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「地獄」は本当に存在しますかあなたは地上の楽園で永遠に生きられます
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シェオルとハデス
4 (イ)シェオルとハデスが同じものを意味すると聖書はどのように示していますか。(ロ)イエスがハデスにおられた事実からどんなことが分かりますか。
4 人間が死んだ時に行く場所のことを言う場合に,ヘブライ語聖書の中では「シェオル」,ギリシャ語聖書の中では「ハデス」という語が用いられています。次のページに掲げた詩編 16編10節と使徒たちの活動 2章31節を調べてみると,この二つの語は同じものを意味していることが分かります。シェオルという語の出ている詩編 16編10節から引用されている使徒たちの活動 2章31節で,ハデスという語が使われていることに注目してください。ハデスとは永久の責め苦の場所であると主張する人々がいます。しかし,イエス・キリストがハデスにおられたということを見逃すことはできません。わたしたちは,神が「地獄」の火の中でキリストを責め苦にあわせたと信ずべきなのでしょうか。もちろんそうではありません! イエスは死んで墓に行かれたにすぎません。
5,6 ヤコブおよびその息子ヨセフ,そしてヨブについて述べられていることは,シェオルが責め苦の場所でないことをどのように示していますか。
5 創世記 37章35節にはヤコブのことが記されています。ヤコブは,愛していた息子ヨセフが殺されたと考えて嘆いていました。聖書はそのヤコブについてこのように述べています。「彼は慰めを受け入れようとせず,しきりにこう言うのであった。『わたしは嘆きながら我が子のもとへ,シェオルへ下るのだ!』」 ここで少し考えてみましょう。シェオルは責め苦の場所だったのでしょうか。ヤコブは息子のヨセフがそのような場所へ行き,永久にそこで過ごすと信じ,自分もそこへ行って息子に会いたいと考えたのでしょうか。それとも,愛する息子が死んで墓にいるから自分も死んでしまいたい,と考えたにすぎないのでしょうか。
6 そうです,善人もシェオルへ行きます。一例として,神に対する忠実さと誠実さで知られているヨブのことを考えてみましょう。ヨブは大変な苦しみに遭っている時,神に助けを求めました。その祈りはヨブ記 14章13節に記されています。「ああ,あなたが私をシェオルに隠し……私のために時の限りを設けて,私を覚えてくださればよいのに」。では,考えてみましょう。もしシェオルが火と責め苦の場所を意味するなら,ヨブは,そこへ行って神が思い出してくださるまでそこで過ごしたい,と考えたでしょうか。ヨブが願っていたことは明らかに,苦しみが終わるよう死んで墓へ行くことでした。
7 (イ)シェオルにいる人々はどんな状態にありますか。(ロ)それでシェオルとハデスは何ですか。
7 聖書中の,シェオルという語の出て来る箇所で,シェオルが,命,活動または責め苦などと結び付けられているところは一つもありません。むしろ死や無活動と結び付けられている場合が多いのです。例えば,伝道の書 9章10節を考えてみてください。「あなたの手のなし得るすべてのことを力の限りを尽くして行なえ。シェオル,すなわちあなたの行こうとしている場所には,業も企ても知識も知恵もないからである」と述べられています。それで答えは非常にはっきりしてきます。シェオルとハデスは責め苦の場所ではなく,人類の共通の墓を指すということです。
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「地獄」は本当に存在しますかあなたは地上の楽園で永遠に生きられます
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[83ページの囲み記事]
ヘブライ語の「シェオル」とギリシャ語の「ハデス」は,同じものを意味します
アメリカ標準訳。(丸で囲んだ部分。詩編はシェオル,使徒たちの活動はハデス)
10 For thou wilt not leave my soul
to Shē'ōl;
Neither wilt thou suffer thy
holy one to see corruption.
31 he foreseeing this spake of the resurrection of the Christ, that neither was he left unto Hā'dēs, nor did his flesh see corruption.
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