよう求められたなら,そうできないことを伝え,理由を親切にはっきりと説明します。(使徒 5:29)

      20節を参照。b

      20. マリアにはエホバとの強い絆があったと言えるのはなぜですか。

      20 マリアは,エホバとの強い絆を築いていました。聖書の言葉をよく知っていました。バプテストのヨハネの母エリサベツとの会話の中で,ヘブライ語聖書の表現を20以上使いました。(ルカ 1:46-55)またエホバの天使は,マリアがヨセフと婚約していたにもかかわらず,まずヨセフではなくマリアに現れ,神の子を産むことになるということを直接伝えました。(ルカ 1:26-33)エホバはマリアのことをよく知っていて,独り子イエスを愛し,よく世話してくれると信頼していました。マリアは,イエスが死んで天に復活した後も,エホバとの強い絆を保ったに違いありません。(使徒 1:14)

      21. 夫はマリアについての聖書の記述から何を学べますか。

      21 夫が学べること。賢い夫は,妻が聖書の言葉をよく知っていることを喜びます。妻に頭の立場を奪われるのではないか,と考えたりはしません。聖書についてよく知っている妻は家族にとって貴重な存在だ,と考えます。妻が夫より高い教育を受けているとしても,家族で聖書を学ぶことをはじめ,崇拝の面で家族を引っ張るのは夫の責任です。(エフェ 6:4)

      姉妹が聖書を読んでいる。

      妻は,聖書を学んでじっくり考えることについてイエスの母マリアから何を学べるか。(22節を参照。)c

      22. 妻はマリアから何を学べますか。

      22 妻が学べること。妻は夫に従う必要がありますが,自分の信仰を強く保つのは妻自身の責任です。(ガラ 6:5)それで,時間を取り分けて自分で聖書を学び,じっくり考えなければなりません。そうするなら,エホバへの愛と敬意を保ち,夫に喜んで従うことができるでしょう。

      23. 夫に従うことは,妻自身,家族,会衆にとってどのようにためになりますか。

      23 エホバへの愛の気持ちから夫に従う妻は,エホバが定めた頭という立場を退ける人たちよりも,大きな喜びと満足を味わえます。夫に進んで従う妻は,若い人たちにとって良い手本です。そして,家族だけでなく会衆にも温かい雰囲気をつくり出します。(テト 2:3-5)現在,女性はエホバに忠実に仕える人たちの中で大きな割合を占めています。(詩 68:11)男性であっても女性であっても,私たち全てには会衆での大切な役割があります。次の記事では,それぞれの役割をどのように果たせるかについて考えます。

日本語出版物(1954-2026)
ログアウト
ログイン
  • 日本語
  • シェアする
  • 設定
  • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
  • 利用規約
  • プライバシーに関する方針
  • プライバシー設定
  • JW.ORG
  • ログイン
シェアする